頻発した地震に慣れてしまった一面も確かにあるが、ここしばらくひどい揺れの地震はないこともある。
あの3月の地震から学んだ備えと、万一の時の行動シミュレーションだけは頭の中にしっかり置いておくとしても、平穏な生活が続くとだんだんと意識の中から『地震』が遠のいて行くのも、ある意味、生活して行くうえでの人間の本能のようなもので、仕方ないことかもしれない。
JR玉川村駅構内で地震計設置のための建物組立工事が進んでいる。
現場までの侵入道路の状態が悪く、トラックの通行や資材搬入にはかなり苦労されているようだが、どうにか建物の外枠が組み上がった状態まできた。
工事現場へ向かう山沿いの道は泥濘がひどい。 JAFを呼んで車の脱出騒ぎまであった |
JR玉川村駅構内の地震計用の建物 内部は一坪ほどだが基礎は厚く、枠組みは堅牢な建物だ |
JR東日本は、東日本大地震で太平洋沿岸の路線に大変な被害を受けている。
いまだ復旧できないでいる線もある。
常磐線は福島県内では、福島第一原発付近で分断されたままだ。
元通りに戻すにしても、迂回路を造るとしても、膨大な費用がかかるとの予測がなされている。
だろうと思う。
線路を敷くということ自体、重機をふんだんに使う今の時代であっても、大工事である。
一般道のように土を盛ってアスファルトを敷いて固めて仮復旧、という訳には到底いかない。
とはいえ、地元の人(※)にとっては大切な公共施設で、都市と地元が物理的にも精神的にも繋がる貴重な存在であり、復旧に掛ける期待は大きい。
(※)普段は自家用車ですべて移動していて、JRを利用することなどは殆ど、いや、全くない人であっても、このようなときにはにわか待望論者になる。
それぐらい沿線住民の根には国鉄時代からの都合の良い愛着だけはあるのだろうなと思う。
公共交通機関としての役目を担うJRにとっては、目に見える形の災害からの復旧も大切だが、将来発生するかもしれない地震に対する備えもまた大切な投資である。
この地震計設置などはその典型だろう。
たまたま我が家のすぐ近くで工事がなされているために、このように関心を持って毎日観察している訳だが、殆どのひとはこの地震計の存在そのものも気がつかないだろう。
稼働後は休むことなく地震の観測を続けるはずだ。
JRの電車を利用するすべての人の安全と安心のために。
JR玉川村駅上りホーム横にこの建物はある。
水郡線の車窓からこの建物が目に入ったとき、あるいは地震を身体に感じたとき、すこしだけでもよい、この地震計の存在と意義を思い出して欲しい。
気がつかないような僅かな揺れでも計測されている |
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