予定していた、最後のコシヒカリと紫黒米の脱穀が夕方には終わった。
これで今年の稲刈り作業の大半が終了した。
(残すは、僅かな量のモチ米がオダに乾燥待ちで残っているだけだ)
これまでに我が家で脱穀したコシヒカリの籾は、懇意にしている市内のU商店という精米・出荷業者に籾摺り作業を頼んでいる。
わが倉庫に一定量の籾袋が貯まり次第、U商店の方に受け取りに来てもらい、数日後に玄米として納入してもらう。
水稲農家としては、まさに最終段階だ。
このU商店にお願いして、籾から玄米にするときに排出される『籾殻』を頂いた。
籾殻から『クンタン』を作るためだ。
クンタンとは、漢字で書くと『燻炭』。
つまりは、籾殻を焼いて炭状態にしたもの、である。
この燻炭、園芸をする方、土壌改良に注力されている農家の方はよくご存知であり、利用されていると思う。
土壌改良材として、あるいはマルチング材として、肥料として、保水性・排水性・通気力・保肥力の材料として、酸性土の中和材として、・・と素晴らしいパワーを持つ優れものである。
これだけでは抽象的でわからないであろうから具体的メリットを挙げてみる。
・籾が炭の状態になるため、多孔質である。そのため空気中・土中の有害物質を吸着する。
また有用微生物のすみかとなり、土壌が改良される。
・表土に敷き詰めると保温効果・雑草繁茂抑制効果が期待できる。
・微量要素を多量に含むために植物の耐病性を高める。
・沢山の空気穴を持つため、根の張りが良くなる。
・ph8〜9のアルカリ性であるため賛成に傾いた土壌を中和させる。
要は、これを土壌に鋤き込む・敷くことで、土壌改良が進んだり、生育に良い環境を作れるのである。
これからの秋冬野菜の植え付けや来春に向けた野菜作りのために大量に作っておきたいと考えた。
稲藁も農作業に目一杯活用している(稲藁を束ねるヒモとして、藁縄として、保温・防草の敷き藁として)。籾殻もこのようにして活用する。
玄米を精米する際に出る米ぬかも、堆肥に混ぜて利用する。
昔から伝わった無駄を全く出さない農業は、リサイクルの究極の姿だろう。
この燻炭をつくるための『燻炭器』という代物がある。
今回、新たにホームセンターで買い求めた。
ブリキ製の三角錐に煙突がついたものだ。
漏斗を逆さまにしたものと思えば良い。
この本体には空気孔が穿ってある。
構造としては極めて単純なものだ。
燻炭器と籾殻の山 |
他のもので代用も出来るようだが 廉価なので専用品をいつものホームセンターで買い求めた |
手順も簡単である。
最初に少量の紙くず・小枝等を燃やし、この燻炭器を被せる。
続けて燻炭器の周囲を籾殻で埋める。
1時間経過。
燻炭器の周囲からじわじわと焼け始める |
2時間経過。
3時間半経過。
黒こげが広がってきた |
4時間経過。
黒い部分が半分以上になったためこの段階で一気に山を崩し広げかき混ぜる。
内部の高温の炭状の籾とまだ燃えていない籾が混ざり、続けて燃焼する。
燻炭器を取り外し、水を掛けて消火する。
手早く水を掛けないと、燃焼が進んで白い灰になってしまう。
白い灰になる前に水を掛けて鎮火させる |
出来上がった燻炭 籾の形が残り、パリパリとしている |
籾殻は大量にある。
毎日少しずつだが燻炭を作り、大いに活用したいと思う。
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