2014年4月28日月曜日

2014年ニホンミツバチ捕獲  誘引剤設置のその後

この4月に新しく発売になった『ニホンミツバチ誘引剤』のその効果については先日のブログで記した。
如実に効果が現れ巣箱にニホンミツバチが群がり出入りを繰り返したのは、まさに驚きであった。

それから一週間経過した。その報告である。
誘引剤を巣の入り口に設置した(・・・購入した2つを繰り回して順番に取り付けた)5つの巣箱すべてにハチが群がり飛び、出入りをしたのだが、結果的には1つの巣箱だけに定住してくれた(4/28現在)。他の巣箱は2日目にはほとんど姿を見せなくなり、3日目以降は全く寄りついていない。

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入居がない箱には誘引剤を取り付けたままにしてある。だがミツバチは全く寄りついていない。初日が嘘のようだ。誘引剤の説明書には約45日効果が持続する・・とあるので引き続き取り付けてはいるのだが。われわれ人間はこの誘引剤の効果はハチが寄りつくことだけでしか確認できない。このような状況が続くと、効果45日???という疑問も抱いてしまう。
だが、このようにも推察できる。ここにはミツバチ群が少なく、誘引剤設置の日には同一群の一部がそれぞれの巣箱に群がった、と。こう考えてしばし我慢。きっと明日には・・と期待して様子をうかがう毎日である。
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以下がめでたく営巣を開始した巣箱を、底板を外して下から上に向けてデジカメで(フラッシュ付で)写した写真である。

この黒々としたミツバチの塊り。なんとも素晴らしい光景ではないか。つい頬が緩んでしまう。とりあえず一群ゲットしたので、今までの苦労もすっかり吹き飛んだ。

この巣箱は4段の重箱構成。既に最上段のクロスした横棒(巣落ち防止棒)が見えなくなっていて、上から2段目の横棒も半分ほどミツバチで隠れている。

巣箱1段の高さは14㎝あるので、ざっと天井板から16~18センチほど巣が形成されている計算になる。僅か一週間で、だ。
2年前の初めて営巣したミツバチの勢いとは比べ物にならないほどのスピードである。かなり強い勢いを持った一群のようだ。飛び交うミツバチの数も雲泥の差だ。
だからだ、巣の入り口も混雑する訳だ。

(巣箱に付けたアルファベット記号を振り直した。入居した巣箱は現在は『F館』である。)
夏の酷暑・西日対策も怠りなく実施済みである。
西側には遮光ネットを立てて、さらに屋根の庇を長くして南側からの直射日光を遮る
巣箱の前面には中の巣の長さをひと目でわかるように記録した紙を貼った
さすがにもう肩透かしはないだろうと思う。なので安心して毎日眺めている。

2014年4月27日日曜日

2014年度 代掻きを始める

付近では田植え準備が一斉に始まった。だが水不足は否めない。
当地は21日に僅かばかり降ったものの、まとまった本格的な雨は月初(4/3-4)だけ。
カラカラの田んぼを代掻きするには大量の水が必要だ。

農業用水設備が整っていれば栓を開くと必要な水が確保できる場所とは違うため、各戸ともそれぞれに涙ぐましい水の確保をしている。近くの水路の僅かなこぼれ水を大切に集めもし、何十メートルも離れた小川から(皆が一斉に取水に走るため、この小川とて水量は乏しい・・)揚水ポンプで水を汲みあげる人もいたりする。
          
我が家でも苦労しつつなんとか田に水を張り、やっと代掻きを始めるところまでこぎつけた。
2枚の田んぼで約2反ほど。
5時間ほどかかったが、このようなキレイな田んぼに仕上がった。
この状態で数日間、土を落ち着かせる。
そしてやっと田植えである。
月末の雨予報に期待している。
         
田んぼで作業していると、カラスがしばしば近寄ってくる。
最近のカラスは賢くなり、人間がなにかしら作業するとカエルやミミズなど小動物が地表に露わになることを知っていて、それらの餌を啄ばみにやってくるのである。
随分と人慣れしているカラスが増えた。学習効果なのであろう。

ドジョウ、ザリガニ、カエル、毛虫、ミミズ等を盛んに啄ばむ
機械が近づくと逃げるがまたすぐにやってくる
          
今日はそしてこんな珍しい仲間もあぜ道にやって来た。

猫かと思ったが、タヌキであった。
みんなともにここ里山に生きる仲間たちだ。

2014年4月23日水曜日

ミズバショウ 咲き始める

谷津の耕作を止めて久しい田んぼに、昨年の4月に植えたミズバショウ1株。
昨日、白い可憐な花を付けているのを確認した。
(正確には花ではなくて苞(ほう)と言うもので、葉っぱの変形したものだそうだ。Wikipediaによる。)

10日ほど前は、まだ小さな緑の棒のような葉だけであったが、ここにきて急に白い部分が大きくなった。10㎝に満たない姿だが立派なミズバショウだ。
2014/4/11撮影 

2014/4/21撮影
もっと大きくしてみると・・・・・
当地で初めて開いたミズバショウである
これからもっと大きく開くのだろう、きっと。
Wikipediaによれば、ミズバショウは自家受粉し、種で増えるとのこと。
そして実生は条件の良い場所に定着すると3年程度で開花するまでに成長する、とある。ということは、この場所で株を増やし繁茂してくれるかもしれない。
おいおい、ミズバショウの一大群生地になってしまうではないか。。
そんなことになったら、、、う、うれしいではないか。。

・・・これもまた将来の楽しみ。
 
         
山桜散り、水芭蕉の花に舞う。
ウグイス鳴き、新芽で濃い淡いやわらかな緑色の谷間にこだまする。
山はいままさに『山笑ふ』の時季。
生気が漲っている・・・そんな里山である。
ヤマザクラガ至る所に咲いている
ミズバショウが咲いている田んぼは写真中央正面部分だ

2014年4月22日火曜日

ニホンミツバチ誘引の新兵器 その効果は絶大だった

今年のニホンミツバチ捕獲の施策の第5、とっておきの新兵器投入の報告である。

結論から言うと、今までの苦労は何だったのかというほど、このアイテムでは絶大なニホンミツバチ誘引効果が確認された。
その名は『日本蜜蜂誘引剤』。そのものズバリだが、なんとも素晴らしいアイテムである。
その商品内容については次のHPに詳しいので割愛するが、とにかく効果は覿面である。
    詳しくはこちら ⇒  蜜蜂誘引剤の販売
         
ぬか喜びさせた出入りミツバチが居なくなって2日。それはそれは落胆していたのである。
A~E館のいずれもが寒々しい空家。
それを見るにつけ、ニホンミツバチの気持ちを推し量ることの難しさを痛感したのである。

HPでこの『日本蜜蜂誘引剤』の販売を知って、とにかく飛びついた。
今年の4月から販売開始とある。これは試さねばなるまいと、すぐさま申込みし送ってもらった。
プラスチックのシャーレの中に、何本かの筋が見える。
これが誘引剤を塗った部分である。
(裏の四角は黄色い紐を留めている粘着テープ)
この誘引剤、値段は張るもののほぼ同額のキンリョウヘンを購入し育てて花を咲く時期の調整に苦労し、花の咲いている期間も限られる・・・などの管理労力・咲かないリスク負担・実質的効用時間数(誘引剤は45日間効力が持続するとある。キンリョウヘンの花はこんなには咲き続けはしない)などの点を考えればCP(コストパフォーマンス)はかなり高いだろう。入居し定住するかどうかはキンリョウヘンを使っても同じ。呼び寄せる能力は同じとしても、トータルでは軍配は誘引剤に上がるのではないか。それほど素晴らしいものがあると思う。
科学の成果、と言っても過言ではない。

ここは金額負担感よりも、短期間の勝負であることから、いかに効率的かつ確実にニホンミツバチを呼び寄せるか、であると考えた次第だ。
普段は効率性や科学技術の積極利用等には批判的な小生だが、この部分についてだけは考えを改める。かなりご都合主義だが・・。
             
設置するまで全くハチの姿が周囲に見当たらなかったのだが、この誘引剤を巣箱入口に掛けて10分ほどで、数匹のニホンミツバチの飛来があり、その後は次第に数が増えていった。まさに驚異的といっていい。
小躍りしたのは言うまでもない。
ある程度飛来数が増え、巣箱への出入りが増えたところで、誘引剤を次の巣箱へと移した。購入した2個の誘引剤をくりまわし、A~Eの5館すべてに掛けたのだが、そのいずれも同じ結果で、見事にハチを呼び寄せることができた。
(本来F館までの6館あるのだが、F館は知人に貸し出し中のため、現在は5館)

不思議なことに、シャーレの中の誘引剤そのものには群がらない。(この点、キンリョウヘンの花には直接群がるのとは異なり対照的だ)。
誘引剤に誘われて飛来し、適当な巣箱の入り口があると、どうやらそこに入りたくなるらしい。今回の5館はいずれも蜜蝋を塗ってあるし、巣クズは入り口にたんまり置いてあるので、尚更だったのかもしれない。
複合的な対策が奏功したのだと思いたい。

         
以下、その(衝撃の)映像である。
くどいようだが、どの巣箱も誘引剤を掛けるまで全く周囲にミツバチの姿は全くなかったのに、である。

A館
B館
 
C館

D館

E館

あくまで巣箱に誘引出来ただけで、まだ入居が決まったわけではない。
女王蜂が入らない限り、棲みつきはしないので、いつまた居なくなるかわからぬことは承知している。
だが、斯様に簡単にニホンミツバチを誘引出来るアイテムがあるとなんとも心強い。
キンリョウヘンも引き続き使用するものの、この誘引剤の出現で主役交代はやむなしであるだろう。

同好の士よ、この今の時期を逃さずこの誘引剤を試してみるがよい。きっと小生と同じ驚きを体験するに違いない。自身を持ってお勧めできるアイテムである。
(以上、あくまで個人的な感想である。諸条件が異なれば結果が異なることも当然にありうる。購入・使用に当たっては、各自の判断と責任でされたい。)

2014年4月21日月曜日

ミツバチ入居 肩透かしを食らう

4月18日のブログで『再び養蜂業者となった日』として、ミツバチが『入居した』と歓喜いっぱいのモードで成功を記した。
ミツバチが巣箱に出入りし始めて1週間。その状態が継続して観察できたため、さすがにもう大丈夫だろうと思い、満を持しての公表であった。
ある種の勝利宣言のようなものだった。
このような光景が一週間続いたのだが
だが、一昨日から続く雨模様の寒い天気。巣箱にハチが見当たらない。
こう寒いとミツバチの動きも鈍いのかもしれないと思いつつ2日様子を見たものの姿がない。今日も15分観察していても一匹も出入りしない。
もしかしたら・・・という一抹の不安。どんどん不安と疑念が大きくなる。
抑えきれず、天井板を開けて確認してみたら、やっぱり・・・。
空っぽであった。
数多いハチたちが出入りを続けてはいたが、入居は空振りであったようだ。
またも肩透かしを食らってしまった格好だ。
結論を出すのが早すぎた。ん~ん・・・、これだから難しい。
         
今回は残念な結果だったが、まだまだチャンスは続く。望みは捨てていない。
まだキンリョウヘンはまだ咲かないが、ちゃんと花芽が膨らんできたので、あと少ししたら巣箱の周囲に設置できそうだ。
キンリョウヘンの蕾
そして、まだ詳細は語れないのだが、捕獲に向けて新兵器・秘密兵器を近々投入する予定だ。今年の施策の5番目である。
         
こうやってどんどん嵌ってゆくのである。(そんな自分を自覚している)
生涯続けられるこのような楽しみを持てたことに感謝だ。

2014年4月18日金曜日

再び養蜂業者となった日

以前のブログにNHKのBSで放送されている『晴れ、ときどきファーム!』について書いたことがある。2012/6/10ブログ

この頃の内容は、MAXという女性歌手グループのメンバー3人が千葉県の某所に借りた古民家に週末に来て、おシャレに農業のまねごとをして田舎の生活の楽しさを満喫する、というものだった。
一方で我が常陸大宮市の某所が撮影現場のTBS金スマ『ひとり農業』。泥だらけ・汗だらけになりながら孤軍奮闘する渡辺氏と、『晴れ、ときどきー』は対極にあるような内容の農業紹介バラエティーだ、と記した。そして、どちらも誤解される部分はあろうとも農業プロパガンダとしては大変良い、とも。

MAXのお姉さんたちがやっていた『晴れ、ときどきー』は、腹立つような映像ばかりであったため、一回きりしか見ておらず、それ以降は全く見ていなかった(金曜夜11:15~11:45という遅い時間で、BSプレミアムでの放送・・ということもある)。
         
昨年の春から『晴れ、ときどきファーム!』の内容がリニューアルされているのを最近知った。
   『晴れ、ときどきファーム!』番組HPはこちら
新しい内容では、村上知子(森三中)、長野博(V6)、滝沢沙織の3人が、週末だけ古民家をシェアハウスして、農業を体験したり採れた野菜を調理し、料理を食べながら紹介するというもの。
NHK番組そのものはまだ見ていないが、動画投稿サイトで放送内容を見て知った。

ロケ地も変更になっている。
今度も同じ千葉県で外房の某所。古民家の立つ場所は山を背に南が開けたやや高台で、居住するにも農業をするにも良さそうな環境だ。周囲の生け垣や庭のつくり、建物内の誂えなどから推察するに、ちょっとした地元の名士が住んでいたものではないだろうか。
どんな環境での農業なのか興味があったのでロケ地を調べてみた。番組中に場所を推定できるような映像や人物が出てくる。それらの断片的な情報を整理分析。小生は千葉県内の地理にも少し勘があるので比較的簡単にGoogle Mapでここを特定できた。金スマひとり農業のロケ地ほど山の中ではない。
TVで放映されている範囲の画像

番組は前のバージョンと同じようなものだが、季節の旬野菜を使った料理を紹介する部分が増えたようだ。ちょっとオシャレな料理が並ぶが、手が込んだ料理というわけでもない。料理のレシピは番組HPのなかで『畑のごほうび』として載っているので、(番組自体はほとんど見ないが)眺めることがある。試してみてもよいかなと思わせるものも多い。実際に作るかどうかは別にしても、参考になる情報がたくさんあり、見ているだけでも楽しい。
たとえば、柿を鶏肉や野菜とともに炒める料理や、柿と豚ロースの串焼きなど(2013/11放送)考えてもみなかったものだろう。
         
当たり前だが、このロケ地の古民家自体も、屋敷周辺も、畑も、週末農業だけで手入れされたレベルではありえない、実にきれいなものだ。番組収録用にきっちり整備されている。ひとり農業も同じでドキュメンタリー番組ではないのだからこれで良いのである。

2年前のブログに以下のように記した。今も思いは全く変わっていない。どんな形であれ、田舎での生活や農業の持つすばらしい魅力を広報してくれることは良いことだ。

このようにマスメディアがこぞって『農業体験』を番組にすることが興味深い。
自然体験、セラピー、スローフード、環境教育、ふるさと再発見、田舎暮らし、グリーンツーリズム、自然再生、里山保全活動・・・。農山村では、あらゆる活動を通じて、人々は汗をかき、仲間を作り、自らの想像力を刺激し、達成感を味わうことができる。分業化によって効率を追求してきた企業では発揮できなかった個人の能力がアウトドアでは発揮できる。その大切さと素晴らしさに改めて気がついたか。
この類の番組が人気をもって続いていることは、ストレスの多い都市生活スタイルからの自然回帰の表れかもしれない。祖父母の時代とは違って、都会生まれ、あるいは農業と距離のある生活環境で育った第三世代の若者たちにとっては、農業そのものも農山村も、珍しく面白い未知の体験場であって、ワンダーランドなのであろう。
きっかけも、アプローチ方法も、どんな形であってもよい。
自分たちが食べて命を長らえるための尊い『食物』に対して、関心と興味を持ち、少しでもそのありがたみを感じてくれればよい。

2014年4月16日水曜日

旧山方小・舟生分校の老桜

ソメイヨシノ系の桜は葉桜に移りつつあり、主役は八重系の桜か山桜となった。
振り返ると気ぜわしく過ぎた10日間ほどではなかっただろうか。
咲きそうだと話題にし、咲いた散ったと言ってはこれだけ騒がれる花は桜以外ない。
         

さまざまのこと思ひ出す桜かな

かの俳聖・松尾芭蕉が桜を詠んだ句である。

芭蕉が思い出すのは『さまざまのこと』である。
何を思い出すのか思い出したのかは具体的にしていない。
そのことで逆に鑑賞する人それぞれがそれぞれの解釈ができる。
崇高な精神世界へ昇華した句・・と素人ながら思う。
         
大勢で皆と楽しく楽しむ桜も良い。大切なひとと二人だけでそっと仰ぎ見る桜も良い。
だが、独り静かに『さまざまのこと』を思い出しながら、味わう桜もまたよい。
このような桜の味わい方を積み重ねると、心の襞(ひだ)が増えて行くような気がする。

満開の桜は何処のものも素晴らしいとは思うが、桜名所や観光地のそれには個人的には何の思い入れもないためか、あまり『さまざまのこと』も思い出すことがないから不思議だ。
         
名もない場所だが、今年もひとりでそっと訪れ眺めた桜がある。
旧山方小学校・舟生分校の校庭の桜である。狭い校庭を桜の樹が囲んでいる。
片隅には二宮金次郎が静かに佇む。
小生自身には直接的な関わりはない場所なのだが、亡き母が若い頃に先生として過ごした分校である。ただそれだけである。

訪ねたその時間には、山里の分校には誰もおらず静謐な時間が流れていた。
麗らかな日差しの中で、老木の桜はただただ真っ盛りであった。

たまにはこういうシチュエーションもよいものだ。

舟生分校の校庭と満開の桜
誰にも邪魔されずに一人ですべてを占有した贅沢な時間だった
皇紀2600年(昭和15年)を記念して建てられた二宮金次郎像
幾多の春と子どもたちをここで見送ってきた

2014年4月13日日曜日

福島・花見山へ

茨城の桜は盛りを過ぎた感があるが、いま福島市の『花見山』が一番の見ごろを迎えているという。
NHKでも中継があった。
天気も良い日曜日。大混雑は予想されたが、思い切って出かけてみた。
         
東北自動車道を経て福島市内へ。途中の安達太良SAでの休憩を入れても3時間ほどである。

安達太良SAから眺められる安達太良山
山の白雪と桜のピンクと青空(と足元の草の緑)が見事なコントラストである
現地はマイカーの乗入れが規制されているので、花見山からは遠く離れた河川敷の臨時駐車場からシャトルバスに乗り現地に向かうことになっている。
さすがに晴天で見ごろとなった日曜日である。1000台入るという駐車場も満杯で空きを探すのも一苦労だったし、シャトルバスに乗るのも大行列だった。

約400人の行列だが10分ほどで乗車できた。
乗車代金は環境整備協力金という名目で300円(往復)支払う
ただ、運営が実に良くできており、ストレスなくスムーズに花見山までたどり着くことができた。
5年前に同じように混雑のピーク日に訪れたことがあるのだが、今日ほどはスムーズでなかったように思う。

桜のピンクだけでなく、レンギョウの黄色、ボケの赤、サンシュユの薄黄色、デショウジョウの赤い新芽、ハクモクレンの白、ハナモモの濃いピンク、麓の畑に広がる菜の花の黄色・・が織りなす色の絨毯はまさに圧巻だ。
秋山庄太郎氏が『福島に桃源郷あり』と称えたのが良く解る。

登山口に立つ石碑
この登山口から60分健脚コースで山頂まで。
いくつもの桜のトンネルをくぐる。老若男女、多くの人がカメラにその姿を納めている。
どの顔もみな笑顔で、実にいい。
これだけの花が揃い、美しいものを観た時にひとは素直にこのような顔つきになるのだろう。

途中の至る所から、眼下に桜、借景として福島市街地と西にそびえる雪が残る吾妻連峰が眺められる。まさに絶景である。
(福島市民が楽しみにしている有名な吾妻山の『雪うさぎ』も確認できた。この雪形の出現は福島民報でも紹介されるほどだ)
山頂の東屋からの眺め
帰りのシャトルバスも大混雑であったが、心地よい感動のせいでさほど苦にはならない。
         
花見山はこの山周辺の一帯だけが見事に花で覆われているが、外れると何の変哲もない普通の雑木林である。
元はこのような山に、桜や桃を花卉生産業のために植えたことから始まったという。とにかく花卉を植え手入れしてゆけば、10年単位での時間は必要だがこのようになるという一つのお手本である。
5年前に初めてこの地を訪れた時に思ったのは、茨城の我が家の山でもできるんじゃないかな、ということだったが、今回もその感を強くした。
花見山を作る決意を再度新たに。

我が家の山も整備開始以来3年経ち、次第にきれいになりつつある。
ある程度整った場所には桜の苗木を植え、100本ほど植えたことになる。
まだ若木であまり花は多くはないが、今年も皆花を咲かせている。
ふと10年後、20年後を想った。。
こうなると山作業もまたさらに楽しみとなる。
この福島の感動を茨城・玉川村でも、が密かな願いだ。

2014年4月11日金曜日

初物 タケノコを掘る・食す

今年もまた、出始めたタケノコを掘りに来ないかと従兄から連絡があった。
さっそく出かけた。
市内・山方の館(たて)地区にある母の実家の裏山には孟宗竹の林が広がっている。
この林でのタケノコ掘りはここ数年の恒例行事だ。

いまのような出始めの時季のタケノコは、地表にその先端をほとんど出していない。
竹の葉の枯れ落ち葉を、靴底で擦るようにして歩くと僅かにツンと硬い突起に当たる時がある。
石ころかもしれないが、そのあたりの落ち葉・枯れ草をそっと取り除くと、ちょっぴり姿を現す。

タケノコ掘り専用に鍛造してもらったという特注の鍬て周囲を丁寧に掘り進める。
ある程度掘ったら、あとはいっきに底部に切り込みを入れ掘り上げる。

大きさも重さも、なんともいい感じ
場所が場所だけに、竹の根が地中に張り巡らされていたりするので、なかなかすんなりとは掘り上げることはできない。
30分ほどで、大小8本を掘り上げた。

8本ものタケノコは、さすがに我が家だけでは食べきれない。
知り合いにおすそ分けしたところ、大変に喜ばれた。
大抵の人にとっては恐らくは初物に違いない。

昼に掘ってその夕餉に上った走りタケノコ。なんとまあ贅沢であることか。
         
この竹林がある山は、高館山と言い佐竹氏の支城である『山方城』の詰めの城の遺構が山頂付近にある場所である。
タケノコを掘る前に、その場所を散策してきた。
急峻な山の尾根部分に城址がある
急峻な山頂に城が築かれている様子は、かつて訪ねた常陸太田市の要害山・国安城と大変似ている。恐らく同じような時期に築かれたものだろう。

あれこれ感慨に耽りながら林を歩き、急な坂道を幾度も降りた。
これらの幾つもの郭(くるわ)跡を経て、密蔵院という麓の寺の境内に降りた。

寺にほど近い山方城址に建てられている『御城展望台』も訪ねた。
天守閣もどきの展望台であるが、眼下に広がる久慈川と満開の桜は素晴らしい眺めである。
久慈川のゆったりとした流れと山方の町並みが眼下に広がる
桜も満開である
かつてここの館に居住した佐竹氏の家臣・山方氏もまたこの風景を眺めたことであろう。
         
今日は、初物のタケノコを自ら掘り食して堪能。佐竹氏関連の城址を2カ所も訪ね歩いて満開の桜と久慈川を眺めて堪能。目も舌も大満足である。
欲張りな一日であった。