2019年8月28日水曜日

「古代ハス」切り花の販売を探る(その3)

これまでの検証での結論である。
パターン1と5では葉と蕾はまったくといってよいほど(見た目では)劣化が認められず、理想的な状態が維持されていた。
パターン2と3は1より劣るもののほぼ同様に良い状態であった。ただパターン2は気温が高いからかフイルムには水滴がびっしり付いていたのでその分の水分が蒸発されているはずであり、見た目には分からない萎れはあったものと思われる。ゼリーの現象も僅かに認められた。
冷蔵保管すると切り花・葉は生命維持活動(=水分の吸収と蒸散)が低下するのであろう、パターン5はほとんどパターン1と違いが認められないレベルであった。
個人的な見た目評価ではあるが次の通りの結果となった。

愛知県農業総合試験場の研究結果通り、冷蔵保管することが一番重要であるということを改めて確認できた。

48時間後のパターン1の蕾と葉の状態(袋から取り出してすぐ)は次のようなものだ。
どうだろう、生き生きとしたままである。外側の葉弁の黒ずみはもとからのものだ。
言わずもがなだが、何も対策をしないパターン8は、葉がすぐに萎れてしまった。
◆  ◆  ◆
ついでにそれぞれのパターンで使用した蕾を水に挿しておいて観察を続けた。
さらに48時間経過したところでパターン1の蕾が開いた(下の写真 左端)。

と言っても不自然な形。これ以上開かず花弁は散り落ちた。そして他のパターンの蕾は開くことが無かった。
一つだけの開花は、パターン1の環境条件に起因するものなのか、個体属性に起因するものなのかはこの実験からは判定がつかない。ただ事実としてハス蕾は切り花にしても開花する可能性があることだけははっきりした。
(今回も長くなるので続きは 最終回その4で)

2019年8月27日火曜日

「古代ハス」切り花の販売を探る(その2)

ハスの花の鮮度を保ちつつ配送できないかを検討している続きである。

調べようとしていたテーマにどんピシャリの研究報告書を見つけた。
愛知県農業総合試験場研究報告30号(1998年)の「ハス切り花の低温保管による品質保持」という研究報告である。
◆  ◆  ◆
興味ある方はリンクを開いて一読されたい。
内容は各種実験データの解説と考察でこ難しいが、なんとなくわかった範囲で結論を要約すると次のようなものだ。
ハスの切り花は
①低温(5~10℃)で鮮度が保持される。15℃以上では鮮度保持ができない。
②フィルム包装は蒸散抑制効果が高い。つまりは萎れにくくなる。3℃以下で発生する花弁離脱・黒ずみなどの低温障害を抑止できる。
③エチレンに対する感受性が低い。切り花・葉から発生する老化を促すエチレンガスによる品質劣化が少ない。
④切り花に給水させながら流通させるのがよいと思われたが、今回の試験結果では効果が確認されなかった。品質劣化は水分ストレスの影響ではないと考えられる。
◆  ◆  ◆
この研究結果に従うと
①はクロネコヤマトクール便(冷蔵タイプ)は0℃~10℃であり実現可能
②の低温障害もフイルム包装することで防げる。冷蔵タイプの場合0℃~5℃の環境もありうるがフィルム包装しておけば防げる。
③は考慮しなくて良さそうだ。
④最大の難点と思われた配送中の水分補給であるが、この試験結果からはどうやら影響の有無は断定できなかったらしい。給水は絶対必要との思い込みがあったのだが、あまり考慮しなくても良いというのは朗報ではある。ただ植物である以上、水分は必要不可欠であり影響を最小限に抑えるためにも何らかの形で補給はしておく方が望ましいことであるはすだ。ひたすら調べたら良いある方法が見かった。

◆  ◆  ◆
とても便利な製品だ。
【切り花用保水ゼリー 「エコゼリー」】

小袋に入ったゼリーが水の代わりとなる画期的なもの。これを茎に刺しておけば給水と同じ効果が得られて、しかもゼリーなので水がこぼれる心配がない。なんとも良くできている。配送期間中の切り花へ給水が断続的にできそうだ。

さっそくネットで購入してどれくらいの効果があるのかを調べてみた。
パターン1の葉と蕾
これを袋に入れて冷蔵庫に48時間保管した

比較のため次の表のパターンで丸二日(48時間)経過した状態を検証した。
それぞれのパターンで使用する葉と蕾には、茎の切断面から水道水をホースで強制的に注入している。同じ条件でスタートだ。

(今回も長くなるので続きは その3で)

2019年8月26日月曜日

ハスの写真をいただいた

市内在住のMさんが、去年に続いて今年のハスの写真をフレームに入れてお持ちくださった。Mさんは写真を趣味にしておられ、個展も開いているほどの腕前。毎年ハスの季節になると早朝から写真をとるためにこの田んぼに足を運んでいらっしゃるようだ。さすがというか、ハスの輝いている一瞬を見事に切り取って撮影されている。
さらには、こうやってわざわざ撮影のお礼を言いにお出でくださり、その写真まで届けいただいている。有り難い限りだ。
今年もたくさんの方がこのハスの花を愛で、写真に収められたようだ。

2019年8月24日土曜日

稲穂が色づき始めた

ここ数日で急に稲穂が黄色く色づいてきて、垂れ始まった。
予定では9月に入るとすぐに稲刈りが始まる。
バインダー(稲刈り機)を点検し動作を確認した。他の諸用具の準備を整えるのに忙しい。
これから心配なのは天気。それにイノシシの侵入による被害。

2019年8月22日木曜日

「古代ハス」切り花の販売を探る(その1)

8月もあとわずかになった。長い期間にわたって道行く人の目を楽しませてくれた古代ハスも、彩りの時期としてはそろそろ最終段階に入った。今年は昨年にも増して蕾・花の数が多かった(のと、映えする手書き看板・柵を設置した)ため、だいぶ口の端に上ったようだ。
蕾が僅かだがまだ出てきているためあと少しのあいだ花を見られる。
ほとんどが花托になった古代ハス 8/21撮影
稲穂が色づき始め垂れてきた
◆  ◆  ◆
先日、ある年配の女性が我が家を尋ねてこられた。生け花をされているとのことで、ハスの葉・花を分けていただけないかとのことである。
たまに同様の趣旨で訪ねてくる人がいるが、あまりに礼を欠く場合が多くお断りしている(挨拶なし、名乗らず、一方的に要求だけする・・など)。だがこの女性のように社会人としてのマナーを心得て、礼を重んじ丁寧にごあいさつにみえられる方もいる。このような方に対しては、めっぽう親切な我が身である。快諾である。
蕾・花(今日開いて閉じた状態のもの)、開いた葉っぱ(大・中・小)、巻きの葉っぱ、緑の花托、を良く吟味し自ら切り取ってお持ち帰りになった。
◆  ◆  ◆
我が家の田んぼの古代ハスを通りがかりに目にして、ずっと気になっていたとのことだ。花托が出来たころを見計らってお願いにいらしたらしい。
高い精神文化の代表のような生け花。自慢なのだがその方面の素養・教養と美意識を持ち合わせぬ小生である。なので伺った話は知らぬことばかりでなんとも新鮮で興味深かった。
お話では、これら(葉・蕾・花托)が揃うのは時期的に限られること(まさに今だ!)、ハスは葉と花には特別な水揚げ作業が必要であること、特別足が早い(水揚げ能力が極端に弱く葉が萎れる・花弁が剥離する・色が悪くなる)素材であること、したがって高価なこと、などからなかなか手に入れることができない生け花素材ということだった。だからこそであろう、一度は生けてみたい花、なのだそうだ。お気持ちに沿えたことが嬉しい。

ネットで調べてみるとハスの切り花を販売している業者は、数は少ないもののあることはある。お値段もそれなりにする「高級生花」である。なかなか手を出せないのも理解できる。かたやこうやって田んぼで皆に鑑賞してもらって散るだけのハスがある。しかも大量にだ。まもなく始まる稲刈りでは否応なく刈り取られて捨てられる運命。厄介者扱いだ。
少ないのかもしれぬが確実にある潜在的需要に現実的供給が対応出来ていないミスマッチが生じている。
◆  ◆  ◆
その日以来、生け花をなさる方が諦めている「ハスの生け花」をなんとかもっと気軽にできるように、ここのハス素材を供給できないものだろうかとずっと考えている。リーズナブルな値段、しかも生きの良い状態で、宅配便でお届けできないものかと。咲いている現場から切り取り、届けするまで最大2日間。この間の鮮度保持が課題である。技術的な課題もさることながら手間がかかり過ぎてもダメだ。
こんな古代ハスの蕾と葉を、必要とする方に届けたいのだが
(8/11撮影)
いろいろ技術的課題を解決するために実物を使いテストするには、花が咲いている今の時期しかない。難しい課題であるだけに知的好奇心・探求心が頭をもたげてきたではないか。というわけで、さっそく調査と研究を始めた単純な小生である。
(長くなるのでいったんここまで。続きはその2で)

2019年8月17日土曜日

亜麻 収穫

今年初めて試してみた亜麻栽培。
5/10に播種したものが発芽
花は薄紫の可憐な花
収穫時期の亜麻
5㎜ほどの球体
実を収穫した。

稲や麦では穂にあたる部分が、茎の先端に球状についている。
大きさは約5mmほど。一つの球にゴマ状の種が6個~8個並んで入っているようだ。
亜麻の種はこんな感じ
今回は播種した数も少なくほんの少ししか採れないので、手で一粒ずつ摘んで収穫。
必須脂肪酸オメガ3を豊富に含み健康に良いというあの「アマニ油」。
この効率の悪さからすれば、油を絞って採るためにはいったい何反の畑、いや何町歩の畑が必要なのか?たぶん気が遠くなるような広さに違いない。
来年、この種を撒いて栽培面積を増やしてみたら面白そうだ。
どんな花でも咲いている数が多くなるとそれは見事だし、何といってもミツバチたちが大喜びするからやりがいもある。

2019年8月13日火曜日

ハート(土手アート)

水郡線に乗った人で東側の車窓から外を見た人だけが幸運にも見ることができる「幸せのハート」がまたまた出現した。


お盆期間中の特別企画(?)。
今回はトリプルハート♥️♥️♥️。
ぜひぜひ通過の際は探してみてください。
JR水郡線玉川村駅から北側200mほどの東側です。

2019年8月11日日曜日

2019年公開はちみつ採集会 実施しました

今日の「はちみつ採集会」には水戸市在住の女性2人が参加してくださった。同じ職場のお友達同士とのこと。

まずはミツバチやはちみつについての簡単なお勉強から。木陰で丸太椅子に座ってもらった。
つぎに巣箱に移動して巣箱とミツバチの出入りをみてもらった。
じっくりミツバチを観察するのも、巣箱ましてや巣箱内部の様子を見るのも初めてのおふたり。やや興奮気味でテンション高めも仕方ないというもの。
いよいよ巣箱を開けて切断面が見えると、しばし撮影タイム。
そして、取り外した巣箱から蜜をなめるのを楽しみにしていたというだけあって、初めての経験にドキドキ。
濃くて深い味わいに大満足のご様子であった。(ちなみに今日の巣箱の蜜の糖度は81.3度)

その後、巣箱の近くにあるブルーベリー園でお好きなだけブルーベリーを摘み取ってお持ち帰りいただいた。採りきれないでいるので有り難いくらいである。

◆  ◆  ◆
夕方には蜜を垂らす作業に入り、いま順調に垂れている。
明日のうちに瓶詰までできそうだ。

2019年8月10日土曜日

雨が降らない

毎日毎日暑い。しかも雨が降らない。
雷雲は県北の大子町辺りでゲリラ的な雨を降らせたりしているものの、この辺りまではなかなか来てくれない。
田んぼの稲はいまが最後の水が必要な時で、垂れ始まった実を大きくする大切な時期。
このままでは実入りが悪くなりそうで心配だ。
このカラカラ台地を思い切り潤す、気温も一気に下げてくれるような恵みの雨が、少しでいいから欲しいものだ。こうなったら「八代龍王」に祈るしかないか・・。
今日も北の方で鳴っている雷鳴を恨めしく聴いている。
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この日照り続きで裏のため池は干上がる直前だ。

残った僅かな水たまりでは、ショクヨウガエルのオタマジャクシが(かわいそうに少なくなった水が熱くなり過ぎ茹で上がったようで)ほとんどが死んでしまった様子。
こうなるとオタマジャクシを餌にしていた水鳥たちにとっても食料不足となり、死活問題。
いろんな影響が出てくる「雨不足」である。

2019年8月7日水曜日

2019年公開はちみつ採取会のお知らせ

例年夏休みに実施しているは「はちみつ採取会」を今年も次の通り行うことにしました。
ミツバチについての簡単なレクチャー、巣箱の中の観察、採蜜作業見学、開けた巣箱から直接蜜を舐めてみるなど、なかなか体験することができないイベント。本物の生はちみつをこの機会に味わってみてください。
例年、お子さまよりも大人のかたのほうが引き込まれて興奮しているようです。
夏休みの話題作りに是非どうぞ。なお、参加のお申込みは不要です。当日集合場所にお集まりください。
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日時      2019年8月11日(日曜日)
               14時30分から約一時間
場所      JR水郡線玉川村駅すぐそば
集合場所   14時15分に玉川村駅前に集合。
                   歩いて現地に向かいます。
その他    長袖・帽子着用、靴は動きやすいものを。
                作業中の安全には十分に注意しますが、ハチ刺されには各自注意して下さい。
                お問い合わせはメールにて。
                 hitachi-satoyama-farm@live.jp  まで

この写真の巣箱を開きますよ。お楽しみに。