作戦を変更し稲刈りを一時中断して、田んぼの余計な水分を排水して作業をやり易くすることにした。
水分を抜くため、田んぼの周囲に溝を掘るのである。
この作業を田んぼの『水切り』と呼んでいる。
稲の株付近に溜まっている水がこの溝に少しずつ流れ込み、田んぼの表面が乾いてくるという算段である。
溝を掘る、といっても田んぼの湿った泥土である。
これがまたえらく重たい。
手堀りで進める運河掘削と同じであり、まさに難行苦行。
このような溝を、田んぼの両畦に掘る。
体力の消耗が甚だしく、頻繁に休憩と水分補給をしながらの作業だ。
一日掛けて、なんとか畦の出水口まで掘り進んだ。
数日後にはきっと乾いた表面になることだろう。
この田んぼには、実にたくさんのドジョウが生息している。
この水路を掘る作業すると、泥水の中でピチピチとドジョウが飛び跳ねる姿に何度も遭遇する。
ドジョウの稚魚・成魚が水溜まりでうごめいている |
金魚でもましてや錦鯉でもない、田んぼの泥の中でうごめくただのドジョウだ。
だが、夥しいドジョウが生き生きと生息するような環境の田んぼで、稲を育てられるということは無上の喜びである。
体力の掛け甲斐もあろうというものだ。
(J)
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