2011年11月6日日曜日

柚子を収穫する

この一週間、秋晴れの日が多く安定した日が続いていたが、今日は久しぶりの雨となった。
午前中の雨が小康状態の間に、柚子の収穫に出かけた。

同じ常陸大宮市内にある親戚の庭先に柚子の古木があり、収穫の案内があった。
この親戚とは母の実家であり、子供の頃からよく訪れた場所だ。

(全くの余談だが、母の実家は旧山方町の館地区にある。ここは佐竹時代まで山方城(→というよりは館)があった場所である。建物があった場所はその名も『御城』(みじょう)と言う。空堀の遺構もよく残されている場所だ。残念ながら最近になって、当時あったであろう建物とはとんでもなくかけ離れたお城状の展望台=「御城展望台」が建てられてしまった。中世の城マニアとしては至極目障りな建築物である)

この柚子の木は見慣れた大木である。
この木から収穫した柚子は何度も頂いたことはあるが、このように実を枝からもぐのを手伝ったり、自らもいだりしたのは初めてである。
従兄弟家族と共に、収穫させてもらった。
枝が折れんばかりに、レモンイエローの実を撓わに付けている。
今年は当たり年とのことだ。

柚子の枝には独特の大きなな棘があり、実を穫る際にはかなりの注意を要する。
最近では『高枝切りハサミ』という便利な道具があるので、この鋭い棘だらけの枝の中に身体を差し込まずとも良いし、かなりの高所の実まで収穫できるので大変に有り難い。
この柚子も他の柑橘類の果実と同じように、太陽がよく当たる部分が先にきれいに色付くようだ。
取り易く、日当りの良い位置の色付きの良いものを、多数切り落とした。

この檸檬色を拾うと、手にしただけで柚子の独特の香りが漂う。
これも秋の色と匂いだ。

コンテナボックスに山盛りの柚子を頂いた。
大収穫である。


さてさて、これだけの柚子、如何様にしようか。
無人野菜販売所に並べもしよう。
料理にも使ってもらおうか。

柚子の香や 高級料理めかす 妻 (山口青邨)       だったりするそうだ。

         

この柚子であるが、我が家がある常陸大宮市東野地区では、昔から柚子の栽培が禁忌とされているのである。確かに全く見かけない。
その理由について、子供の頃に家の年寄りから聞かされた話としては、東野部落の鎮守の神様が柚子の木の棘で眼を突いてしまい失明したため、東野では柚子を植えてはいけないことになっている、ということであった。
当時は単にへぇ〜と素直に聞いていたものだ。
古事記に出てきてもおかしくない古代神話のような、なんともあますごい言い伝えではないか。
ことの信憑性はともかく、何時の時代にか当地区で、この柚子の木あるいは実について禁忌とすべきようなこと(おそらくは事件・事故だろうが)があって、それを巧みに説話化し伝承してきたものだろう。
これもまた立派な地方の文化だと思う。

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