2011年8月29日月曜日

ちょっとした試しみ

ズッキーニを栽培している。
ズッキーニは次の写真のような濃緑果皮のものが一般的でよく目にする。
だが、今育てている品種は見た目も鮮やかな黄色だ。
今年、試しに植えてみた。
一般的なズッキーニ
実に良く育ち、実が30cmになろうかという程に成長した(=ちょっと収穫の適齢期を逃したようだ)ので、先日の野菜販売所の店頭に並べてみた。
黄色いズッキーニ
食べ頃は20cm前後だそうだが30cmまで育ち過ぎてしまった


(このようなシロモノなのだが、収穫したズッキーニの写真を撮るのを失念したためここに紹介できないのが残念だ)
         


この田舎街では、まだズッキーニ自体がポピュラーではないのかもしれない。
ナスやキュウリのような伝統的な野菜ではない。

ついでに言うと、なにしろこの野菜販売所の購買者の平均年齢は70代後半(これは断言してよい)、すなわち人生の先達たちなのである。
ほとんどが腰の曲がった決して妙齢とは言い難いご婦人たち、早い話が地元の婆さまたちだ。
ズッキーニを初めて目にしたも人いたかもしれない。
この歳になっての未知のものとの遭遇は、積極的な意思をもって望むものではないのだろう。
ましてやこれが鮮やかな目も覚めるような黄色で、30cm級の大型の棒状の野菜ときた。
売り場では浮き上がって目に突き刺さるほど、自己を強烈に主張している。

どうやら彼女たち、怪しげなものでも見てしまったかのように、怪訝な顔をして一歩引いてしまったに違いない。
多分そうだろう、容易に想像がつく。
これだけ大きいと、成長し過ぎた野菜だと思うことだろう(実はそうなのであるが)。
そして味もきっと大雑把に違いないと考えても決して不思議ではない。
仮に名前ぐらい知っていたとしても調理法は知らないし、敢えて挑戦しようとは思わないのだろう。
むべなるかな。

『なんだっぺェ?  これ。   こんてに成り過ぎちったの出して、何考えてんだっぺ、まったぐ。 ほがに出すの、ながったんだっぺが?』

(参考訳 )
     = =  何なのこれ?   こんな成長し過ぎたものを出すなんて。何を考えているんでしょうね、まったくもう。(恥ずかしくないのかしら、農家なのにね) 他に出すものがなかったのかしらねぇ? 

などという彼女たちのつぶやきが聞こえてくるようだ。

◇文字にするとこのような、つまらないものになってしまうが、ご承知のとおりの茨城弁特有の語尾が強烈に上がるアクセントでこの濁音が多い言葉を聞くと、よりリアルに茨城を実感できるはずだ。


こちらとしても、この野菜を初めて目にする人もいるであろうと考え、前掲の写真のような野菜の説明書をプリントアウトして目に付く位置に掲示し、かつ、クックパドから代表的な調理法を印刷したものを野菜袋に同封までしたのだった。


         


やはりというべきか売れ残った。
まだこの地ではこの野菜を文化として受け入れるには早かったのかもしれない。

いや、田舎街でのちっょとしたカルチャーの変革を期待して、刺激を与えることがそもそも無人野菜販売所を始めた目的でもある。

『あの店には時々変わったものが出る』とか、『楽しそうだ、また今度覗いてみよう』、と思わせとしたら、まさに狙い通りだ。
第二弾はまだこのような状態だ
売れ残ったこの黄金皮ズッキーニ、その夜には我が家の食卓に上った。
ちょっと大きくなり過ぎていたようだった。
やっぱり。



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