かつてあった日立鉱山の大煙突も眺められた景色である。
お気に入りの景色のひとつである。
(ちなみに、日立鉱山の大煙突とは、日立市の西方にある三作山の山頂に立てられた大煙突のことだ。
上の写真では一番奥の中央やや左側の山頂にあって、ここ辺りからもはっきりとその煙突は見ることができた。
それが何処の何のための煙突であるかは長い間知らないでいた。
建てられたのは1914年(大正3年)で、高さ155.7mは当時世界一だった。
1993年(平成9年)2月、老朽化で自然に半分が倒壊した。
長い間、工都日立のシンボルとして存在した。
遠くからでもその孤高で凛とした姿が眺められ、皆の記憶に深く刻まれているはずだ。
日立の大煙突アルバム
ある種、県北部の民の精神的なモニュメントでもあったため、倒壊を残念がる人は多い。)
茨城県北部に位置する常陸大宮あたりは、適度な起伏ある山が連なり、上の写真のように幾重にも青垣が続く山並みを至る所で眺めることができる。
(あまりに普通過ぎてその価値をじっくり考える人はきっと少ないだろうが)
有名な、古事記にある倭健命の望郷歌(日本書紀では景行天皇の望郷歌とされる)の
『倭(やまと)は 国のまほろば たたなづく 青垣 山隠(やまこも)れる 倭しうるわし』
(= 倭は母なる国、私の故郷。幾重にも重なって青々とした垣をなす山々、その山々に囲に抱かれている倭は、何と美しい国だろう!)
この歌の『倭』は、そのまま『常陸』と入れ換えてもよいだろう。
『常陸は 国のまほろば たたなづく 青垣 山隠れる 常陸し うるわし』
・・・常陸は最高に素晴らしいところだ。
・・・幾重にも青々とした山々が重なるように連なっている。
・・・なんと常陸の国は素晴らしいところなんだ。 ・・・・ってとこだろうか。
茨城県畜産センター肉用牛研究所の入り口から西へ坂を下り、水郡線跨線橋・東野バイパスを見下ろすように真っ直ぐ眺めると、やはり『たたなづく青垣』を実感する風景に出合う。
この景色もお気に入りで、愛着あるもののひとつだ。
坂上から西方向を望む 冬期には山の彼方に日光男体山が見える |
うまし国ぞ。
常陸の国が好きだ。
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