2011年6月27日月曜日

キクラゲが出てきた

椎茸とキクラゲの栽培に挑戦している。

この3月にこれらのキノコの菌を原木(ホダ木という)に植え付けた。
5月まで仮伏せというホダ木を横積みして寝かせ菌を定着させる作業を行った。

つぎに、温度・湿度が上がってきた5月中旬に、ホダ木を立てて本伏せという状態にした。
菌を全体に満遍なく行き渡らせるための作業だ。
キノコのための専用小屋を作り、その中に椎茸・キクラゲのホダ木およそ100本を並べた。

椎茸は、春先に菌を植え付けて以降ふた夏の経過が必要なので、収穫は来年の秋からの見込みである。
一方のキクラゲ、種類はアラゲキクラゲ。
キクラゲの菌の説明書によれば、この夏から収穫ができるとのことであったので、心待ちにしていた。
         

今日、仄暗い小屋の中に並んでいるホダ木を丁寧に観察してみたところ、あったのである。
キクラゲの小さな姿が。
ベージュ色の神秘
ラッパ形というか、お茶碗型というか、ミニミニ・キクラゲである。
かわいい赤ん坊の耳の形のようでもある。
キクラゲを『木耳』と書くのもわかる気がする。

         

この画像だけでは、そのかわいらしい大きさがわからないのでもう一枚。
いかがであろうか。なかなか目にすることのない誕生間もないキクラゲである。

植え付けて3ヶ月少し。埋めた菌の場所にいくつも出ている。
これからどんどん大きく成長するはずだ。


         

変な話だが、このようなキノコが山の倒木に生えていたとしたら、怪しくて食べる気にはなかなかなれないが、出自がはっきりしたキノコだと、食せる時期を心待ちにしてしまう。妙なものだ。

今年はキクラゲも30本のホダ木を作ってみたが、キクラゲの発芽(・・というのかどうか)が確認されたのはヤマザクラの木に菌を植えたもの2本である。
樹木の種類以外に条件には差がなく、他の樹木のホダ木にはまだ認められていないので、どうやらキクラゲとは相性が良い木のようだ。
他のホダ木も菌が全体に回ってきているようだ
切り口が菌糸で真っ白になっている

         

いつもながら食べることでばかりで恐縮だが、塩ラーメンに柚子の皮を刻んでいれ、山盛りの白髪ネギとコリコリしたキクラゲをたっぷり載せて食べてみたい。
以前どこかで食べて、しっかりと舌に記憶のある『柚子塩ネギラーメン・キクラゲ入り』だ。

どこか地方都市での寒い時期だった。
来客でドアが開く度に雪が吹き込む店。兄ちゃんが一人で切り盛りしている。
お世辞にも綺麗とはいえないカウンター5〜6席のみのラーメン店だった。

凍えた身ですすったから余計なのか、その時の光景と味がいまも妙に忘れられないでいる。

キクラゲを作ってみようと思い立ったのは、そんな記憶があったからだ。そんなものだ。
食と農に対するこだわりはどんな形であってもいいと思う。

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