繁殖能力が高い菜の花は、まさに一粒万倍。
細長く茶色い殻に詰まった、小さな粒の種子を大量に弾いて飛ばす。
殻はすっかり茶色になりパリパリになっている |
しかし、あまりにありふれているため、気にしてはいなかったが、恐らくここに咲いていたのは、菜の花つまりは『菜種』=アブラナだけではないのだろう。
つまり、ちょっと見ただけでは菜の花と同じく見えるよく似た花の『カラシナ』が、かなりの数でまぎれていると思われる。
搾油用にとか、観光用にとか、学術的に栽培しているとかで、同一品種できちんと管理して栽培している訳ではない。
勝手に生えて勝手に増殖している花であるため無管理で、いちいち分類などを気にすることもなくきた。
ここで、改めて違いを調べてみた。
(紹介する写真は、『松江の野草樹木シダの花図鑑』より転載した。非常に参考になるHPである。
http://homepage.mac.com/n_yoshiyuki/index.html)
左がアブラナ、右がカラシナである。
まずは花の形。
アブラナの花 |
アブラナの花(拡大) |
カラシナの花 |
花の形は、
アブラナ(↑)は十字型であり、
カラシナはどちらかと言えばH型である、
・・・・・とのことだ。
いずれにしても一見しての区別は難しい。
つぎは葉っぱの形である。
アブラナの葉 |
アブラナの葉(←)は、茎の基部(根に近い部分)の部分の葉には柄があり、先太り。羽のような形。
カラシナの葉(↓)は、縁にノコギリ歯がある。
どうやら葉っぱの形では区別は付きそうだ。
カラシナの葉 |
次は、葉の基部(葉っぱが茎につながっている部分)である。
アブラナの葉の基部 |
カラシナの葉の基部 |
アブラナの葉の基部(↑)は、茎を抱くように回っているが、カラシナの葉の基部(→)は、それがない。
賢明な皆さんは既にこの区別をご存知で、小生だけが知らなかったのかもしれない。
既にこれらの茎は枯れ、彼らの子孫は地に飛び散った。
来年の発芽に向けてじっとその時を待っているはずだ。
来年の花の時期に、この記事を思い出し、花の形なり、葉の形なり、葉っぱの付き方などをじっくりと観察していただきたい。
そして、周囲に薀蓄を傾けていただければ願ってもない幸せである。
しかしながら、個人的には一面に咲き誇る黄色い一群を見て、両者合わせて『あ~あ、キレイな菜の花だねぇ・・・』でも良いような気がしないでもない。
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