場所は東京・早稲田大学の正門近くにある。
噂には聞いていたが、すごい人出に圧倒された。
人が狭い空間にひしめき合っている。すごい人気スポットだ。
わが常陸大宮市東野の鎮守である『地殿神社』の100年分の初詣の人出が1日であるようなものだ。あるいはまたJR玉川村駅の1年分の乗降客数以上かもしれない。
これは初詣の行列ではなく、ただ一陽来復のお札だけを求める人の列なのである。
きっと冬至から節分までの毎日がこのような行列なのだろう。
神社は小高い丘の上にある。
丘の下の前面道路からは行列は続き、階段で昇ったところの境内には1列5〜60mほどの蛇行した行列が9列作られていた。
つまり境内まで辿り着いても、お札を頂くまでにさらに450m程度は行列に並ばねばならない。お札を窓口に至るまで600m以上の長蛇の列になっている。
整然と2列に並んで少しずつ進む。
整然と2列に並んで少しずつ進む。
隣に並んだ杖をついたご婦人は、80歳だそうで毎年この時期にお札を頂きに並ぶとか。
足が悪いので並んで歩かされるのは大変だが、逆にご利益がありそうに感じられてよいのだそうだ。
なるほど、そういうものかもしれない。
信仰心の不思議さである。
ここに並ぶ人たちは、皆が金銀融通のご利益を期待しているはずなのだが、すべてが望み通りになるとは思ってもいないだろう。
もうすぐやってくる新年のスタートにあたり、できるかぎり最善の環境を整える(=ご利益があるというこの穴八幡のお札を頂く)ことで、自分自身を納得させるべくこうやって並んでいるのだろう。
初詣も、正月の注連縄飾りも、すべからく同じことなのだろう。
お札を頂く販売所窓口は10用意されていて 人の流れは早い |
窓口担当は早稲田の学生さんのアルバイトとのことだ |
来年は良い年であって欲しい。
一陽来復の意味には、悪いことが続いた後で幸運に向かうこと、との意味もある。
陰の気がきわまって陽の気にかえる意からだ。
我が家でも今夜貼るとしよう。
なにごとも『鰯の頭も信心から』である。
一年間、このような拙い文章をお読みいただき、有難く存じます。