脱穀したばかりの蕎麦の実は、茎やら葉等のゴミが多量に入っている。
そのため、手元にあるいろいろなモノで篩に掛けたがとりきれないでいた。
このような場合に、伝統的な農具である「唐箕(とうみ)」を使えば、実とゴミを容易に分別ができる。
羽を回転させて風を起こし、ゴミを飛ばして選別する機具だ。
(我が家にも、先代から使ってきた年代物の唐箕があったが壊れてしまったため今は無い。何かにつけ不便なので、購入するつもりだ)
今日、かねてから蕎麦栽培のご指導を頂いている「そばとぴあ水府 水府愛農会」に、唐箕をお借りしに伺った。
事務所兼倉庫の前で作業開始 |
これが唐箕(電動式)である。 商品名「エーストーミ」 ・・カタカナにすると、伝統の農具も違うものに感じる |
この機械でも、混入している土の粒や小石は取り除けない。
左が土の粒 |
そこで、次は石を取り除く専用の機械を通すことになる。
仕組みは、微細振動を繰り返す網の上にこの蕎麦の実(玄蕎麦)を通す。網の下からは風が送られている。
網を振動させていると、比重の関係だろうか、小石や土のかたまりが一方に集まってくる。
見事な篩い分けである。
石を選別中 |
石選別の機械の中 蕎麦の実を小刻みに震わせている 石や土の粒は奥の方へ集まり取り除かれる |
かなり綺麗になった蕎麦の実(玄蕎麦)に、ちっょと感動した。
ご好意で、わが玄蕎麦の含水率を計測してもらった。
所定のカップで測った蕎麦の実を入れる |
数秒で含水率がデジタル表示される 素晴らしいプロの道具である |
わが常陸秋そばは、乾燥が少し足りなかったようだ。
ここまでの作業でも、かなりの時間がかかっている。
であるが、製粉するにはさらにこれらの実を磨くことが必要なのである。
この段階の実には、まだ花が咲いた時のガクが付いている。
細かな茎も付いている場合もある。
実同士を擦りあわせることで、これらをこそぎ落とすのである。
この作業の専用の機械が水府愛農会には用意されているのだが、いくら厚顔な私でもさすがにお願いできない。
自宅に戻り、手作業で行った。
収穫後のタマネギを保存するネットに蕎麦の実を入れて、擦りあわせた。
要は、蕎麦枕状態の袋を転がしたり揉んだりして、実同士を摺り合わせるのだ。
赤いネットに入った実をコンテナの底の上で 転がし、揉み、叩き付ける |
蕎麦の実から剥がれ落ちた細かなガクなど |
ボックスの下にはかなりのゴミが積もる |
左がAfter(処置後) 右がBefore(処置前) 写真では違いがよく分からないが、かなり綺麗になっている 機械で行うともっと顕著に違いが出る |
Before |
After |
石臼を回せるのは、まだまだ先の話だ。
でも確実に一歩一歩近づいている。
この焦らされるような時間であるが、「自分で栽培・自分で製粉・自分で打つ」ことに最高の喜びを感じる種族にとっては、これもまた至福の時間なのである。
そしてこの一連の作業も不思議と苦労と感じないのである。
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