2013年7月19日金曜日

二槽式洗濯機

洗濯機が我が家にやってきたのは、1960年代後半の大阪万博の少し前頃だったろうか。あるいはもう少し前だったろうか。
洗濯槽のみの洗濯機(一槽式)で、脱水機能はなく洗濯機右側についていた手廻しローラーで絞るタイプのものだった。
それでも、きっと画期的な出来事だったのだろうと思う。
母や祖母など女性たちが、それまでのタライ桶と洗濯板で手洗いするという重労働から一気に解放されたのだから。

やがて1970代後半だろうか、洗濯と脱水を別にこなす2槽式にとって替わった。
その2槽式も2000年前後には全自動式に置き換わった。
我が家でも、今は全自動のドラム式を使用している。

進化と言えば進化だろうが、洗濯から乾燥までこなすものは当然として、節水機能やら除菌機能やら、あってもなかなか使わない(使えない)機能が盛りだくさんだ。
ボタンがたくさんあリ過ぎて、すべては理解できなでいるし、(乾燥機能で)いったんスタートボタンを押してしまうと途中ではドアがロックされて開かなくなったりする。また洗濯や脱水で回転中にストップボタンを押したりすると、壊れたりする。
なんでも機械に任せてしまう全自動式とは、一見便利そうで融通が利かないことの方が多い(と思う)。
以前の2槽式は、確かに手間は多少掛かるし水を多く使ったりするが、融通が効いたことは確かである。使用する人の裁量というか、自由度が高かった。
周辺でも2槽式を懐かしむ声は少なくない。
 
         

夏は、屋外作業で大量の汗をかくし、ひどい泥汚れの場合も多いので、洗濯の回数が半端ではない。
なので、大抵の農家では洗濯機は複数台持っていて、泥だらけになった農作業衣類専用の洗濯機を別に設置しているはずだ。(作業効率の面でも、衛生上の面からも)

我が家でも、通常の洗濯用と農作業着用のものを分けて使っている。
この写真の農作業着用の2槽式洗濯機は、家の中で使っていた洗濯機の『お下がり』だ。
お下がりとなってからも大活躍している

なかなか壊れないタフな洗濯機で25年動いている
かれこれ25年前ほどに購入した1988年前半製造の立派な年代物。
我が家の通常の洗濯分を全自動式に主役交代したあとも、農作業専用洗濯機として10年ほどは使い続けている現役機だ。
さすがにボディーには汚れやさびが目立つものの、(洗濯・脱水の)モーターも、ベルトも、排水パイプも、スイッチ類の電子回路部分も、まだ十分に機能している。

このところは連日の暑さで、これを日に2度、3度と回しており、大活躍中だ。

洗濯する衣類の多寡、泥汚れの程度にはかなりのバラつきがあるし、そもそもそんなに厳格な洗濯を要求もしないので、この2槽式は実に使い勝手が良く、重宝している。
洗う時間も、水量も、すすぎ時間も、脱水時間も、洗濯洗剤の量までもが、自由自在に調整(つまりはテキトウに)できる。
比較的汚れの程度は少ない汗になっただけの衣類をさっと洗うライトな場合から、泥だらけの軍手をまとめて洗うヘビーな場合まで、オールマイティーだ。

この2槽式が壊れてしまうと、全自動ドラム式がこの役を担うことになるのだろうが、使い勝手は悪くなる気がする。上品すぎるといったらいいかもしれない。
やはりこの農作業着専用の洗濯機というのは、ガンガン洗える2槽式に限ると。
単に昔を懐かしむだけではない何かが、この2槽式にはある。
 
         

リサイクルショップを覗いて、今のうちから確保しておいてもいいかなと思っている。
なにせもう四半世紀も使っている洗濯機だ。いつ壊れてもおかしくない。

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