2022年12月27日火曜日

丸洞巣箱のネット販売

今年もまた杉の木を伐採して、丸洞巣箱にするに適当な太さの丸太が入手できたので作成にいそしんだ。

直径が約30cmほどの丸太が一番適している。これ以上太いと重たくて取扱いに困る。細いと刳り貫くのが難しくなる。長さはチェーンソーの刃(ガイドバー)の長さとほぼ同じの35cmにしている。

初めて作ったころはなかなか思うように刳り貫けなかったのだが、最近では(決して簡単に・楽にではないが)割と短時間で貫通させることができるようになった。経験値が上がることによる要領というやつだろう。


今年は10個ほど制作した。内部を刳り貫いたといっても生木であるので重さはそれぞれ10kg以上ある。これを一年以上野外に置きっぱなしにして自然乾燥させる。するとだいたい6kg前後まで軽量化する。実際にミツバチ捕獲のために設置できるのはこの状態のものだ。



この乾燥過程でひび割れを起こすものがやはり少数出てくる。軽微なものはよいのだが、酷い割れ目ができたものは針金で縛り締め上げたりして使えるものは使う(杉皮の上に針金が巻かれて自然観を損なうが、あまりミツバチは形式美にはこだわらないと思う。自家使用分には全く問題ない)。それもダメな場合には残念ながら廃棄となる。

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ここ数年、譲って欲しいという方が毎年いて個別に対応してきた。今年の作業は、今後のこのようなニーズにできるだけ添えるように在庫を増やしたというたわけだ。一挙に10個も増えたわけだが、自家使用(設置して野に晒しておくだけ)しておけばよいのであるから気楽なものだ。決して不良在庫などではない。むしろ逆で全くの新品よりも使用実績・使用感あるもののほうが望ましい(ミツバチの入居確率がアップするのではないかという期待値が高い)という妙な商品特徴がある巣箱であるから、置き場所などいくらでもあるのでバリューを上げるには最適な環境だ。

今回、3シーズン使用してきた丸洞巣箱が手元に数個あるのでこれをネットにて販売を始めた。とりあえず準備できた3個をネットショップ 玉川里山はちみつShop にアップした。すべて入居実績(この丸洞を通して二ホンミツバチが入居してくれ捕獲できた)があるものだ。出品できるものがあと数個あるので準備している。

ミツバチ愛好家の中には一度は丸洞を設置してみたいとお考えの御仁もたぶん多かろうと思う。だがなかなか入手が困難な丸洞巣箱である。来季の分蜂シーズンはぜひこの丸洞巣箱で捕獲チャレンジしていただきたいものだ。(※捕獲率がグンと上がったりするものでなく、また捕獲を確約できる商品ではありませんよ。念のため)


2022年12月25日日曜日

やはり冬はこうでなくちゃ

記憶にある昭和30年代~40年代の子供のころの昔よりは、ずっとずっと暖かいと思う冬である。だが、今年は師走に入ってから寒い日が続いている。やっと安定して氷が張るような寒さになった。

寒いだけで雪のほとんど降らない当地なので、積雪の多い地方の方々のご苦労は頭では想像はできても本当のところの大変さは分かってない。TVで流れる各地の大雪映像や立ち往生のニュースを見るたびに、雪がない太平洋側の冬の生活の気楽さ、たとえば「毎日雪掻きをしなくて済む楽さ」を思う。真っ白に霜が降りたり、ため池の氷が一日溶けないなぁな程度で「寒い、寒い」などと言っている身が少々恥ずかしい。

とはいいながらも寒いものはどうしても寒い。だが、この寒さが里山の豊かさを作っているのだから我慢だ。




今年もあとわずかだ。

2022年12月15日木曜日

プラス遠赤外線効果

焼き芋はやはりじっくりと時間をかけ遠赤外線で加熱するに限る。

「紅はるか」と言う良い素材が持っている魅力を最大限に引き出してくれる。

薪ストーブの上に乗せた簡易な石焼き芋用の壺が大活躍している。


焼けた石に接した外側の皮はほんのりと茶色に焦げ香ばしくなる。半分に手折った時にはパリっと音などもする。口にする前から視覚と嗅覚と触覚で脳を刺激してくる。時短調理の茹で処理では決して味わえない。


この石焼きにすると外皮と中身の間に僅かな空間が生ずる。芋本体が水分が抜けて縮小するからなのだろうが、皮を剥いで食べる向きには都合が良い。無論皮ごと齧っても良いし、むしろ香ばしく焦げた皮と一緒に口にしたほうが美味いと思う。

サツマイモには多くのデンプンが含まれている。このデンプンが加熱されることで麦芽糖に変化。また、焼くことでサツマイモ内部の水分が抜け、相対的に糖度が上がる。この加熱には最適な温度帯があるようで、熱ければいいものでも無い。遠赤外線での長時間加熱がちょうど理にかなっているらしい。

仕事開始前に薪ストーブに石焼き芋壺を乗せて置くと数時間後にはちょうど食べごろになっている。

サツマイモ収穫の際に。キズ付いたり形が悪かったり、小さかったりした半端ものは捨ててしまうものだが、こうやって自分だけで楽しむ分には全く問題ない。

良いネ、こういうのも。このrichな時間はお金では決して買えない。

2022年12月14日水曜日

100年目の夜

水郡線は赤字路線である。

特に常陸大宮駅以北の区間は典型的な赤字区間。

先日のJR東の公表で明らかにされた厳しい現実は100円の収益を上げるためにかかっている経費は2千円を超えているというもの。

開業から昭和30年代までの当時の熱気は遠い昔の記憶になってしまっている。

そんな開業100年後の今宵だが、水郡線は黙々と走っている。

灯のともる車内に人影がほとんどないのがなんとも悲しい。

ガラガラの下り列車にチラホラ姿があるのは部活で帰宅時間が遅くなった高校生か、あるいは仕事帰りの会社員か。

漆黒の山間に浮かび上がる100のLEDライト文字を横目に、いつもと変わらず水郡線はきっちりと定刻に走ってくれている。警笛は寒空に寂しく響く。

冬の星座オリオンが東の空に昇ってきた。

youtube  =>>   玉川村駅を出た下り列車

2022年12月1日木曜日

ひとひらずつ散る山茶花

山茶花と椿は、いずれも多くの品種があるものの葉の様子や花の形がたいそう似かよっている。だがその違いは花の咲く時期と散り方のありように顕著だ。

山茶花は11月から12月にかけて開花し、花びら一枚ごとにハラハラと「散る」。一方の椿は大抵は冬から春先にかけて開花し、花の形のままポトリと「落ちる」。

我が家のこの純白の花弁の山茶花は、紅葉が終わりつつある里山の風景のなかでひときわ彩りを放っている。今日のような冷たい雨が降るなかでこの白く凛とした姿は清々しくもある。

わずかな北風で、あるいは雨粒の勢いでひとひらずつ散り落ち続けている。この眺めも少しの間だろう。




2022年11月21日月曜日

落ち葉を縛る技があった

紅葉の時期は過ぎ、木々の葉が舞う時期になった。

今年もたま落ち葉で堆肥を作るべく囲いを作った。今回はしっかりしとした竹編みの造りである。(昨年同様に藁で作ってもよかったのだが、竹林の伐採で大量に材料が揃っていたため凝ってみた次第。落ち葉を踏み込んだ時に横に膨らんで変形しないのが良い)



先日、さっそく市内近隣某所にある落ち葉の吹き溜まりで落ち葉をかき集めてきた。ここはアスファルトの上に落葉樹のキレイな落ち葉だけが集まってくれていて、実に効率的に回収できる場所。毎回利用させてもらっている。

この工事現場で使われる超大型の土嚢を満杯状態にして8袋分を集めて運び、足で踏み込みながら囲いに入れた。



ほぼ満杯になったが、落ち葉が落ち着いてくると約半分の嵩になってしまう。またしばらく置いてから第二回目の投入をしようと思う。

こうやっていると思い出すのは、子供のころ(昭和40年代)に父母の手伝いで山に入り、落ち葉搔きを手伝ったことだ。今では想像できないだろうが、(・・・言葉で説明してもイメージができないと思うが)大人たちは落ち葉を熊手で器用に集めながら葉っぱの向きを揃え、ヒモ(藤の弦を使っていたものだ)で縛りあげて丸めて、例えれば簀の子で丸めた感じにして効率よくに落ち葉を運んでいたのである。一見不可能とさえ思える「集めた落ち葉をヒモで縛る」であるが普通に行っていたのである。これなども廃れてしまった昔の生活の技・知恵なんだなあ、などと回顧しながらの作業だ。

澄み渡った秋の青空の下で行うこういった体を動かしての作業、本当に楽しい。巷間の喧騒からはまったく離れているし、雑念・邪念を捨てられて、ただただ没頭できる。

2022年11月19日土曜日

山行

 『山行』  〜 杜牧

遠く寒山に上れば石径斜なり

白雲生ずる處人家有り

車を停めて坐に愛す楓林の晩

霜葉は二月の花よりも紅なり

  => 解釈はこちら

遊歩道が山上まで続く


昨年植えたモミジは鮮やかに色づき
二月の花(=桃)より赤い

ハゼの朱色も存在感がある

ちょうど今頃を詠ったのであろう。
我が家の「山行」も負けず劣らず素晴らしい。

2022年11月10日木曜日

腐葉土の中には

 昨年の初冬に落葉樹の葉っぱを踏み込んで堆肥を作って置いた。

堆肥コーナー(昨年11月の状況)

先日、畑に残っていた各種根菜類の収穫も終わったので、この落ち葉の有機堆肥を畑に撒く作業を行なった。

折り重なった葉っぱは触るとホロホロに崩れて良い感じに堆肥化している。

一年たった落ち葉の様子

中に堆肥は真っ白にカビに覆われている部分もある。微生物の巣窟とも言える有機堆肥になっている。

加えて、先に少しずつもみ殻を焼いて作って置いた「もみ殻燻炭」と共に畑に散布した。


もう少ししたら更に牛糞も投入するつもりだ。これで土壌改良も進む。来年が楽しみだ。

この落葉の堆肥というのはカブトムシの幼虫の天国でもある。今日の作業分の約2㎥ほどの中に大小合わせて60数匹が居たので拾い上げた。いきなり日に当てられた彼らはあまりに可哀想なので、別の場所に穴を掘り堆肥と共に埋めてやった。これだけの大きさの幼虫ならばささぞかしBIGなカブトムシ成虫になるのではないかな。カブトムシマニアもいると聞く。垂涎の的かもしれない。

こんなサイズの幼虫がゴロゴロ出てきた
もうひとまわり大きなものもいたのだがさすがに不気味に感じた

2022年11月5日土曜日

里山の夕暮れ 水郡線玉川村駅発16時59分発 下り列車

山上から眺める里山の秋の風景。イチョウが黄金色に輝き、ひときわ彩を添えている。

特にこれといった名所や旧跡があるわけでもないただ平凡な起伏の里山が続いているだけの無名の場所。だがここが生まれ育った場所。ここが不思議と心落ち着く地で、山上からの眺めが一番のお気に入りだ。

この山上から見る夕焼け空は格別だ。

16時59分発の下り列車が玉川村駅を出て、宵闇の中、ガタゴトと通り過ぎてゆく。

ちょうど17時を知らせる防災無線の「夕焼け小焼け」のメロディも流れてきた。カラスも鳴いている。

何事もなく平穏無事に過ごせた今日も、こうやって静かに暮れ行く。有難し。

  Youtube  =>  里山の夕暮れ 水郡線16時59分発下り列車


2022年10月31日月曜日

100の文字

今年の12月で玉川村駅が開業してちょうど100年となる。(山方宿駅もだ)

全くと言っていいが、このことについてJRも含めて地元自治体も何ら祝福のイベントもない。そもそも100年目であることを知らない人がほとんどなのではないかしらん。

先行して2018年10月に同じく開業100年を迎えた常陸大宮駅でも、何にもなかったのだから致し方ない、とは思う。でも地元民としてはちょっと寂しい。

明治時代、地元選出の国会議員である根本正(ねもとしょう)氏がこの水郡線開設にあたってどれだけの熱い思いで国会で論戦を繰り広げ、政治的な動きを展開して開通にこぎつけたか・・。この経緯を記した本を読むと胸が熱くなる。間違いなく水郡線敷設の偉大な功労者である。西金駅前と常陸大子駅前に彼の胸像が立っているが、その功績を知る人もいまでは少ないのだろう。無論彼一人の功績ではなく、敷設ルートにある地元の首長や一般村民の惜しみない協力と尽力があったからでもある。

この100年で世の中の環境が激変し、ご存じの通りいまや典型的な赤字路線である。可能性として区間廃止も検討されてもおかしくないような状況になってしまったが、とにかくこの一世紀にわたり地元の移動手段足としての役割だけではなく、文化をももたらしててくれた。単なる経済効果だけでなく、鉄道が通っていることで得られる安心感とでもいうべきも見過ごすことができない。かように地元民にとっては代えがたい財産であり誇りでありえたはずだ。

現実的には、開業からしばらくの間は県北で取れるの農産物・林業資源の首都圏への重要な搬出ルートで存在感補示し地元を潤わせた。その恩恵は膨大なものがあったのである。そしてもっと実感できるものとして、沿線で生まれ育った人はすくなからず通勤や通学でとにかくお世話になったはずだ。この鉄道路線なかりせば(たとえば水戸へ出るのも困難であるので)進学する先も制限されたりしたのではないか。鉄道がもたらしたメリットは計り知れない。もしこの鉄道なかりせばのんびりした山間の村々で留まっていたのである。容易にイメージでき、すぐにわかることだろう。

このなんらの祝福ムードなしの状況があまりに寂しいので、「玉川村駅開設 勝手に100周年」イベントをやってみた。きれいになった山肌に、ソーラーLEDランプで「100」の大きな文字を作ってみた。

夜に水郡線車窓からはこのように見える
真っ暗な山の斜面に100が浮かび上がっている
(29kmの標柱付近からの撮影)


文字の大きさは縦が約20mほどある

起伏のある山肌であり、きれいな文字を浮かびあがらせるのはなかなか難しかったが、遠目にみればちゃんと識別できる100となった。水郡線の車窓から(LEDであるため夜だけ)見える場所にある。そもそも玉川村駅を通過する列車は乗車客数が少ないし、夜は真っ暗いだけの場所で外をどれだけの方が見ていてこの文字に気づいてくれているかはわからぬが、まあそれでよい。(今日日、列車内では皆一様にスマホを繰って下を向いているので、何もあるはずのない真っ暗な窓の外などを眺める人などは皆無なのだろう)

今宵もまたいつものとおり暗闇の中、(乗客の姿は見えないガラガラの)水郡線は走り続けている。そしてひっそりと暗闇の中で100の文字が浮かんでいる。

2022年10月28日金曜日

アザミの蜜

 


アザミにはたくさんの種類があるという。

いま咲いているアザミはどうやら「ノハラアザミ」という種類であるらしい。(Wikipediaによれば春のアザミは「ノアザミ」と考えて大体間違いないそうだ)

ミツバチがたくさん訪花しているのをしばしば目にする。集めた花粉をたくさん脚にくっつけてせわしなく動き回っている。間違いなく直ぐ近くに置いてある巣箱からきているミツバチたちであろう。

youtube==>> アザミに二ホンミツバチ

このアザミの蜜や花粉は巣に貯蔵される。ということは我が家のはちみつ(百花蜜)にはこれらがそのまま入っている(=ごく微量含まれる)ということだ。

さて、アザミ単独の蜜ってどんな色だったり味わいだったりするものなのだろう?

2022年10月25日火曜日

至福の濃厚スイートポテト

 紅はるかの収穫。


草だらけの畑としてしまっていたわりには、まずまずの生育状態だ。

そもそも美味しさに定評のある品種なので、特別な調理はしなくても「煮る・焼く・蒸す」程度で素材が生きてたいそううまい。だが、たまたま目にしたインスタグラムのリール映像がとても簡単で美味しそうに見え早速試してみた。

参考レシピ → rako 𖡂𓂃すぐ作りたくなる簡単レシピはInstagramを利用しています:「大大大人気のスイートポテトケーキの改良レシピです😍 今回はしっとり感にこだわって作ってみました🥰 これ芋好きさんには絶対作ってほしい! 途中ドロドロの生地を味見しても美味しすぎてこのまま食べようかな?ってなります!笑 【材料】約4人分 ・さつまいも 300g ・バター…」

「すぐ作りたくなる」とか「簡単レシピ」とかの文字に弱い。「しっとり濃厚スイートポテトケーキ」とダメ押しをされるとなおさらだ。

つぶし方が少し足りなかったようだが予想以上に美味い 
甘すぎず柔らかすぎずしっとり濃厚だ

このインスタリールを流しつつ、軽快なBGMを聞きながらほんの30分ほどで出来上がった。トッピングのホイップもアイスクリームもあいにくと無しだが、(自画自賛の)絶品スイーツの出来上がりである。サツマイモはバターを加えるとグンと風味が増す。相性は抜群のようだ。シナモンを少量振りかけてもよかったかもだな。

今回は砂糖の半分の量をハチミツにしてみたのでよりコクがある(ような気がしてならない)。

ここの畑に自ら植え付け、収穫し、調理し、食して愉しむ・・なんとリッチな空間と時間だろう。

2022年10月3日月曜日

谷津田の安心米

昨日、谷津田の脱穀が終わった。この田んぼは今年はほぼすべてが倒伏してしまい、刈り取りを全て手作業で行うこととなった田んぼだ。泥につかり状態が悪い稲藁が多くて残念ながらその場で焼却処分することにした。藁の買取業者もこの状態では引き取ってはくれまい。

藁を焼く煙がたなびく様と、漂う独特のにおいは秋の里山の風物詩であろう。良いものだ。

この田んぼ(圃場)は周囲の山から滲み出た清浄な水だけで栽培されている。上流には人家はもちろんのこと人工的な工作物も一切なく、あるのは深い森だけだ。
なので我が家では主食米は全てここから採れた米にしている。
栽培環境に絶対の自信があって安心して口にできるお米だからだ。
食味が有名産地のブランド米と比べて特別に勝る訳ではない。そして完全無農薬・完全有機栽培でもない。ただ、可能な限り農薬と化学肥料の使用を抑え清浄な天然水だけで栽培している「安心」がカタチになった特別なお米だ。

2022年9月28日水曜日

スズメバチに刺される

先日のことだが、玉川村駅そばの草むら(写真のとおり駅ホーム横の草むら)を刈払機を使って快適に刈り取り作業していた。
気分よく刈り進んできて、この杭に差し掛かった時のことだ。
一番手前の杭の根元部分が洞になっていて
スズメバチが営巣していた

洞と破壊したスズメバチの巣

まさかのスズメバチの急襲にあった。いちばん手前の杭の下部に空洞がありスズメバチが巣を作っていて、そこから集団が飛び出してきたのだ。この杭の根元部分を刈払機の刃が強く叩いたようだ。
このような背丈の草に完全に隠れていたことと、こんな杭に巣が作られたのはかつて経験なかったとこから、予想だにしない、全くの不意打ちだった。
ハチかどうかすら確認できないままにいきなり痛みに襲われた。しかも左手甲と頭頂部の2ヶ所を同時に刺されてしまった。尋常ではない激痛が広がりみるみるうちに腫れあがってきた。

これはまずいと感じて、しばらくの間じっと座って様子を見た。幸い気分は悪くならずアナフィラキシー症状も出なかったので一安心した次第だ(腫れと痛みは翌日迄続いたが翌々日にはほとんど無くなった)。毎年のようにスズメバチに刺されて亡くなったというニュースが伝えられる中、今回はたまたまかも知れないが大事に至らずによかった。家人にも心配をかけてしまった。

ミツバチに刺されることは毎年何回もあるが、スズメバチに1度に複数ヶ所刺されたのは初めて。翌日にスズメバチ退治スプレーで駆除した。閉鎖的な場所への巣作りしている点や死骸の様子から「モンスズメバチ」ではなかろうかと思う。

斯様に時に危険と隣り合わせの場面もあって細心の注意が必要ではあるが、大変だが楽しい田舎暮らしでもある。

2022年9月27日火曜日

9月の蜜源とハチたち

やっと天候が落ち着いてきた感がある。脱穀が始められそうだ。

ミツバチたちの巣箱の出入りは相変わらず盛んだ。最近はオレンジ色の花粉玉を付けて帰巣するハチが目立つ。

夏の名残りの花も多いが、いま盛りの「ホソバヒイラギナンテン」はミツバチが大好きな花のひとつだ。スズメバチもまた大好きなのでしばしば目にする。不用意に近づくと花の間から飛び出て来るので注意が必要だ。



紫蘇の花も好みで訪花しているハチの数は多い。


我が家では今年は栽培していないが近くの秋蕎麦の花も満開だ。幸せを満喫しているだろう。

よく周囲を眺めてみるとあまり目立たないものの小さな花もまたたくさん咲いている。この地では全く花が無い時期はほとんどない。よく出来た自然のサイクルだ。

2022年9月25日日曜日

天日干し米農家の憂鬱

なかなか晴れの日が続かないこともあって天日干ししている稲の脱穀ができずにいる。

一度雨に降られると最低でも3~4日は晴れの日が続かないと稲穂も藁も乾かない。それに田んぼの水たまり、ぬかるみも解消しない。

今日は朝から気持ち良い晴れ間が広がったが田んぼにたまった水は、このようになかなか抜けずにいる。

まったく天候次第の天日干し米の脱穀作業だ。

2022年9月18日日曜日

彼岸間近

今年の秋の彼岸は入りが20日で中日が23日。

墓の参道脇に彼岸花が一斉に咲き出した。


今年はピッタリのタイミングだ。

特定の日を名に冠せられ、早すぎても遅すぎても興醒めの花。勝手な人間の名付けと感傷でしか無いが、すこし可哀想ではある。

2022年9月15日木曜日

二日酔いに葛の花 ~ 救民妙薬

「救民妙薬」(きゅうみんみょうやく)をご存じだろうか(…偉そうに書いているが小生もつい最近知った)。標語やことわざのような四文字熟語だが、これは昔の本の名前だ。そして茨城と非常にゆかりの深い本でもある。この本は発刊された当時、世相にマッチしたこともあって広く人々に受け入れられ、以降長い間重用されてきた。著者は「鈴木宗與」というお医者さま。鈴木さんはある方から指示を受けてこの本を編纂した。 

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ある方というのは水戸藩二代藩主である徳川光圀。鈴木宗與とは水戸藩の侍医だ。藩主を退き西山荘に隠居した光圀は鈴木宗與に命じてこの本を作らせた。光圀は、病気になっても医者にかかれずただ寝ているだけの領民がいることを心配し、身近で入手しやすい薬を教えて領民たちを救いたいという強い思いから、薬草の処方を紹介した家庭療法集を作らせたのである。天下の副将軍、為政者としての立派な行動だ。

国会図書館提供のデジタルコレクション「救民妙薬」

この本は手に取りやすいコンパクトなハンディサイズで、397の薬草の処方、旅に携帯すべき薬などが紹介されている。水戸藩内のみならず藩外の人々にも読まれ、何度も改訂されたりしつつ版を重ね、明治・大正時代には活字本となって、病気の人たちの助けとなったという。

水戸の植物園公園では救民妙薬の植物のうちいくつかが栽培されており、HPに写真付きで紹介されている。水戸市植物園公園HP 水戸藩と薬草

現代の視点からみるとちょっと????なところもある内容だが、今日でも参考になる内容だと思う。まして昔は病を得ると神仏に祈るしかなかったのだから、人々はすがる思いで手にしたことだろう。科学的・医学的知識が乏しい時代における伝統的漢方薬や民間療法知識のエッセンスを、(一般大衆よりは)医学的知見のある藩医がまとめた普及版という位置づけなのかもしれない。

古来より長生きや健康などに関心があるのは中央貴族や上流武士などごくごく限られた階級くらいで、そこいらの一般庶民なんぞは生存すること、日々食べることだけで精いっぱいだったはずだ。多産多死が当たり前だった。近代に入って世の中がやっと少しずつ安定した江戸時代になって初めて、健康や長生きというキーワードが大衆的規模で意識されるようになった。町人が中産階級として台頭し、幕府より奢偧がたびたび禁止されるほど庶民の生活水準が上がった時期だ(元禄時代はちょうどそのころ)。この冊子が世に出たのがそんな時期に当たるわけで、時機を得たものだったようだ。

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397の処方の一つに、秋の七草のひとつである葛の項がある。先日のブログでは粉砕駆除対象の憎たらしい植物であり、見向きもしないものだったが。

いまがちょうどその花の時期。繁殖力がとても強く、樹々に絡まって一面を覆いつくすほどに広がる植物で、厄介者の典型だ。丸い大きな葉っぱで、弦はどんどん伸びる。電柱から電線に絡まり垂れさがったりしている姿もみなさんよく目にするだろう。とくに廃屋などに絡まっていたりするといっそう侘しさが募る。この近辺でもいたるところでやたらと目につく光景だ。薬として葛根湯は知っていてお世話になることもあるが、このすざましい姿を日常的にみる田舎住みの我々には、葛には良いイメージはない。やはり駆除対象である。

「救民妙薬」の目録130のうち、10番目の項にこの葛があって「酒毒には 葛の花 かげぼし 粉にして ゆにて用いてよし」とある。つまり陰干しした花を粉にして飲むと酒毒(二日酔い)に効く、と。これは比較的問題ない処方の感じがする。心あるチャレンジャーはお試しあれ。

※ミツバチ愛好家の一人として、397の中にハチミツが記載されていないのが残念であるとともに、不思議で仕方ない。ハチミツは当時から知られていたであろうに。怪しげな妙薬よりずっと受け入れやすかろうと思うのだが。

余談ながら113番目には「無病延命の術」なるものも載っている。詳細は記さないので、ご興味ある方は検索してみて、実践されてはいかが? なにしろ光圀公推奨の術であるからにして・・。

2022年9月6日火曜日

二枚刃の威力

今や刈払機、いわゆる草刈り機と呼んでいる機械は田舎住みの人たちにとって必需品となっている感がある。少しの雑草の除去は鎌を使って出来るであろうけれども、やはり田や畑の周囲などまとまった広さの草の刈り取りは動力処理する他はない。それも日常的に作業があるとなればなおさらだ。

草を切断する刈払機の刃の部分は、いろいろなタイプが揃っている。主流はチップソーと呼ばれる金属製円形ノコギリ刃だ。大抵の草を刈り取れるオールマイティのものだが石に当たると刃が欠けるし、普通に使っていても刃の摩耗も激しい。なので切れ味が悪くなると交換を要する。

ナイロン製ワイヤーというのもある。比較的柔らかな草の刈り取りに向いている。これは石に当たっても気にならないためそのストレスは少ないが、破断された草や巻き上げられる小石や土埃が酷く、安全のために作業者は重装備で臨まないといけない。硬い草、太くなった草は苦手であり処理が出来ない。

このように生えている雑草の状況や場所に合わせて刈払機を使い分けるのが常だ。

最近、新たなタイプの刃を入手して使い始めた。シュレッダーブレードと呼ばれる二枚刃の鉄の板だ。いわば鉄のナタが回転するような仕組みだ。Amazonで買ったオレゴン社製。

これは篠が密集した薮や、葛や藤、蔦が複雑に絡んで手に負えない場所を刈り進めるのに適している。カオス状の鬱陶しい薮を粉砕して、見事に切り拓いて行くのだから気持ち良い。なかなかの優れものだ。you tube → シュレッダーブレードで藪を刈り込んでいる様子

チップソーだと根元部分を切断して切り倒すだけなので、篠や笹が長いまま横たわる。だがこの二枚刃は上から振り下ろすのが主たる動きであるので、これらをバラバラに粉砕しながら刈り進む。足場に邪魔なものがあまり残らないうえ、チップソーでは蔦や葛がヘッド部分に絡まって作業が中断することも多いが、これは全くてよいほどない。絡みつく前に粉砕されてしまうのだ。

これはどちらかといえば草刈りというよりも「開墾」に適したものだろう。耕作放棄した田畑にセイタカアワダチソウなど硬い幹の草が密集した場所や、葛が激しく絡まった薮など、簡単に手を入れられなかった場所こそが威力の発揮場所だ。優れたパフォーマンスに驚きの連続だ。

葛の花が咲き出した

この二枚場、出番はまだまだありそうだ。

2022年8月31日水曜日

稲刈り始める




スッキリした青空の下、秋の気配を感じさせる爽やかな風が頬に心地よい。などとはとても言えない昨夜来の雨の残した湿気と霧が野を漂っている。週間天気予報と稲穂の実り具合、倒れ具合など、いろいろな要素を勘案しながら、今日稲刈りをスタートした。

実るほどに頭を垂れる稲穂であり、頭が重たいため雨と風で容易に倒伏する。長い時間倒れたままにしておくと発芽してしまう。あちらの田んぼから、いや向こうの田んぼから、と思案は尽きない。

滴がついて重たい稲は、稲刈り機の負担にもなる。幸いどんどん晴れ間が広がり天気は回復してくれた。

快調に刈り取りも進み作業ピッチは上がるが、まだまだ暑くて稲束を竿に掛ける作業は大変だ。

2022年8月26日金曜日

Blue Bee 幸福を呼ぶハチ

なんとも美しい瑠璃色の蜂だ。ブルービー(Blue Bee)とも呼ばれ、また『幸福を呼ぶ蜂』とも。正式名称はナミルリモンハナバチ。時季を過ぎたラベンダーに訪花しているのに出会い、写真・動画に収めた。

幸福を呼ぶとはまた大仰ではないかしらん。青という昆虫では意外性のある色もそうだし、なかなかお目にかかれない蜂であることによるのだろう。遭遇できたらラッキーということなのだろう。都道府県によっては絶滅危惧種に指定されているようだし、生息すらしていない地域もあるようだからやはり目にすることができたのはラッキーなのであろう。ついでに言えば、このハチがこうやって無事生息している環境が維持されている里山であるということも幸せなことに違いない。

とにかくじっとしていなくて忙しなく動き回るハチだ。一つの花にはほんの1秒ほどしか止まっていない。それゆえになかなかピントが合った写真が撮れない。

なかなか出会えない・すぐに消え去ってしまう、というのも「幸せ」「幸福」に通じるような気もする。今日はたまたま遭遇し、なんとか写真に収められた。だが今日はまだこれといって特別Happyなことは無いまま一日が終わろうとしている。

いや違うな。こうやって日々平凡だが平和に、健康で過ごせていることがそもそもありがたいこと・幸せなことなのだ。神様に、ご先祖に感謝だ。

2022年8月24日水曜日

2022年度第1回公開採蜜会 開催

今年初めての蜜の採集作業を公開で行った。

今回の作業は、越冬群の強い群れで貯蜜がとても多い巣箱。6段めまで巣が伸びているため上2段を切り離して採蜜した。

今日は2名の方にご参加いただけた。お隣大子町で「玉川里山はちみつ」を店舗販売してくださっている古民家カフェ「daigo cafe」のスタッフのお二人だ。

採取したのが越冬している貯蜜部分でもあり、糖度は82.5度と十分の数字。さっそくその場で巣箱から直接舐めていただいた。巣に蜜が詰まったままの巣蜜も口にしてもらった。




今回に限らず公開採蜜会に参加されるような方々は、はちみつに対する関心はとても高くて、はちみつLOVEの熱量が半端ない方が多い。なのでこのような体験をすると『幸せホルモン』、とくにドーパミンが大量に分泌されるようである。一気に幸せ感で満たされ、間違いなく相好を崩す。その美味しさを表現する言葉はいろいろだ。

「脳の奥に突き刺さる」・「鳥肌が立った」・「痺れた」・「ヤバい味」・「やだ~今まで食べていたはちみつって何だったの」・「花の香りが鼻孔を抜ける。口中に風景が広がる感じ」・「罪作り。もう戻れなくなった」エトセトラ。いずれも不意に口から洩れた言葉で、心情の吐露、真意に違いない。

かようにして、少しでもミツバチたちの苦労なりを正しく理解してくれる方が増えることを歓迎したい。

ということで、興奮冷めやらぬまま公開採蜜会は終了。つづいて「無料・ブルーベリー摘み放題・持ち帰り放題の部」に移行した。籠いっぱいに摘んでお持ち帰りいただいた。こちらもまた満足していただけたようだ。

次回の公開採蜜会は8/28(日)13時からの予定。少雨決行・酷暑猛暑決行。予約不要。13時にJR水郡線玉川村駅前に集合したのち近くの蜂場へ移動。

2022年8月23日火曜日

ひめはらながつちばち

ハーブの一種である「カラミンサ・ネペタ」は花期がとても長くて5月には咲き出して11月終わりまで咲き続ける。

この花は写真のように小さくかわいらしい白い花で、たくさん付ける。一見何でもないごく普通の花なのだがたくさん蜜が出るらしくて、ミツバチや蝶は狂喜乱舞するほどだ。なのでミツバチを飼育するうえでは実に好都合の花になっている。

それだけ昆虫には魅力ある花なので、当然いろんな小動物がやってくることになる。一番多く訪れているのはこの写真の「ヒメハラナガツチバチ」であろう。今回調べて初めて名前を知った。多い時には一つの株に20匹くらいが群がり存在感を示し、ミツバチよりも断然多く、他の昆虫を追いやるくらいの勢いだ。ただ集中する時間帯があるらしくいないときには全くいない。蜜の出る時間が分かっているのかもしれない。

ツチバチなので土中に卵を産むようで、ミツバチのように蜜を貯めたり子育てをするような巣は作らないらしい。土に潜ってコガネムシの幼虫に寄生産卵するのだとか。そういえば土の小さな穴に潜り込む姿を見たことを思い出した。

われわれが気に留めていないだけで、実にいろいろな生物がこの土地で生を謳歌し、短いその命を全うしている。

2022年8月17日水曜日

ハロウィンカボチャ初収穫

ハロウィンお化けカボチャの今年の初収穫。

ちょっと小ぶりではあるもののちょうど7kg。

まだ畑にあるもっと大きなカボチャはもう少し収穫は先になる。これらはおそらく20kgほどはあるだろう。去年より数多く収穫できそうでとても楽しみだ。

そして手のひらに乗る小型サイズのハロウィンカボチャもたくさん実をつけている。それぞれが次第にオレンジ色に変わってきた。この様子ではこちらの収穫ももうすぐだ。

まだまだ暑くて夏真っ盛りだが、収穫の秋はすぐ近くまで来ている。