なにしろ桜が咲くころからGW過ぎあたりまでのほぼひと月、ここで巣箱に入ってもらわないとその年の捕獲はほぼダメと言える。いきおい必死になり、準備にも力が入ろうというもの。養蜂愛好家にとっての天王山だ。
今回は10台の巣箱をまとめて制作している。材料もかなりの量が必要だし、時間もかかる。だが制作も3度目のため手慣れたもので、作業は早い。
電動の丸ノコとドリルのおかげで巣箱作りは快適に進む |
そのうちの1台だけしか営巣していないのだが、ハチがいる生活がこれだけ楽しいのである。
あと数台入ってくれたらどんなに楽しいか。
巣箱の設計図。ある方がHPで公開してくれたものを参考にしている。 我が家の巣箱はすべてこのタイプだ。 作り易く、使い易いので気に入っている。 |
・巣箱づくりの大工仕事が楽しい(ホームセンター内をうろうろするのも含めて)。
・巣箱の設置場所をあれこれ考えて歩き回り、決めるまでも楽しい。
・ハチの群れを巣箱に入居させる(捕獲する)ためのあれこれ工夫が楽しい。
・設置した後は、入居はまだかな、と毎日巡回するのが楽しい。
・入居したら、毎日様子を見にゆくのが楽しい(ちょっとした空き時間には自然と足が向いてしまう。ずっと見ていても飽きない)。
・ミツバチを想い、好む花を栽培するのが楽しい。
・ハチミツを採るのが楽しい。精製する道具の工夫、瓶詰めなども楽しい。
・採れたハチミツを介しての、様々な人とのコミュニケーションが楽しい。
などなど。
老後の趣味としては最高だろう。飼育と言っても餌を毎日やるような世話らしい世話が必要ない。ほとんど放ったらかしである。重労働というものがない。初期投資だけで以降に金がほとんどかからない。あわよくば巣に入ってくたれらハチミツの恩恵にあずかれる。
これは、物言わぬ蜂を相手にしたかなり高度な知的なゲームでもある。
ミツバチを飼うことによって得られる精神面・肉体面への効用は計り知れない。
この楽しさを皆が飼育の実体験して共有してくれたら嬉しい。
そして地域の人々の意識がミツバチの生態観察を通じて、自然を、環境を守ろうとするように発展してくれたら良いと思う。
ミツバチはその秘薬になりうるのかもしれない。
自然界の動植物の循環・生態系はなんとも不思議で神秘的。
この世の生きとし生けるもの、生命はひとつに繋がっている。
それはとてもとても微妙なバランスによって成り立っている。
生命体の命を一つにつなげている不思議な力。
それを例えて言えば『神』ということもできるのだろう。
ミツバチの中に神様がいると喝破した明治の詩人・金子みすゞ。
天才の彼女がそう直感で感じたのは、決して不思議ではない。
蜂と神さま
金子 みすゞ
蜂はお花のなかに、
お花はお庭のなかに、
お庭は土塀のなかに、
土塀は町のなかに、
町は日本のなかに
日本は世界のなかに
世界は神さまのなかに。
さうして、さうして、神さまは、
小ちやな蜂のなかに。
金子 みすゞ
蜂はお花のなかに、
お花はお庭のなかに、
お庭は土塀のなかに、
土塀は町のなかに、
町は日本のなかに
日本は世界のなかに
世界は神さまのなかに。
さうして、さうして、神さまは、
小ちやな蜂のなかに。
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