2013年3月23日土曜日

平勤休農  農はワンダーランド

平成25年2月24日(日)の読売新聞くらし・家庭欄にあった記事を紹介したい。
タイトルは『休日 本気で「農力」アップ』。
・・最近この手のタイトルや特集が多くなっている気がする。

平日は会社勤めなど仕事、休日には農作業、というライフスタイルが広まっていて、それを『平勤休農』と呼んでいるとのこと。
趣味の野菜作りレベルにとどまらずに、本格的な農作業を休日に学びながら実践できる場も増えてきているのだそうだ。中には本格的に就農まで目指す人もいるとか。
よくありがちな、カルチャースクールのようなものだったり、お遊びプラスアルファで都会人受けする家庭菜園のようなものだったり、と言うのでは無いようだ。

ここで紹介されているのは次の3つの団体。
NPO法人「農に学ぶ環境教育ネットワーク」という農家の耕作放棄地を活用する団体。
東京三鷹市の「三鷹オーガニック農園」。
一般社団法人「都市生活者の農力向上委員会」。
それぞれが、今の生き方に疑問を持った都市生活者の多数の参加で盛況と言う。
記事には、参加者の声がいくつか紹介されている。

         

各団体の活動詳細はそれぞれのHPでご覧頂くとして、実に多彩な活動を地道に行っておられる。
活動の内容を見ながら感じるのは、図らずも我がファームでやっていることと同じようなことを組織だって行っておられる団体が実に多いということ。
NPO『農に学ぶ~』の趣旨などは小生が普段考えている内容そのものだ。
ブログを拝見して頷くこと頻りである。
確かにアプローチの仕方はそれぞれで違うし、組織力・資金力も到底及ばないものの、目指すところは結局は同じだと思っている。

         

この特集記事の中で、上で紹介した「都市生活者の農力向上委員会」の代表理事・西村豊氏は『東日本大震災後、便利でモノがあふれた暮らしを見直す機運が高まり、生活のあるべき姿を農業に求める人が増えつつある』と述べている。
そしてまた『都市生活者の力を借りて、耕作放棄地を再生させるなど、新たな農業の形が生まれる可能性がある』とも。
さもありなん、だ。ワタクシは農本主義に傾倒している訳ではないが、『農は国の基』だと心底思っている。農への回帰。。

         

このようにやっと気が付き、行動し始めたのではないか。
便利で快適な都会だけれど、生命の芽吹きを実感できるホンモノの土と緑と無縁の暮らしはけっして健全ではないということに。
大昔、いや、つい戦前ごろまでは大半の人が野外での活動が大半だった人間である。
半世紀程しか経っていないのに集約型オフィスでパソコンを相手に長時間耐え続けるのだ。そんな環境に適合できるほど人間の基本部分は進化してはいないと思う。
そのうえ、本来自由な自分の時間でさえもスマホ画面を覗き込みそこでまたSNSストレスをため込んでいるのではないか。FaceBookやらTwitterやらである。
本来は愉しむコミュニケーションツールのはずのハイテクノロジーが、逆にストレスを増幅させている。それでなくても都市部での会社勤めはストレスだらけなのに。
(そんなに友達とつながってたいのだろうか?  【いいね】を押して欲しいものなのだろうか? 最初はそんなつもりではなく始めたはずだろうに)
これでいいのかと思っている人も多いだろう。

でも処方箋は簡単だ。
とにかく野に出る。そしてあらゆる作業を通して汗をかく。仲間と語る。自らの想像力を刺激する。達成感を味わう。収穫を味わう。(←これって金スマひとり農業そのものだ)
こんなのを自ら育て収穫し、その場で味わえる。
そしてこれを食べる人を幸せにもできる。
ひと様に喜んでいただけるとやりがいもある。
どうだろうか、そんな体験を簡単に出来るところから始めては。
難しいことは言わない。
単に里山に足を運ぶだけでもいい。(我がファームでもお待ちしてます)
鄙びた田舎だがこんなことができる里山は、『ワンダーランド』に違いない。
農は命につながっているのを実感できる。
そして無から有を生むというすばらしい過程を見届けられる。

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