最近は、日本の国鳥キジが出没する機会が増えている。
しばしば庭先の畑をオスメスのツガイで闊歩する姿を目にする。
さらに、ケーンケーンと甲高い声で鳴くものだから、居るなとすぐ分かってしまう。
狩猟する人も機会も激減しているのだから、昔に較べると棲息数が格段に増えているのだろう。
田んぼにはイノシシが出没する。
畔や田んぼの土中のミミズでも食べるのであろうか、至る所の土をほじくり返す。
田んぼの右側部分の黒い部分は、全てイノシシがほじくった部分だ。 田んぼ真ん中の草が生えて緑の部分は被害に遭っていない部分。 両者の違いは明瞭だ。 |
イノシシにとって、よほど魅力的な田んぼらしい。
そしてつぎの写真が我が家の田んぼの畔である。
代掻きした田んぼの畦道が見事なまでに破壊されている。
代掻き前に畔の草を刈ってきれいにした畦道だ。
ヤツラは決まって夜間に犯行に及ぶ。
朝一番にこの光景を目の当たりにした時、我々が脱力する気持ちは理解戴けるだろう。
ウクレレ漫談ではないが、『あ〜あ やんなっちゃった、あ〜あ 驚いた』だ。
もう原型を留めない程に畔はボコボコ。
こうなると、折角貯めた田んぼの水が漏れ出てしまう。
至急に畔を補修するまた余計な作業が必要となる。
これがヤツラの仕業である動かぬ証拠である。
偶蹄目のヒヅメの足跡だ。
共にこの地で生きる生き物同士であり、割と寛容な気持ちでいるのだが、正直この瞬間だけは『あ〜あ、またやりやがったな、この野郎!!』と思う。
だが、いちいち怒っていたのではきりがない。
またスコップで土を盛り上げ、畔を整形し直す。
このような獣被害を防ぐため電気柵を巡らす農家もあるが、我が家等はコストを考えると到底そんなことは出来ない。
中山間地の農業の現場で、このようなドラマが繰り広げられていることを、おそらくは都市部住民の方々はご存知あるまい。
そして同じ農家であっても、(イノシシ等出没することがない)平坦地での大規模水稲農家の方々も考えたことはないだろう。
(・・・愚痴るつもりはないし、同情して欲しいということでもない)
慣れっこになっているが、実は切実で深刻な問題だ。
農業を続けることは、かようなことも含めて実は簡単ではない。
悩みながらもこのように続けていけていられるのは、限りない『農』への愛着があるからこそである。