2012年12月1日土曜日

玉川村駅SL狂想曲 (2日目)

朝方から降り出した雨は、昼には雪に変わった。
この冬の初雪である。
折角の休日に行われるSL運行を心待ちにして、遠方からおいでになり、早朝から撮影の場所取りをした大勢の人たちにとっては辛い時間となったはずだ。
玉川村駅北側の踏切近く。
ここの主はセットしたカメラやビデオにカバーを掛け、
近くの氏神様の社に雨宿りしていた。
(11:00撮影)
八田地区でビーフラインが水郡線を跨ぐ橋の上。
こちらにも傘をさした人たちがじっと立ち尽くしていた。
(11:40撮影)
皆さん一様に、凍えながら、傘をさし、ひたすらその時を待っていた。
(車で来ていた人は、当然車の中に退避している)
まさに難行苦行のようだ。
だが、この方たちにとっては、きっと耐えれば耐えただけ、待つ時間が辛ければ辛い程、ナイスショットの感激が大きいのだろう。

         

ちょうど玉川村駅に下りSLが到着する直前に一番雪が激しく舞った。
なにやらここが初冬の只見線か磐越西線のどこかの駅の如き風景であった(・・実際にはいずれにも一度も行ったことが無いのだが)。
SLは大層マッチする実に寒々しい、鈍色の風景だった。

そんな雪が舞う中、今日も大変な数の見学者が訪れている。
SLが到着すると、陸橋の上は立錐の余地もないほどで、係員が盛んに『立ち止まるな、通路を開けろ』と拡声器で注意をしているが従う者などいない。
にもかかわらず続々と人が仮設通路を渡り、陸橋に登ってくる。
雪が舞う中、SLが到着する・・・興奮の坩堝だ
(13:01撮影)
今日のSLの運転手はサービス精神タッブリで、到着する際には汽笛を思い切り長くならし、煙りを力一杯立ち上げ、堂々と入線してきてくれた。
出発の際にも異様に思えるくらい長時間汽笛をならしてくれた。

折からの冷たい気温のため、停車時間中に吐き出す蒸気があたりにたっぷりと立ちこめた。
まさに絵になる、蒸気機関車らしい構図となった。
雪が舞う中での石炭積み作業
SLが出発する時刻には、雪がやんで晴れ間ものぞいた。
いよいよ出発時間となり、皆の視線がSL一点に集まる。

警備の担当者が増員され、線路内への立ち入りが厳しく注意された。
だが、この警備の人が立つ位置がこのあたりで一番人気の場所だ。
 実に長い汽笛を鳴らして出発。
辺り一面に広がるこの蒸気の迫力は発車時にしか見られない。
つまり水戸駅と玉川村駅と常陸大子駅でしか見られないものだ。
(13:36撮影) 
次第に近づくSLは身震いするほどの迫力だった

今日は線路脇のすぐ近くでSLの通過を見守った。
ちょうど側を通過する際に汽笛を鳴らしてくれたのだが、全身で振動を感じることができたほどで心地よい瞬間だった。

         

今日も、であるが周囲の道路は路肩駐車が激しく麻痺状態になった。
いくら主催者側が駐車場を離れた場所に確保してくれても(・・そちらも満車だったようだ)、このSLの到着する10分前から発車して通り過ぎるまでの約40分間は、駅周辺は無法地帯と化す。
この時間帯はこの状態だ。
僅かな隙間に頭を突っ込み斜め駐車する車まで出た。
当然車道が狭くなり、一車線以下となってしまった
よほど早く場所取りしないと無理のようだ。
今朝の一番乗りは8時過ぎに駐車した北関東ナンバーの車だ。
明日(12/2)、車で玉川村駅を目指す予定の方は、駅近の駐車は諦めたほうが賢明だと思う。
地元民からのささやかなアドバイスである。

         

一方、沿線の撮影ポイントでこんな張り紙も見つけた。
場所は、八田地区のビーフラインが水郡線を跨ぐ橋で、欄干に張られていた。
市の管理が悪いからオレの三脚が盗まれた、と苦情をねじ込んだモンスターでもいたのだろうか?
幼稚園生や小学生じゃあるまいし、こんなことまで注意の張り紙をしないといけないとは、実に情けない。
確かに、ここは人気のポイントだから大勢の人が入り乱れたのは間違いない。
場所取りで三脚だけを立てておいて場所を離れたのだろうが、自己責任だろう。
こうなるまえに自己防衛。
でないと嫌な思い出だけとなる。
用心されたい。


         

前のブログでこの場所を含む幾つかを撮影ポイントとして紹介したが、今日通ってみて改めて良いポイントだと感じた次第だ。
SLは映っていないがこのようなアングルとなる。


八田の跨線橋(ビーフラインの跨線橋部分)
右奥方向から、下りSLが現われる
八田踏切
奥の山が大宮高校の森だ
線路左奥の部分からこの踏切部分はなだらかな上り坂のため、蒸気を勢いよく吐き出すはずだ
         

明日の当地方の天気予報では、どうやら曇り空となるようだ。
最後の紅葉が照り映えるには、やはり曇りよりは太陽が覗いて欲しい。

撮り鉄諸氏、ならびに明日の最後のチャンスを心待ちにしておられる一般の方々の、良き写真がとられるようご健闘を祈るとともに、暖かい好天となることを祈念する。

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