2012年10月5日金曜日

田んぼの後片付けが終わってこそ

このひと月、稲刈りからオダ干し、脱穀と稲作の最終段階の作業が続いた。
それらの作業もいよいよ終盤で、どうにか一年を通した田んぼのメイン作業が終わる。

稲の天日干しはオダ掛けで行っているが、そのオダも脱穀が終わると田んぼの中では孤独な存在だ。
稲を引き上げた田んぼに取り残されたオダ
一日を争う作業ではないものの、いつまでも田んぼの中に放置するのも気が引ける(早く田んぼ作業にケリを付けたいという気持ちが強い)し、オダ足が水分の多い土中に埋まっていることもあり腐食を最小限にする意味合いもある。
田んぼから早々に引き抜き片付ける作業が終わって、やっと実質的な田んぼ・現場の作業が終わる、ということだ。

おそらくは一般的には、稲作というと田植えと稲刈りが視覚的にも最も農業のイメージであって、体力が掛かっているような印象が強いだろう。
だが、この2つの作業自体は、稲作の年間作業の総投下労働力ベースから見るとたいし比重ではない(短期間に集中するという意味では重労働ではある)。
むしろ、田植えが出来る状態にするまで田んぼを作る作業(田起こし・代かきなど)や、田植えしたあとの管理(周囲の草刈り・水の管理)、稲刈り前後の諸作業(オダ掛けの準備・片付けなど)が、実に煩雑であって時間もかかり大変である。

稲刈り・脱穀後の片付け作業は単純な作業だが根気がいる作業だ。
でも楽しい。
運ぶ棹の先に赤とんぼが止まっては離れ、また止まる。戯れているようだ。
殿様カエルやバッタが足下を飛び跳ねる。踏みつけないようにと気を使う。
カマキリが棹に卵を産みつけている姿も見つける。そうか彼らの繁殖の時期か。。
いろいろな生き物とともに秋の田に遊ぶ。

澄んだ空の下、頬に心地よい湿度の低い風を頬に受けながら、ノンビリとこれらの片付けを行う。
秋空は空気の透明度が格段に違う。見上げると絹雲が美しい。
実に気持ちがいい野外の作業である。
半日ほどかかったが、無事終了。
片付けが終わった田んぼは、静かに田植えに向けた作業が始まる春先まで静かに眠りにつく。
広々とした田んぼに戻る
実は、オダの脚部分は小屋に格納する前に乾燥させるために集めて立てかけてしばらく干す。乾燥した後、不良品を選別しつつ小屋へ格納する。
こうやって片付けてが、本当の終わりなのだが・・。
脚を集めて立てかけ、ピラミッド状にする。
         

果樹園の隅のヒガンバナが真っ盛りだ。
まだまだ緑が支配している里山の中では、ひと際目立つ『赤い色』だ。
とにかく際立つ赤色だ。
ふと見ると隣のイチョウは一部の葉が黄色く色付き始まっている。
10月、秋なんですね、もう。

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