米の出荷やその前段階の籾摺り(稲籾から玄米にする行程)で長年取引している市内のU商店から、お願いしておいた籾殻が大量に運び込まれたてきた。
籾殻は焼いて炭にし(⇨焼いたものを燻炭(くんたん)と呼ぶ)、肥料とともに畑の土に混ぜると、水はけ・通気性・保肥性が良くなり、地力そのものが向上する。
燻炭。籾殻ひとつひとつが炭になっている。 |
籾が炭化することで微細な孔ができて土中で発酵を行う微生物が棲み易くなるようだ。
というとで、今年もまた専用の道具を使って『籾殻燻炭づくり』を始めた。
作業の期限などとくにない、秋から冬の作業だ。
この作業、一回に焼ける量がだいたい決まっている。
それに、キレイに炭になるまでに焼けるのに6時間が掛かる一日作業だ。
午前中に点火して、夕方に大量の水(普通の大きさのバケツで10杯以上掛ける必要がある。水掛けが不十分だと次の朝には真っ白い灰になっている。)をかけて消火。一晩冷ます。
次の日に、また新たな籾殻を焼く。同じことを延々繰り返す。
焼いている途中の管理はほとんど必要なく、他の農作業と平行してできる手間がかからない作業だ。
(⇨ ただ、消火ための大量の水掛けだけは多少の手間がかかる。だがすぐ側の溜池の水を汲んでくるだけなので水を運ぶ労働は僅かなものだ。このために溜池近くで燻炭づくり、という訳だ)
天気が悪かったり風が強かったりすると、この作業は出来ない。
自然に左右されるが、あまり齷齪(あくせく)はしない。
気長にできる時を待つ。
紅葉が終ったころ、このブログ表紙の写真の山から落ち葉を掻き集め、この燻炭と米ぬか、稲藁等を一緒に混ぜて踏み込み、堆肥(有機肥料)を作る予定でいる。
来春の夏野菜の植え付けの際に、この全くの有機肥料は大活躍する。
籾殻を焼く白い煙りが、真っ青な空と少しだけ色が変わってきた山々の緑をバックにして、ゆらりたなびく。
焼ける独特の匂いもまた周囲に広がる。
里山の穏やかな秋の風情である。
白い山が籾殻。これを少しずつ焼いてゆく 視覚的にも嗅覚的にも秋の風情だ |
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