2012年10月22日月曜日

2012 常陸秋そば 刈取り

明日(10/23)は天気が崩れるという予報を受け、蕎麦の刈取りを急いだ。

まだ一部に白いままの実があるため、あと少し待とうかと思案していた。
いずれにしても、ここ2〜3日のうちに片付けようと思っていた矢先だったので、ちょうど良いきっかけになった。
8月10日に播種してから、73日目の収穫である。
あと数日でこの白い粒も黒く色付くはずだが
全体の7割以上は黒くなっているので刈り取ることに。
         

今年、蕎麦を作付けした畑は屋敷の近く。
刈り取ってそのまま敷地内に立つ蔵の軒下に並べ、自然乾燥させることにした。

一般的には、蕎麦畑が広かったり場所が建物からは遠かったりする場合が多いだろう。
なので畑に杭を打ち棒を渡して、棒に立てかけて畑で乾燥させるのが普通だ。
金砂郷北部地区の山の斜面に多い手刈りしている蕎麦畑などではよく見られる光景だ。

だが、今回は蕎麦畑のすぐ横に建物がある。これを利用しない手は無い。
これも屋敷周りに田畑を有する農家のメリットを活かした作業効率化に違いない。

ノコギリ状の刃の付いた専用の鎌を使い刈り取る作業は、動作的には稲刈りと同じである。
だが、蕎麦は稲の茎のように真っ直ぐ上を向いているようなものではない。
特に倒れている茎は、互いに複雑に絡みあっていて容易に引寄せられないときている。

稲は穂の位置・茎の太さ長さもほぼ均質だが、蕎麦は枝葉も複雑に出ているし、茎の長さ・太さが全くバラバラである。
そのうえ、大層茎は脆いためすぐに折れる。

さらに実は容易にこぼれ落ちる。
かなり丁寧に刈り取り束ねているつもりでも、蕎麦の実は容赦なく畑に落ちる。
まあ仕方ないと、ある程度覚悟を決めて進めないと作業ははかどらない。
(大規模に蕎麦を栽培している場合、トラクターで収穫するのが一般的だが、落果率は結構高いのではないかと思う。あくまで推測だが。。)

天日乾燥するのも、稲束のように横に渡した棒に引っ掛けて干せると楽で良いのだろうが、茎同士が絡み合った蕎麦は容易に棒には掛からない。
そのため畑に杭を打ち横に渡した棒に、単に立て掛けるだけの乾燥方法が一般的なのだ。

蕎麦の手刈りと天日乾燥は、とにかく一筋縄には行かない手の掛かるシロモノなのである。
         

今年はたった2a弱の面積しか作らなかったのだが、刈取りから軒下への格納までほぼ半日掛かった。
だからといって、もっと早く終えたかったとか、大変だったなどとは思わない。
心地よい収穫の時間を楽しめたなぁ、という満足感だ。
刈取りが終わった蕎麦畑
作業が終わり軒下に並べられた蕎麦の束には、秋の西日が差していた。
ここにまで籾殻を焼く煙りと臭いが僅かだが漂ってきている。
実に穏やかで平和な一日、である。
蔵の軒下はいろいろな活用が出来る。
こうやってしばらくのあいだ、じっくりと天日による乾燥を待つ。
あくまで自然の時間の流れに任せている。
人間の都合に合わせると、どうしても無理・無駄が出るような気がしてならない。

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