2012年9月13日木曜日

生物多様性

特定の田んぼに、タニシ(田螺)が大量に生息している。
湿潤な時季で水分が十分な環境であれば、生物として田んぼの泥の中は最高の環境だろう。
特にほとんど農薬らしい農薬を撒かない我が家の田んぼであるので、なおさらだと思う。

ただ、生息する環境が良いといっても、おそらくは4月~8月末の間だけだろうと思う。
田んぼは厳冬の頃はガチガチに凍結してしまうし、今の時期は土の温度は適温かもしれぬが、水分がないカラカラの土だ。
このようなカラカラ状態が9月から翌年の4月ごろまで続く。
生物が生存し子孫を増やす環境としてはあまり良いとはいえまいに、と思う。

どのようにして生き延びているのか不思議ではある。
専門書などには、土中にもぐって生き延びる、とあるが表面にもゴロゴロしている。
かなり生命力は強そうだ。
乾いてひび割れした田んぼに、無数のタニシが転がっている

正確なことはわからないが、ここのタニシは『マルタニシ』という種類であろうと思う。
厄介ものの『ジャンボタニシ』なる外来種が一部の地域では繁殖して困っているようであるが、ここのタニシは悪さをしない。
むしろ、田んぼの中の掃除屋であり、水質浄化であったり土壌改良に寄与してくれているのだろう。

たくさん生物が棲んでいること、すなわち生物の多様性は、健全な環境のバロメーターである。
人間にとっても良い環境であると言える。そこで獲れる作物もまた健全で安全だ。

無数に転がっているタニシであるが、邪魔な存在でもない。
これからも、この田んぼの、この地域の、微妙な環境の変化を知らせてほしい。

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