あっという間に桜前線が北上している。
先週末、東京周辺での桜満開のニュースと、かなり肌寒かった中で大勢の花見客の酔狂に、やっとことしもその季節が巡ってきたなと思った。
ここ茨城北部では、蕾が膨らんだ程度で開花までにはまだ数日かかりそうだ。
やはり今年は例年よりもだいぶ開花が遅れている。
寒い中であっても上野の森にあれだけの花見人が出ることや、そして満開の桜の花を見て美しいと感じている(のであろう)のは、本居宣長が詠んだ『敷島の大和心〜』のDNAの片鱗が潜んでいるからなのだろうと思う。
桜の花には気品がある。そして優雅さがある。
だからであろう、近時カタカナ名の外国産の(色も形も派手な)花が多いが、これらの花を含めて他のどの花よりも桜が『日本人』の美的感覚に訴える。
ヨーロッパ人が好む薔薇を、その精神性において日本人は到底共有できないのではないかと思っている。
桜の花が持つ純真性が薔薇には決定的に無い(と思う。この純真性故に戦前は愛国心の象徴にされたりもしたのだが)。
薔薇の艶やかな色、濃厚な香り、いずれも桜にはない特徴だ。なによりも甘美さの蔭に棘がある。
花の散り方ににしても格段の違いがある。
桜は、大自然の意のままに、決して逆らうことなく、いつでもその花の命を捨てる用意がある。
一方の薔薇は、勝手な解釈だが、何というか『生』への執着なり『存在感』を主張する精神文化がとても強く色濃く反映された花である気がする。
いずれにしても好みの問題である。いずれが良い・悪いということではない。
嗜好の域に立ち入る不毛なコメントは差し控えたい。
我が園内の桜の花も開花はまだ先であるが、サクランボの花は満開になっている。
サクランボの2本の木は花が満開だ |
昨年は例年になく豊作であったが、数日間の内に見事に鳥に食べられてしまった。
・ 2011/05/30 ブログ
さて今年はどうであろうか。。たのしみである。
0 件のコメント:
コメントを投稿