2012年4月5日木曜日

長ネギを植える

冬、鍋物の季節に不可欠な野菜のひとつに『ネギ』がある。
秋冬どりのものは、ちょうど今頃から来月にかけてが定植のタイミングだ。

ホームセンターや園芸ショップの野菜苗コーナーには、ネギ苗が大量に並んでいる。
苗床に種を播いて育てても良いのであるが、なかなか思うように育たないため、苗が比較的廉価で販売されていることもあり、これらを買い求めている。

特に今年は、懇意にお付き合いいただいている東京・新宿にある中華料理店グループのオーナーから長ネギの栽培依頼があったため、大量に苗を買い込んで育てることになった。

この中華料理店のような大量の需要者に対しては、安定して供給するだけの体力も技術も、そして自慢ではないが根性もないので、本来はお断りするところではあるが、提供するにあたっての条件が当方にとってかなり好都合のものをご提示いただいたため、お引き受けすることとなった。

         

下仁田ネギ、ホワイトスター、長倉一本ネギの3種類の苗が手に入ったため、これらを植え付けた。

長ネギは、主たる食用部分の白い部分(葉鞘・ようしょう)を長くするために、植え付け時からテクニックが必要で手間が掛かる。

まず溝を深く掘り、苗を立てかけるように置く。
( ⇨ 植え付けたすぐ後のネギ苗は根が呼吸のために大量の空気を必要とするので、土を被せるのは最小限度にして、根が空気を吸収し易いようにするのである)
これから以降の成長にあわせて、土を寄せて被せてゆく。
こうすることで土の中の白い部分をできるだけ長く作り出す訳だ。
つまりは光を当てないようにして、人為的に白い部分を作るのである。
収穫までに投下する労働量も大きく、かつ栽培に長期間かかる、いわば労働集約型の芸術品の野菜でもある。

このような約50本の束にして販売されている。
太さは径1cmほど、長さは20cm程度だ

畝は深さ20cmほどの深さ。
苗は立てかけて、倒れない程度に土を掛ける。
成長にあわせてこの溝に土を入れ、最後には土盛りして白い部分を延ばして行く。
         

当然ながら、自家消費も考えている。
個人的には、刻んだネギを味噌汁に入れるのと、納豆に入れてかき混ぜ白いご飯に掛けて食べるのが大変好きだ。
(・・・タレだけを加えて混ぜて食べる納豆とは別物に昇華すると考えている。これは比類なき美味い味だと思うのだが、いままで賛同者がいないのがとても悲しい)

本来の食べ物の味を引き立て、味を際立たせる最高の薬味、The・ネギである。

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