寒さ厳しき間は出品するほどの野菜も根菜もないため、思い切って長期休業に入ってしまっていた。
幸いに、我が販売所が開いておらずとも生活に困る人はいない。
つまりは、あまり当てにされていないのであるが、ちょっと寂しいような、また救われるような、妙な気持ちである。
再開したと言ってもまだ並べるものには限界がある。
暖かくなってやっと葉っぱに元気が出てきたホウレンソウと、まだ芽が出続けているフキノトウ、そして昨年秋にポットに球根を植え付けし、ビニールハウス内で育てたムスカリとチューリップの花たちを試験的に並べてみた。
野菜こそ少ないものの、店頭には黄色やピンクの花々が並んだ。 ちなみに販売所の周囲は、大量の菜の花が今まさに咲かんとしてしている。 |
いつもの『朝採り野菜』と『産地直送野菜』の幟を立てると、野菜購入の常連客であるご近所のおばさま達が数名近寄ってきてくれて、世間話にも花を咲かせ、いくつか花を購入してくれた。
この近辺ではまだ寒い日も多くあるため、露地植えのムスカリやチューリップはまだまだ蕾だ。
フラワーショップの如くに、いち早く咲かせたピンクや黄色やブルーの春の彩りの花を並べられ、幾つかでも買い求めてもらえるとやはり嬉しい。
この花が、きっとあのおばさまたちの家の部屋に飾られ、あるいは庭に植えられ、見る家族を和ませ、ちょっとだけでも幸せな気分にさせてくれているに違いない。
明るい色の花は人を幸福な気持ちにしてくれたり、元気を与えてくれるから不思議だ。
無粋で粗末な無人販売所ではあるが、こうやって人が集い話に花が咲くと、不思議とここだけ特別な春が到来した感じがする。
ちなみに、試しとして8鉢用意したチューリップは夕方の閉店までには完売。
20鉢用意したムスカリは数鉢が残ったもののほとんど売れ、大好評だった。
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