境内に銀杏の大木がある。
樹齢は不詳だが、根元の幹の太さが大人二人でも抱え切れないほどだから、軽く3~4百年は経っているのだろう。寺自体は平清盛の孫が開基とのことだから、8百年以上の歴史がある古刹だ。
この銀杏の木は、老木にふさわしく内部が空洞、つまり『ウロ』になっている。
この銀杏の老木のウロに、ニホンミツバチが巣食っているという話を、御住職から伺っていた。
どのような状態なのか見てみるべく、寺を訪ねた。
根元にある隙間は、コンクリートで一時塞がれたようだが、経年で少し開いた隙間から盛んに出入りしているミツバチがいた。
鐘楼前の銀杏の木には根元に大きな穴が開いていて コンクリートで塞がれている |
いるいる |
木の上部の穴 |
内部で洞がつながっているのかどうかはわからぬが、つながっているとしたら中にあるのは巨大なミツバチの巣だろう。
(人間を含めた)外敵からの鉄壁の守りである。まさに天然の、理想的な自然巣である。
(人間としては)蜜が採集できないのが残念だが。
御住職は御不在だったが、奥様がいろいろご案内してくださった。
先日、巣別れ=分蜂があって、大群が飛び回ったとか。
あわせて、昨年頂いた睡蓮の開花報告もしておいた。
その後、境内の木陰に設置してあるテーブルでお洒落なAfternoon Teaを戴いた。
奥様お手製の『焼きプディング』も御馳走になった。
この感じは、里山カフェ『ならはら』とでも呼んでいい。
ミントも自家栽培とのこと |
眼下に玉川の流れと田植えの終わった田んぼ。
東野の鎮守・地殿神社の深い杜と宿の集落も一望できる。
そして佐竹の城・東野城(館)があった山もすぐそばに見える。
開放的で明るい境内。吹き抜ける涼しい風。美味しい茶菓。
奥様とのしばしのミツバチ談義。予期せぬ楽しいひと時だった。
悩める人もそうでない人も、だ。
ここでは煩悩を除くために(でなくてもよいが)、鐘も打たせてもらえるということだ。
(小生がミツバチを眺めているときに、寺を訪れる方があった。大病で長期入院されていた方が退院の挨拶にと、娘さんに付き添われてお見えになったようで、なにやら住職の奥様とお話されていた。かのご老人は、きっと御仏の御慈悲に救われたのであろう。)
寺とは本来、かような姿にあるべきものなのかもしれない、などと独りごち。
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