2013年7月7日日曜日

プラムは大好評のうちにシーズンを終わりました

火曜日(7/2)から土曜日(7/6)までの5日間、JR玉川村駅前でのプラム販売が『炎上』したり『祭り』状態だった。
(⇦祭りや炎上などという言葉は、ネット掲示板2ちゃんねるでよく使われる用語。知らないひとのほうが多いはずだ。)
これらの言葉の雰囲気で推察できるだろうが、今年のプラムの販売が極めて好調で、連日完売。
追加で陳列してもすぐさま売り切れと言う状況だった。
まさにちょっと異様なお祭り状態だったし、プラムを求めて来られるお客さまの姿で、普段は寂しい駅前通りがちょっとした人気スポット化した感があった。

もっと長い期間販売できると予想していたのだが、成熟時期に天候に恵まれ、気温も高かったことから、一気に実が熟した。
あれだけ撓わに枝になっていたが、昨日(7/6)の収穫でほぼほぼ採り終えてしまった。
まさに5日間のお祭りであった。
嬉しい悲鳴・・である。

昨日の昼に、駅前の無人野菜販売所にはお詫びの『完売御礼』の札を立てた。
ビールケースを逆さまにしての看板はあまりにシャビーなので
折りたたみ式の立て看板を製作した。
そのデヴューがプラム『完売御礼』だった。
今年は、プラム隔年結果の表年だったことも幸いしたのだが、この野菜無人販売所も3年目に入ったことで、次第に周囲の認知度が上がってきたことも多分にあると思う。
そして口コミの威力の凄さを実感したのも今年だ。人づてに噂を聞いて来られた方もいるし、当ブログを見ての方もおられた。

農家がこのようにして、自ら栽培したものに自ら価格を設定し、自ら戦略を立てて販売するということは、廃れ行く農業の自立のためには極めて大切である。
もう一歩進んで、作物に更なる付加価値を付けることや、この地域に他所から人を呼び込むということ、つまりはこのようにサービス産業化することが、今後の(中途半端に田舎である当地のような)中山間地域が目指すべき方向だろうと信じている。

         

無人野菜販売所向けの収穫を終えたプラムの木ではあるが、あと1日〜2日にどんな事態があるか分からないため、手が届くような比較的取り易い枝のプラムだけは予備としておよそ100個ほど残しておいた。なにもなければ熟れて落ちてしまうことも当然考えてだ。
(これも企業で言うところのリスク管理だろうか)

やはりというか、昨日(7/6)かねてからプラム狩りをしたいと言っていた親類(従姉妹の2人)が夕刻にやってきてプラム収穫を楽しんだ。
さらに本日(7/7)午前には、ブログを見ていただいているという水戸市内のご家族3人が駅前の無人野菜販売所までプラムをお求めに来られたため、我が家にご案内し、まさに本当に最後の一個のプラム取りをしていただいた。(『16日まで毎日並べる』とした販売所の張り紙をブログでご覧になっていたためだ)
わずかに残ったプラムを最後に収穫していただいた
折角遠路はるばるお越し頂いたのに申し訳なかった
これにて本年度のプラムは全て樹から姿を消した。
プラム『祭り』は大好評のうちに無事終わり、今日は心地よい疲労感と満足感で一杯である。そして寂寥感も少し。
明日には、ブログトップの写真も変えないといけない。

         

あとすこしでブルーベリーが収穫可能になってくる。
またふたたび『祭り』状態になると嬉しい。

ブルーベリー摘み取りのご予約を受け付けています。
まずは  hitachi-satoyama-farm@live.jp   までお問い合わせください。

2013年7月6日土曜日

ハクビシン初被害

トウモロコシが明日、明後日には収穫できそうだという頃、ヤツはやっぱりやってきた。
ものの見事に一番熟れて収穫できそそうなトウモロコシを狙われた。
ハクビシンによる今年初めての作物被害だ。

幹がなぎ倒され、かじり掛けのトウモロコシが散乱している。
愕然する。朝一番に見るのは精神的なダメージが大きい。
そろそろ来るだろうからと、昨日の夕方にコショウ(胡椒)をヒゲの部分に大量に振りかけたのも無駄だったようだ。
倒された幹と、かじられた無惨な実

毎年のことだが、たったこれだけの(自家消費の)トウモロコシ栽培のために、更なるコストを掛けてまでの過重な設備を投資するつもりはない。
せいぜい効き目があるとされる『胡椒を振りかけておく』を実践している程度だ。
でもこんな状況である。

近隣の農家も例年軒並み被害に遭っている。
ヤツの天敵がいないのだろうし、狩猟する人・ハンターも近時はいないので、きっと頭数が増えすぎているのではないかと思う。
イノシシ被害、ハクビシン被害があまりに酷すぎる。
なんとかならないものか。何か良い対策はないか・・。今日もネットであれこれ検索するが妙案はなさそうだ。
冷静を装ってはいるものの、本当は心中穏やかならざる状態である。ああ悩ましい。
まったく心狭く度量に欠ける小人(しょうじん)である。

2013年7月5日金曜日

季節の主役交代

たびたび引用する水戸地方気象台の『生物季節観測』である。
今日現在では、今年のニイニイゼミの鳴き声は観測されていないようだ。
(ちなみにホタルの欄にも今日現在日付が入っていないので、欠測なのだろう)

水戸地方気象台・生物季節観測・動物の観測日
今夕、ブルーベリー園を見回っていると、防鳥ネットに止まっているニイニイゼミを見つけた。
きっとここ数日の蒸し暑さで土中から這い出す時期と思ったのだろう。

既にブログに書いたように、今年はブルーベリーの樹の周辺を鳥の被害を防ぐため網で囲ってしまっている。
このニイニイゼミは、ブルーベリーの樹の根元に卵を産みつけられ、7年もの間ずっと土の中でこのときを待っていて、やっと穴から這い出て脱皮できたと思ったら、悲しいかな網に囲まれいたということのようだ。
可哀想なことをしてしまったようだ。
なんとか救い出して自由な外界へ羽ばたかせようとしたのだが、見失った。
それに既に夕暮れ間近の時間であったため写真が撮れなかった。
きっと明日には鳴き出すのかもしれない。

水戸地方気象台では、例年7月の中旬要りが初鳴きのようなので、やはりちょっとは早そうだ。
一般的には蝉は初鳴きを観測するのだろうが、蝉自体の姿を先に見てしまったので図らずも『初見』ということになる。『ニイニイゼミ 初見』というのは観測項目にないだろうし、寡聞にして知らない。

今宵も、食事の後にホタルが確認できる場所に行ってみた。
昨日までは少なくとも3つの光の点滅は確認できたが、今宵はひとつだけになっていた。

この時期が、この辺りでのホタルからニイニイゼミへの季節の主役が交代する時分のようだ。
じっくりと周囲を観察するといろんなことに気付き、楽しい。
そういえば、田植えの頃にあれだけ騒がしく夜空に響いていたカエルの鳴き声はまったく無くなった。時折、ウシガエル(食用ガエル)のモーモーという低い鳴き声が聞こえるくらいだ。
初夏代表の主役も表舞台から姿を消してゆき、徐々にだが、でも確実に夏に向かって季節が移ろってきている。
明日には蝉の鳴き声が聞かれるだろう。
こんなのもたくさんいる。
(本文とは全く関係ない)

2013年7月4日木曜日

プラム完売続く 玉川村駅前・無人野菜販売所

プラムが収穫の最盛期を迎えている。
今週初から、JR玉川村駅前に設置してある無人野菜販売所に陳列して販売を開始した。
気候も暑い日が続き、果実の熟すスピードが早いため、毎日並べている。
夏野菜はまだ少し早いので、プラムと紫黒米だけを並べている

嬉しいことに毎日30袋以上が完売となっている。
10個入り100円という価格設定が効き目があるのだとは思う。
実も大きく、しっかりしていて味もなかなか良い自信の品なので、みなさんに好評だと思っている。満足できる商品を提供できると言うことは嬉しい。
彼女達は常連客だ
ずっと店の番をしている訳ではないので、どのような方が購入されているのかは全ては分からないし、どのような感想をお持ちなのかも分からない。

今日は馴染みのオバちゃんから話を聞けた。商品を並べる姿を見て買いに来てくれた有難いお客さまだ。

たいへん示唆に富む話を聞くことができた。
彼女曰く、やっぱり知った人が並べているものは安心感があるとのこと。
つまり、どこの場所でどのような人が栽培しているのかが分かっているということは、食の選択基準では極めて大きなポイントになる、といことだ。

地元産のものを地元で食する=地産地消することは望ましいことだろう。
生産者と消費者がつながること、顔が見える関係になること、双方が互いの喜ぶ姿見えることで生産し甲斐も、購入し甲斐もあるというものだ。

いろいろな今後のヒントをもらえる『無人野菜販売所』の試行である。
写真右奥が玉川村駅ロータリー
県道を通過する車の目にとまるようビールケースに看板を立ててみた

2013年7月3日水曜日

『現地確認表示票』が田んぼに立つ

田んぼの稲は一時は水不足でどうなることかと思われたが、そのあと適度な降雨と十分な日照が確保され順調に生長している。
背丈は40〜50cmほどまでになっている。


田植えするまでの苦労、植えてからの苦労(水不足があったり、大雨に冠水したり、イノシシの被害もあったり、雑草が大量に生えたり、台風で収穫間近の稲が倒されたり)と・・それぞれの時期にそれぞれの心配をしながら、最後の最後の収穫まで気の抜けない5ヶ月間である。
農家はこうやって愛情をもって稲に接し、成長を日々見守っている。
自然と愛着も湧こうというものだ。

         

この時期の我が地域では、多くの田んぼの畔には篠の棒が立てられ『現地確認表示票』なる紙がぶら下がっている。

この票を語るにはちょっと解説が要る。

         

我が国では国策として減反政策が続けられている。
『個別所得補償制度』なるものがあり、市町村レベルの協議会で当該地域の作付け面積を管理し、減反に協力した農家に所得を補填するというものだ。
かつては減反目標を割当し補償したのだったが、現在では生産目標数量(生産できる数量)の割当を管理する方法に変わった。
そのための水田の管理台帳が地域市町村の協議会に整備されていて、水田には『現地確認表示票』なるものが毎年立てられる。
ちゃんと補償を受けるために届け出た通りの作付けをしました(していません)の現地確認の際のチェック票だ。
担当者が現地を訪れこの票と現況を確認する、と言う仕組みだ。
(この現地確認が今日7/3に行われた。市の担当者が3人程のチームで我が田んぼを見て回っていた)
このような場所まで3人もの方がわざわざ現地確認にお出でになった。
なんともまあご苦労なことだ。
つまり、この票は減反政策の象徴・御印のような札なのである。
これが田植え後に稲作農家各戸に配られ、自ら札を立てて回るのであるが、なんとなくやるせない思いだ。

目まぐるしく変わる農政に振り回されている我々なのである。
食料自給率40%以下・・でも減反・・補助金漬けの農業には非難も・・環境保全の効用もある農業だ・・産業界と農業関連団体はTPPで反目・・。
立場変われば利害が対立するのはあたりまえだろうが、この先どのようになるのか小生のような愚者にはサッパリ分からぬ。

         

聞きかじりの知識では、TPPの議論では農産物の関税が撤廃されると日本の農業は壊滅するというものだったり、世界に打ち勝つ競争力のある農業にせねばならぬというものだったりがあるようで、議論が喧しい。
世の中、社会全体のフレームが変わりつつある(その一番は少子高齢化で人口が減ることだろう)のだから、農業と言えども変わらねばならないとは思う。
だが、そんな議論の対象となる農業は、こんな山間地の狭い農地でこじんまりとやっている農業ではなく、もっと平らな場所で大規模にやっている農業だ。
無論、この地のこのタイプの農業(中山間地農業)とてTPPによる影響は避けられないはずはない。
まあ、一気に衰退に向かうのだろうけれども、もともとTPPがあろうがなかろうが衰退傾向にあったのであり、その時期が早まるだけとも言える。なにもしなくてもダメになった地域なのだ。
ただ、ダメだダメだと嘆いていても誰も助けてはくれない。
この与えられた環境で何か出来ることを考えてやってゆくしかないだろうがね。

ちょっと大変だが、頭を切り替え知恵を出さないとね。

間違いなくあと10年後のこの地は、周囲が耕作放棄地ばかりになってしまうだろう。
TPP問題が、耕作放棄のタイミングを伺っている廃農予備軍の大義名分となる予感がある。
そうなると『農地』イコール『負の資産』となってしまう。
持っているだけ損だと感じる『元農家』が増えるだろうな。
そんなことになれば、このような地域はますます世の中から見放されてしまう、きっと。

なんとしても『負の資産』から『富の資産』に変えねばなるまいが。
そのためには農地に付加価値を付けることだ。
小生の考えだが、この地での農業の目指すべき方向性のヒントが、あの『金スマ ひとり農業』にあるのではないかと思っている。
更に付け加えれば、農業の6次産業化・サービス産業化を進めることだろうか。

・・・などと考えながら、いろんなことにチャレンジしている。
未だ先は見えないし不安も大きいが、楽しくあるしやりがいも感じているのだから、幸せモンである。

         

今日も『現地確認表示票』の札は、田んぼを渡る風を受けヒラヒラして稲の生長を見守っている。(・・トンボが棹の先に止まったりしてね。いい眺めなんだ、これが。。)

2013年7月1日月曜日

プラムの隔年結果 当たり年

隔年結果(かくねんけっか)と言う現象がある。
果樹がある年には実をたくさん付け、翌年にはほとんど付けない、と豊作・不作のサイクルを繰り返すことだ。

果樹も生き物である。子孫繁栄のためにたくさんの実を付け頑張った後は疲れるのであろう、その体を癒すためにと思われ翌年はほとんど実を付けず体を休める。地力の問題もあろうが、おそらくは樹木の植物としての生理現象だろう。

昨年の今頃のブログでこのことに触れた。昨年は散々な結果(この場合の意味は実のなり方のケッカ)だった。
  2012/06/29 ブログ

我が家のプラムがその典型的な現象を示している。
一昨年(2011年)は大豊作、昨年(2012年)は全く不作、そして今年はまたまた大豊作である。

いま、枝も折れんばかりに実を付けており、先週末辺りから一挙に色付き始まった。
収穫を待つたプラム。樹下には独特の香りが漂っている。
今年は豊作の年
これだけが一気に食ベ頃を迎えると対応に困る部分もある。
正直大変である。
無人野菜販売所に並べて販売するとしてもとても捌けきれなので、親戚中に配り歩くことになる。または直接もぎ取りにお出でいただく。
幸いにプラムが大好物だという向きが多いので有難い。

先日の梅の実に続き、豊穣の大地を実感する時期。
うまし国ぞ、常陸の国は。
プラムの樹の下はミツバチの巣箱が並ぶ
この甘酸っぱい香りとともに、本格的な夏がやってくる。

【今日のブルーベリー】
ブルーベリーの摘み取りが今月下旬あたりからスタート出来そうです。
ブログをご覧頂いている方で、楽しみにされている方もおられるので、逐次写真をアップして実の色付き状況等をお知らせします。
2013/07/01
実が膨らんできているが、まだ固くて青い。

2013年6月28日金曜日

今年で最後になるかもしれない・・・のひとり農業

金スマ・ひとり農業は、放送日や内容は直前まで公表されない。
放送終了直前に次回内容が触りで流されるくらいだ。
ほとんどの人は、金曜朝刊のテレビ番組表を見て『おやおや、今夜やるのか』ということではないかと思う。

今朝(6/28)の朝刊のテレビ番組表、金スマの欄は期待させるような文言が踊っている。
『00字 中居正広の金スマ
     今年で最後になるかも
     しれない・・ひとり農業
     茨城に金スマメンバー
     がやってきた・・田植え
     で事件勃発・・絶対に
     許せないことってある・・
     採れたての新鮮野菜で
     巨大パエリア・・・バーベ
     キューでおいしい田舎
     料理を作る・・旬の恵み
 10:48天◇字ハシワタシ  』

兼ねての予想通りの田植えを中心とする2時間スペシャルとなっている。
今年で最後・・のフリや、今回はどなたが来られて田植え騒ぎをしたのだろうか・・ということはあまり関心はない。
が、あの妙な石組の建造物の正体と、またまた紹介されるだろう育てた各種野菜とその調理内容に興味はある。今夜も面白そうだ。

毎回視聴してしまっているのは、ドタバタが繰り広げられているひとり農業の場所が同じ市内で良く知っているところ、というだけでではない。
渡辺ヘルムート直道氏の奮闘している環境が我が家と同じようなもの(あのとおり山に囲まれた農地だったり、暑さ寒さもほぼ同じ)だから、珍しい野菜なりその作り方を我が家でも試しにやってみようかな、という点が大きい。
この点、月刊『現代農業』に紹介されているいろんな人のやり方を参考にしているのと似ている。
なかなか保守的でチャレンジできないのが農業(よほど精神的にも余裕がないとチャレンジャーになれない。何しろ結果ダメでしたとなれば、チャンスはまた来年にしかない。経済的にも依存度が高すぎたりするとダメだ)。
そういう点でも興味は尽きない。

(★番組後の追記★ 22:57)
とても我々個人レベルでは真似できない栽培野菜の数々と、料理のオンパレードだった。
だが期待を裏切らない見応えあった2時間スペシャルではなかったか。
(あのような姿は必ずしも農業の全てではなく、そう言う意味で企画番組であり正確ではないが)田舎暮らしの素晴らしさだけは十分に伝えてくれている。

やる気があれば田舎での生活は斯様に素晴らしいものとなるのである。
これこそが真の豊かさではないかと思うがいかかであろうか。
願望はあってもなかなかきっかけも、チャンスも、ツテもないとなると難しいだろうとは思う。普段の生活の場を離れて田舎で長時間時間を費やすことは無理なことは我々も十分に理解している。

そんな方々のために、ひとり農業のレベルまでは無理だが、同じような雰囲気は味わえる『体験学習・里山ライフ』の場、プチ体験できる場を、わがファームでは目指している。
近いうちに、自然に近い形で摘み取ってもらう『ブルーベリー園』もまたスタートする。
ご連絡頂ければ、この素晴らしさを共有できるのである。
ためらっている方々にきっかけを与えられる場になれれば嬉しい。
    まずは  hitachi-satoyama-farm@live.jp  まで