2015年12月12日土曜日

大豆の根粒

大豆を刈り取った。
夏場には一面の緑で地面が見えないほどであった大豆畑だが、すっかり葉が枯れ落ちて、幹と鞘だけの姿になった。

これらを収穫するのだが、作付はごく小規模なので手で刈り取っている。

根っこから引き抜き、干しても良いのだが、後で鞘を叩いて豆を取り出す作業時に根に付いた土が豆と混ざってしまって、選別に大変苦労する。
なので根元から切り取る=稲刈りで使ったギザギザのついた鎌で刈り取ることにしている。
しばらく蔵の軒下で乾燥させたのち、叩いて鞘から豆を取り出す作業に入る。
今年もなかなか良くできた大豆である。年明けに手作り味噌をまた仕込みたいと考えている。
                                           
大豆のようなマメ科植物の根っこの部分には、『根粒』が付いている。
大豆の根っこと根粒
この粒の中には根粒菌がたくさん住みついている
根粒菌は空気中の窒素(気体)を固定化して窒素化合物を作る。さらに窒素化合物と水素と結び付けてアンモニアを作り出す。マメ科の植物は成長するための栄養素としてアンモニアをもらう。
この連鎖をマメ科の根っこで根粒菌がやっているわけだ。
根粒は昔から窒素肥料として利用されてきた。昔の人は、こんな理屈は知らずともうまく活用してきたのだから、たいしたものだ。
                                           
ところで、化学肥料のアンモニアは1000気圧という超高圧と500℃という高温のもとで窒素と水素の化学反応でもって工業的に作っているという。つまり莫大なエネルギーが必要な化学肥料ということだ。ところが、根粒菌はこの反応を常温常圧でいとも簡単にやってしまうのである。凄技ではないか。
納豆も豆腐も(枝豆も)、みな根粒菌のお陰で食べられている。

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