(場所はここ。→Google Map )
漆の樹だ。
傍らに標柱と説明版が立つ。
漆器製作に必要な原料を採るための樹である。いま放送している朝のNHK連続テレビ小説『まれ』に出てくる輪島塗などのあの漆だ。
この2本の漆の大木は『常陸大宮市 指定天然記念物』に指定されていて、常陸大宮市の文化財マップに写真入りで載っている。指定日からすると合併する前の山方町時代に天然記念物指定され、常陸大宮市に引き継がれたようだ。
ここの説明板によれば、これほど大木となって現存しているのは『ほとんどなく、貴重なもの』とある。山方地区は北隣の大子町とともに良質の漆が取れる地域として知られている。きっと大事に扱われてきた樹なのであろう。最近、山の斜面などに漆を植林する動きも盛んになっているようだ。
以前のブログ(→2013/1/13 ブログ)で我が家近くの山に漆の大木があると記した。
山方地区の『指定天然記念物 漆の木』は胸高円周が113cmと129cmだそうだが、我が家近くの漆の木5本は皆、これらよりもずっと太い。
(数値は地表から約50cmでの幹周り)
樹木A 185cm |
樹木B 167cm |
樹木C 143cm |
樹木D 144cm |
樹木E 161cm |
漆の大木がまとまってある場所の様子 |
これら5本の漆の大木は、昔の漆掻きの職人の間では知られた存在だったようで、かなり上の方まで樹液を採集するための引っ掻き傷がある。長い間に何回も採集作業をしてきていることがわかる。いずれの傷もかなり古い。たしか昭和40年代ころまでは採集する人が来ていたようにおぼろげだが記憶している。
今回改めてこれらの漆の木を間近で眺め、メジャーを当てるほど近づいてみたが、木の周りにいるだけでかぶれて痒くなりそうな気がしてダメ。体が近づくことを拒否する。上の写真を撮る際などは細心の注意を払い決死の覚悟だった。
子供のころの漆かぶれの記憶が酷過ぎる。かぶれて全身が腫れ上がり、ただただ痒くて、苦しくて、絶望の淵に立たされた感があった。かなりのトラウマである。
いまも漆の木を見るたびに、あの時の記憶が鮮やかに蘇り、あちこちが痒くなってしまう。
かように漆の木には小生は愛がない(むしろ憎しみがある)ので、存在自体にに興味・関心が薄い。
とはいえこの地にこのような、天然記念物指定級のものがあることを広く知ってもらえるとしたら、それはそれでウレシイ。
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