2012年8月10日金曜日

2012 常陸秋そば 播種

今年もいよいよ『常陸秋そば』の種を播く時期が到来した。
昨年の収穫分から確保しておいたものを、今日播種した。
(昨年はお盆の後の8/21に播種したが、今年はやや早めてみた)

         

『常陸秋そば』はご承知の通りその道の方には異常とも言える程人気が高い蕎麦である。
特に隣町常陸太田市の旧金砂郷村赤土地区で栽培されるそれはスーパープレミアムが付くほどの逸品である。
手打ち蕎麦にこだわる方には憧れの蕎麦粉であり、なかなか手に入らない幻の玄蕎麦のようだ。
お米では新潟県南魚沼郡産のコシヒカリ、いわゆる『ウオコシ』がつとに有名で高価な価格となっているが、蕎麦の世界では金砂郷・赤土産常陸秋そばがそれを上回る取引価格となっている。
そのぐらい、ブランド化したモンスター蕎麦が『常陸秋そば』なのである。

だからであろうか、毎年秋に行われる『金砂郷の蕎麦祭り』では、この金砂郷村産の常陸秋そばを使用して、蕎麦打ちの神様と呼ばれるあの『翁達磨』の高橋邦宏氏が打つ蕎麦を求めて何百人もの人が行列を作るのが恒例となっている。
昨年秋の金砂郷蕎麦祭りでは、会場に向かう車の列で付近の道という道がすべて大渋滞になったが、おそらくはこの高橋氏の蕎麦を求めた人々であっただろう。
ワタクシなどは、かかる事態が予想されたため(近隣の地の利・優位性を活かし)早めに会場に入り、高橋氏の店を含めてひととおり食べ歩いて、早々に会場を後にした。
帰り道、会場に向かう何キロも続く車の列にはさすがに驚いた。
きっと嫌気がさしUターンした人も多かろうが、それでも一度は食べたい『常陸秋そば』+『高橋邦宏名人の手打ち蕎麦』の組み合わせであったのだ。
・    2011/11/20 ブログ

蕎麦好きの人にはこのような混雑などはまったく問題にならず、逆に価値を高めるだけのものだったのかも知れない。

それだけの価値ある蕎麦だ。
その種を自分で畑に蒔き、秋には自分で収穫し、後に自分で石臼で手挽き製粉し、そして自分で手打ちして、食して愉しむ。
これに勝る贅沢は無いと思う。

暑い日中ではあったが、畝を切り、種を播き、土を掛け、作業を終えた。
蕎麦の種と畑
当地方では今がまさに種蒔き時であるので、恐らくさまざまな方・団体が今週から来週にかけて『常陸秋そば』の播種作業を行っている。
そしてブログなりHPにアップすることだろうとおもう。
例年、どなたのHPも力が入ったリポートで、なかなか熱いものばかりだ。
かく言うこのブログでも、年末近くには製粉なり手打ち蕎麦の話題を、今年も提供できることと思う。
今日は我が家の隣の畑でもNさんが蕎麦の種を播いていた
         
いつも思う。
たとえどんな世の中になっても(・・・世界が同時経済不況になったとしても、首都直下形大地震や東南海大地震が起こって政治・経済が麻痺状態になったとしても)、この土地さえあれば、農家はこうやって自然に生かされて、ヒトが生きてゆく上で必須の食物を自ら生産できる。
生命を維持できる。
他人を頼らず生きてゆける。
そして、働く場所がある。生き甲斐がある。
(身体が動く限り定年はない。精神的にも肉体的にも自由で解放されている)
・・・なんと贅沢で幸せなことであろうか。

こ難しいことはさておいて、ただただ蕎麦の種を播き、土を掛ける。
やがて咲くであろう白い花と、香り高い蕎麦の香りをイメージしながら。

ココロははや新蕎麦のあの香りと味に飛んでいる。

今年は自宅近くの条件の良い畑に蕎麦を播いてみた。
昨年は長年荒れ地だった畑での蕎麦栽培だったので、
今年は栽培環境は格段に良い。期待できる。

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