2012年7月3日火曜日

少しずつ 捲まず弛まず

溜め池の土手(堤)が一部崩れた。
いままで大雨による土砂災害ニュースなどで無惨な映像を沢山見てきたが、失礼ながら全く他人事であった。
その修復やら復旧についてまでは深い思いに至らずにいたのが事実。

今回の修復について市に掛け合ってはみたのだが、崩れた場所が完全なる民有地であるため、市としては全く関知できないとのこと。
回答については予想通りであったので特段驚きはないが、いざ我がこととなると、正直何とかならないかなあという思いはある。

         

早く補修したいとは思うのだが、なにせ相手は水分を含み崩れて田んぼに流れ込んだ土である。
表面は幾分か乾いているようであっても、すぐ下部は水分を多量に含んだトロトロの泥である(さらにその下は田んぼの泥土だ)。
続いて崩落が起こりそうなオーバーハング状態の土手もそのままである。
ぬかるむ田んぼでは足下が悪すぎて作業の機械類は入れそうもない。
相手と場所が悪い。
少しずつ、少しずつスコップで行うしか方法が無い。人力が全てだ。

とりあえず土寄せを始めたものの、折しもこの蒸し暑い季節である。
水分を含んだ粘土質の土はたいそう重たいし、スコップにへばりつく。
さらに極めて足場が悪い。
滝のように流れ落ちる汗。
激しく体力を消耗する作業だ。
遅々として進まない土砂を前に、無力感に襲われる。

直接的収益も生まず、全くの後ろ向きな非生産的労働であることもあり、どうにも気分的に面白くない作業だ。
(本来はやらなくてよい、余計な作業なのだ)
大型重機でも入れればいとも簡単なのだろうが
土手そのものも緩んでいるに違いないので
二次災害の危険がある。
田んぼ側も稲が成育中だし、泥濘で機械は入れない
土砂崩れの先端部分
流れ落ちた土の乾いた表面をスコップで削り崩れた部分に寄せてゆく。
少しずつだが土手に土が戻ってゆく。
本格的な土寄せ作業は、稲刈りが終わり田んぼが乾いた頃以降だろう。
いまここまでの作業は、それまでの緊急避難的な応急措置だ。

         

スコップを動かしつつ、少しずつ寄せられてゆく土を見ながらこう考えた。
ミツバチの巣作りみたいだなと。
ミツバチ一匹あたり運んでくるのはほんの少しの花粉であり蜜だ。
巣作りは極めてゆっくりである。
たが、それでも捲まず弛まず、ひたすら作業し続ける。
偉いものだ、と感心してしまう。
今日(2012/07/02)の巣箱内部。
上から3段目の箱まで巣で埋まった。
いよいよ最下段の巣箱に掛かりはじまっている。
あとひと月程でこの最下段の十字棒も完全に見えなくなることだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿