2012年7月10日火曜日

大子の航空保安無線施設

茨城県北部の空は、都心部のそれとは比べ物にならないほどきれいである。
冬の澄んで乾いた日はもとより、この湿度の高い季節であっても晴れた日の夜には、満天の・・とはいえないまでも、かなりの星を見ることができる。
そもそも山間部であり空気がきれいなことと、合わせて地上の照明による夜空への影響がほとんどないからだ。
つまり辺鄙な田舎であることの証でもある。

北極星・北斗七星も、山の陰にならない限りその姿を見つけることが容易だ。
天の川もうっすらと帯状に、確かに流れているように見える。

                    

この夜空を見上げていると、星々の間を航空機が光を点滅させながら飛行しているのがしばしば見える。
流れ星?  UFO?  と思う一瞬であるが、やがて飛行音が遅れて聞こえてくる。

この茨城北部で空を見上げた場合、おそらく他の地域より航空機の姿を認められるチャンスはずっと多いに違いない。
飛行高度の差はあるものの、かなりの数の航空機がほぼ南北に飛んでいるのである。

常陸大宮市の北にある大子町には、『大子航空無線標識所』という航空設備があり、VORTACという航空標識が山頂に設置されているのである。
・   大子の航空保安無線施設

つまり東日本を飛ぶ航空機はこの標識上空を通過することが決まりで、東京航空交通管制部に対してこのポイントを通過した旨を報告することになっているのである。
(と記したものの、これは生半可な知識であることを断っておきたい)

航空路の一大重要ポイント(・・われわれの日常の生活にはまったく関係ない)が、この地にあるというのは、当地でも多くの人にとってはちょっとした驚きだろう。
ここは普段は一般に解放していない施設。
そして航空機の乗客にも決して知られることもない場所。
だが航空機の安全運航においては極めて重要な施設。
(パイロットの方にはとても馴染みの深い地名だろう)
ひっそりと、だが確実に、途切れることなくその任務を遂行している施設。
一度は行ってみたいと思っているが、施設の場所は明らかにされていない。

七夕の季節。
夜空を見上げて、ふとこの標識所のことを思った。

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