2012年7月29日日曜日

ハクビシン・トウモロコシバトル

トウモロコシが収穫期を迎えている。
あのモジャモジャしたヒゲがやや茶色に変わり、太さも増してきた頃がちょうど良い取り入れのタイミングだ。
そのタイミングは、人間様にとってだけのものではないことを毎年思い知らされている。
そう、ハクビシンにとっても絶好の狙い目の時期なのである。

         

毎年、あちこちで人間とハクビシンのトウモロコシバトルが繰り広げられる。

撃退に有効だと言われる方法は何でも試している。
収穫時期のトウモロコシのヒゲの部分にコショウを振り掛けたら効果があった、という月刊現代農業に紹介された記事を参考にして、去年・今年と続けてはいる。
が、全部が全部きちんと散布できる訳ではない。
奴らはその隙・手薄なところを狙って荒らしに来る。

我が家ではトウモロコシそのものの作付けを段々と縮小してきている。
被害がひどく、果たして誰のために作って育てているのか、正直分からなくなってきているからだ。
スーパーに並んでいるような実がしっかりと揃ったトウモロコシは残念ながらなかなか採れない。
まれにそのような完成度が高いものが期待できそうなときでも、確実に奴らは狙いを定めて夜中に荒らしにくる。
朝方、荒らされたその無惨な姿を見るに付け、脱力感に囚われたことが何度あったことか。
なので、栽培を最小限に留め比較的丁寧に管理ができるだけの本数に留めている昨今である。
これからが本格的な収穫の時期であり、気が抜けない。
憎っくきハクビシン、里山が広がるこの周辺では実に深刻な害獣なのである。

         

我が家の隣の畑でも自家消費用にとトウモロコシを栽培している方がおられる。
我が家より幾分早めに収穫時期を迎えている。
この畑では、早くからトウモロコシの列を防鳥ネットで完全に囲み、万全の態勢で奴らの侵入を防ぐはずであった。

が、しかし。
その方から、ネットの下の土を掘られ潜り抜けられて、収穫待ちのトウモロコシが荒らされた、との嘆きの声を聞いた。
パイプ・防鳥ネット・・とかなりの設備投資と、さらには労働投下もしてきているが、またしてもやられたとの嘆き節。なんとも切実なのである。
もはやお手上げ、とのことだ。
ここまでネットを丁寧に張り巡らし、
捲られないようにネットの端をパイプで重しをしても
身体が通れるだけの穴を掘り侵入した。
中には無惨なトウモロコシが幾つも転がっている。
どうにもこの自然豊かな里山地域・山に隣接した畑は、トウモロコシ栽培には不適なようである。

スーパーで購入したほうが、粒が揃い形も良く、味もきっとよいし、なによりもトータルでみたら著しく経済的だろう。
経済合理性・費用対効果では、確実にそう言える。
しかし、そこには『我が家で育てた』とか『自分で収穫した』という満足感だけは、残念ながらない。
形は悪くとも、味も及ばずとも、多少の出費は嵩んでも、ハクビシンにイライラしつつも、懲りずに毎年作り続けるのはその満足感のためだけだ。

きっと来年もこの時期にまた同じぼやきを繰り返しながら、収穫を待つのだろう。
何やかや言っても、それが楽しくもあるのだからやめられそうにない。

2012年7月28日土曜日

やっぱり暑いね

暑い日が続き、さらに2週間以上雨が降っていない。
連日の強い日差しで土地は乾ききって、さすがの夏野菜も元気がないように思う。

今日、常陸大子では38.3℃(12:43に観測。これは大子の観測史上最高記録で、暑いことで有名な岐阜県多治見市の今日の記録より高い)を記録した。
ヒトの体温以上、変調を感じる程の熱がある状態ではないか。
常陸大宮でも35.2℃だそうだからなかなかのものだ。
我が家の屋外(屋根の下)の寒暖計は38℃を示していた
         

いつまでもこんな降雨無しと高温が続くと、日常生活全般にいろいろな支障が出てくる。作物にも、健康にも、電気の使用量にも。
適度に湿り気を与える雨とともに、大地が少し冷やされて欲しいと、切に思う。

暑いのは人間だけではない。
ミツバチもこう暑いと巣箱を出で、巣箱外壁に固まり、涼むようだ。

巣箱の中はというと、数千匹の蜂が唸りを上げて巣作りをしている超過密な閉じられた世界。
内部に隠った熱気は大変なものだろう。
直射日光は巣箱に当たらないようにしてあるとはいうものの、内部が涼しいはずは無い。

彼らの世界でも涼んで(・・休憩している?)ハチがいる一方で花粉を付けて帰巣するハチもまた多い。

なんやかやと(暑すぎるのは身体に毒だとか、熱中症になったら家人に迷惑をかけるとか、自己に都合の良い)理由ばかりを探しては、必要以上の涼を求め休憩を続けている人間がここにいる。

さてと日差しも少しは弱ってきたようだ、そろそろ雑草刈りの続きでも再開するとするか。
突然、雷雲が発生して激しい雨となり作業中断・・というのでも良いな。

2012年7月25日水曜日

たんさん饅頭 復活


昨年の9月にJR玉川村駅前で3棟が焼ける火災があった。
2011/09/29 ブログ
焼失した一棟に『二方菓子舗(ふたかたかしほ)』という和菓子の店があった。

この店はおそらくは玉川村駅ができたころからの営業であり、現在の店主(女性)で3代目と聞く。
地元で続く数少ない老舗の店で、馴染みの客もたいへん多い和菓子屋だ。
ここの『たんさん饅頭』は先代が始めた商品で、素朴な蒸し饅頭なのであるが、人気のあった商品だった。
さる雑誌で紹介されたこともあり、遠くからわざわざ買い求るお客さんも多かった。
紹介された雑誌 ゆたり

その店舗が先の火災で焼失し、営業を停止してしまった。
あの『たんさん饅頭』の復活を望むお客さんは多かったはずだ(・・と思う)。

         

あれから10ヶ月。
昨日(7/24)、その『たんさん饅頭』が復活した。
春頃から店舗の再建が始まっていたので、オープンは近々だろうとは思って伺っていたのだが、今日、赤い『営業中』の幟が真新しい店舗前に翻っているのを見つけた。
駐車場に車が止まり、狭いながらも店舗内にお客さまが数人入っている。
早速『たんさん饅頭』を購入するために訪問してみた。

ご主人に話を伺った。
・一時はどうなることかと思ったが、どうにかここまで来れた。
・初日は(たんさん饅頭は)700個を完売できた。まずは一安心といったところ。
・大変な災難だったが、いまは4代目となる息子が一緒に働いてくれているので、一緒に頑張りたい。
・新商品として『揚げ饅頭』を売り出す予定でいる。

・・・とのことだ。

大層なことはできないものの、地元住民としてできる限り(このようなブログでの紹介も含めて)支援をしたいと思う。
そして、近々発売されるらしい揚げ饅頭にも期待したいところだ。
新装オープンした二方菓子舗


やはりたんさん饅頭を求めるお客さまが多い
たんさん饅頭5個入り300円(税込み)
炭酸が効いた皮と甘すぎずしっとりとした粒餡
素朴な味わいで、個人的には大変好きな饅頭だ
先の火災で店舗らしい店舗が無くなってしまったJR玉川村駅前に、このように新しい店舗が開店し、賑わいが戻るのは喜ばしいことだ。
新店舗の向いにある親類宅も全面リフォーム中だ。
この街並が少しずつキレイになってゆくのは嬉しい

2012年7月23日月曜日

無人野菜販売所 2012 再開

暑さが本格化して、夏野菜が順調に収穫できる時期となった。

収穫量もどうにか確保できる見込みとなったため、久しく休業していたJR水郡線・玉川村駅前の無人野菜販売所を再開することにした。
2年目を迎えた無人野菜販売所
(JR水郡線 玉川村駅前)
もう少し袋数・品目もあったのだが、写真を撮る前に売れてしまった。
ナス・ゴーヤ・トマト・キュウリ・インゲン・ピーマンなどのが主たるものだが、今年の初収穫であるブルーベリーも少量だが出品してみた。


(冬の間に枝を剪定した結果だろうか)昨年より粒が大きいように思う。
幾つか頬張ってみたが、酸味と甘みがちょうど良く、十分期待できる。
まだ一部しか色付いておらず、本格的な旬の時期はこれからだ。
順番に色付き始めたブルーベリー
今年は、他の果樹は軒並み不作だがこのブルーベリーは例年並みに実が付いており、たっぷり収穫できそうだ。
この果樹園内に、今年もまた沢山の歓声と笑顔が溢れるとうれしい。

2012年7月22日日曜日

トウモロコシの受粉

この季節、雑草刈りばかりの日々を過ごしている。
四方八方が雑草の天国のような場所であるから、仕方ないと言えば仕方ない。
放っておいても良いことは良いのだが、なにか精神的に落ち着かないので身体が動いてしまう。
特にここ数日は涼しくて、野外作業にはちょうど良い気候であった。
まさに草刈り日和であり、このチャンスは逃せない。

逞しい夏草は、いくら刈り取っても数日後には驚く程成長して背丈を延ばしている。
屋敷の周囲から始まり、田んぼの周り・畑の周り、果樹園、いくらやってもきりがないのである。とにかく広い敷地である。
ほぼ連日の作業でうんざり気味ではあるが、草刈り後に綺麗になってスッキリした風景を眺めるのは気持ちが良く、それだけが慰めである。

作業日誌的な意味合いを持たせているブログであるので、このままではこの夏草との戦い=草刈りばかりの話題になってしまうので、少々視点を変えたい。

          

我が家の畑では、トウモロコシの花が最盛期だ。

トウモロコシは、てっぺんに雄花が咲き、ヒゲが生えている雌花(トウモロコシの本体になる部分)は下の幹の部分に付いている。

          

トウモロコシ畑ではこの雄花が一斉に咲いて、我が家のミツバチたちと思われる蜂が花の間を飛び回っている。
巣箱を眺めていて大量の花粉を付けて帰巣するミツバチが、ここ数日多いのが気になっていたが、これで理由が分かった。


この雄花から花粉が風で飛ばされ、あるいは自然に下に落下して、幹の部分にある雌花のヒゲに付くことで受粉する仕組みだ(畑に、できるだけ多くの株があって他株の花粉を受粉できるとより良いようだ)。
この作物の受粉においては、ミツバチはどうやら脇役らしい。
トウモロコシの雄花の中を飛び交うミツバチ


受粉を待つ雌花
このヒゲ一本一本がひと粒ひと粒につながっている

それにしても、このトウモロコシの花粉の量は半端ではない。
花の下のほうにある葉っぱは黄色い粉がと積もっている。

このくらい花粉をまき散らさないと安心できぬのだろう。
確実に子孫を残すため自然に身につけた技なのだな、きっと。
このような自然の摂理。
不思議であり、その精緻な仕組みに感心してしまう。

2012年7月21日土曜日

ミツバチ 巣箱の増設作業

順調に巣作りが進むニホンミツバチ。
4段構成である巣箱の再下段まで巣が伸びてきているのを確認したので、
いよいよ巣箱の増設が急がれる事態となった。

追加前の4段巣箱
4段目(再下段)の半分まで埋まった
出入りが激しい
幸いに、もうひとつ同形の巣箱(未入居のもの)があるため、そちらから一段を外し、追加することにした。
追加する一段
5段目を無事追加した
未入居の巣箱は3段になった
来年の分蜂時期までには新たに作成し直すことにしたい

来月8月末頃には、最上段を取り外して採蜜ができるだろうと思う。
というか、この巣の順調な伸びでは採蜜しないといけないようだ。
最上段の天板の隙間から内部を覗く
ぎっしりと詰まった巣とミツバチ
         

周囲の森は蝉がうるさくなったきた。
至るところに蝉の抜け殻がある。
この巣箱にも、だ。
巣箱の裏側にもあった
近くの林ではニイニイゼミの脱皮にも遭遇した

2012年7月18日水曜日

梅雨明け 2012

昨日(7/17)、気象庁が関東甲信、東海、近畿、中国・四国で『梅雨明けしたと見られる』と発表した。
いつも思うのだが、決して『した』という断定表現ではなく、『したとみられる』とするところが面白い。
相手は自然現象である。
何か梅雨明けの厳格・明確な基準をクリアしたから、と言うわけにはいかない中での判定だ。
宣言はしたものの、そののちに再び雨空が続くということもなきにしも非ず。
力強い夏の太平洋高気圧の張り出しが安定するまで、しばらくは心落ち着かない予報官であることだろう。

          

そもそも梅雨入りだとか梅雨明けだとか(・・桜の開花日もそうだが)の発表は、本来の気象庁の本来業務にはないのではないかと思う。
ある意味で民間に対するおまけ・サービスの一つではないのかと思う。

毎年春先の桜開花日予想は民間の会社でも精度を競い、かなりヒートアップを呈している。
『梅雨明け』はそこまでいかないまでも、世の人の関心事の一つであることは異論はないだろう。
特に何かが明確に変わるわけではないのだが、このある特定の一日を契機として、世の多くの人は何か気がそぞろになるのだから不思議なものだ。
暑さが苦手な人にとってはきっと一気にウンザリな発表だろう。
(私事だが、猛暑でも酷暑でも、夏の暑いのは全く問題としない体質のワタクシである)

そしてまた、この梅雨明け発表を一大商機として虎視眈々と狙っている企業も数多い。
飲料会社をはじめとする盛夏にニーズが一気に盛り上がる商品を扱う会社だ。
このような企業のコマーシャルベースに踊らされている一面は確かにあるものの、やはり梅雨明けは精神的にも一区切りがつく日であることは、万人が認めることに違いない。

          

日本における二十四節季とともに、その年々で日が確定はしない・地方によっても日が異なる『桜開花日』と『梅雨入り・梅雨明け』の日に対する思いは、大切な日本人の精神文化だ。

また暑くなるなあ・・と憂鬱になる暑さが苦手な人も大勢いる。
そろそろ夏休みだと心躍らせる学生もいる。
ビアガーデン・海の家などなど、商売に弾みをつける人たちもいる。
各農家にとっては、夏野菜の収穫が本格化する。

いろんな人にいろんな思いを抱かせながら、今年もまた季節が移ろってゆく。

          

待ってましたとばかりに、昨日今日と各地で猛暑日。
そもそも夏は暑いものであって、そのメリハリが効いている方が経済効果は高い。
今年も(適度に)暑い夏になるといい。

JR水郡線玉川村駅上りホーム
暑い日差しのなか、ひっそりとした誰もいないホーム

2012年7月10日火曜日

大子の航空保安無線施設

茨城県北部の空は、都心部のそれとは比べ物にならないほどきれいである。
冬の澄んで乾いた日はもとより、この湿度の高い季節であっても晴れた日の夜には、満天の・・とはいえないまでも、かなりの星を見ることができる。
そもそも山間部であり空気がきれいなことと、合わせて地上の照明による夜空への影響がほとんどないからだ。
つまり辺鄙な田舎であることの証でもある。

北極星・北斗七星も、山の陰にならない限りその姿を見つけることが容易だ。
天の川もうっすらと帯状に、確かに流れているように見える。

                    

この夜空を見上げていると、星々の間を航空機が光を点滅させながら飛行しているのがしばしば見える。
流れ星?  UFO?  と思う一瞬であるが、やがて飛行音が遅れて聞こえてくる。

この茨城北部で空を見上げた場合、おそらく他の地域より航空機の姿を認められるチャンスはずっと多いに違いない。
飛行高度の差はあるものの、かなりの数の航空機がほぼ南北に飛んでいるのである。

常陸大宮市の北にある大子町には、『大子航空無線標識所』という航空設備があり、VORTACという航空標識が山頂に設置されているのである。
・   大子の航空保安無線施設

つまり東日本を飛ぶ航空機はこの標識上空を通過することが決まりで、東京航空交通管制部に対してこのポイントを通過した旨を報告することになっているのである。
(と記したものの、これは生半可な知識であることを断っておきたい)

航空路の一大重要ポイント(・・われわれの日常の生活にはまったく関係ない)が、この地にあるというのは、当地でも多くの人にとってはちょっとした驚きだろう。
ここは普段は一般に解放していない施設。
そして航空機の乗客にも決して知られることもない場所。
だが航空機の安全運航においては極めて重要な施設。
(パイロットの方にはとても馴染みの深い地名だろう)
ひっそりと、だが確実に、途切れることなくその任務を遂行している施設。
一度は行ってみたいと思っているが、施設の場所は明らかにされていない。

七夕の季節。
夜空を見上げて、ふとこの標識所のことを思った。

2012年7月5日木曜日

今年は空梅雨か

西日本、特に九州地方の豪雨が止まらない。
ニュース映像で、河川氾濫や山崩れの惨状を見るにつけ心が痛む。
無惨な姿に変わり果てた家屋では、つい昨日まで平穏な人々の確かな生活があったのだ。
平穏な生活も、大切な思い出も流し去ってしまった。

東日本大震災後の東北各地でもそうだが、そんな惨状の中からでも人々は逞しく再起を果たすのである。
希望を決して捨てない人々が沢山いて、その底力を見せつけられる。
なんとも素晴らしいことだ。
果たして自分がこの状況に置かれたら・・と考えてみるが、正直いって自信はない。

         

片やこちら東日本では、どちらかというと空梅雨の状態だ。
そんな梅雨の合間の晴れの日が続いているが、今日の午後4時過ぎに急に暗雲が垂れ込め激しい雷雨となった。
風向きが急に変わり、ヒンヤリとした風が吹き始めたとたんに、雷鳴轟き激しい降雨となった。
絵に描いたような黒い雷雲の一群
この数分後に激しい雷雨となった
ものの30分程でこの雷雲は通り過ぎたが、熱された大地と空気を冷やし、万物が一息付くには十分だった。
この程度の雨であれば、人間も草木も大歓迎のはずだ。
トマトも色付き、本格的な夏野菜の季節が到来しつつある

2012年7月4日水曜日

ヒグラシ 初鳴き

梅雨空にはほど遠い、ジリジリと照りつける太陽。
強い日差しの一日だった。
今日の常陸大宮市における気象観測データは正午過ぎに気温29.4℃を記録。
7月下旬並みの気温だそうだ。
そして当地よりずっと北の山間部に位置する常陸大子では33.0℃で、今年の最高気温とのこと。
(ちなみに常陸大宮市の今年の最高気温は6月20日に31.4℃を記録している)

         

じっとしていても暑い季節の到来。
そんな今日、今年初めてヒグラシの鳴き声を聞いた。
水戸地方気象台データによるヒグラシの初鳴きは平年が7月14日というから、やや早い初鳴きといえる。
そして同データによるとニイニイゼミは平年が7月12日らしいので、既に何処かで鳴いているのかもしれない。

アブラゼミ・ミンミンゼミの鳴き声を耳にする日もそう遠くないだろう。
いよいよ夏だ。

         

気温の上昇とともに、近くの溜池の水面が今年も赤くなる現象が始まった。
朝は緑色だが、日中の気温上昇とともに赤く変化し、夕方再び緑色になる。
微生物の仕業なのだろうが、あまり気持ちの良いものではない。
水面が赤い膜のようなもので覆われる。

2012年7月3日火曜日

少しずつ 捲まず弛まず

溜め池の土手(堤)が一部崩れた。
いままで大雨による土砂災害ニュースなどで無惨な映像を沢山見てきたが、失礼ながら全く他人事であった。
その修復やら復旧についてまでは深い思いに至らずにいたのが事実。

今回の修復について市に掛け合ってはみたのだが、崩れた場所が完全なる民有地であるため、市としては全く関知できないとのこと。
回答については予想通りであったので特段驚きはないが、いざ我がこととなると、正直何とかならないかなあという思いはある。

         

早く補修したいとは思うのだが、なにせ相手は水分を含み崩れて田んぼに流れ込んだ土である。
表面は幾分か乾いているようであっても、すぐ下部は水分を多量に含んだトロトロの泥である(さらにその下は田んぼの泥土だ)。
続いて崩落が起こりそうなオーバーハング状態の土手もそのままである。
ぬかるむ田んぼでは足下が悪すぎて作業の機械類は入れそうもない。
相手と場所が悪い。
少しずつ、少しずつスコップで行うしか方法が無い。人力が全てだ。

とりあえず土寄せを始めたものの、折しもこの蒸し暑い季節である。
水分を含んだ粘土質の土はたいそう重たいし、スコップにへばりつく。
さらに極めて足場が悪い。
滝のように流れ落ちる汗。
激しく体力を消耗する作業だ。
遅々として進まない土砂を前に、無力感に襲われる。

直接的収益も生まず、全くの後ろ向きな非生産的労働であることもあり、どうにも気分的に面白くない作業だ。
(本来はやらなくてよい、余計な作業なのだ)
大型重機でも入れればいとも簡単なのだろうが
土手そのものも緩んでいるに違いないので
二次災害の危険がある。
田んぼ側も稲が成育中だし、泥濘で機械は入れない
土砂崩れの先端部分
流れ落ちた土の乾いた表面をスコップで削り崩れた部分に寄せてゆく。
少しずつだが土手に土が戻ってゆく。
本格的な土寄せ作業は、稲刈りが終わり田んぼが乾いた頃以降だろう。
いまここまでの作業は、それまでの緊急避難的な応急措置だ。

         

スコップを動かしつつ、少しずつ寄せられてゆく土を見ながらこう考えた。
ミツバチの巣作りみたいだなと。
ミツバチ一匹あたり運んでくるのはほんの少しの花粉であり蜜だ。
巣作りは極めてゆっくりである。
たが、それでも捲まず弛まず、ひたすら作業し続ける。
偉いものだ、と感心してしまう。
今日(2012/07/02)の巣箱内部。
上から3段目の箱まで巣で埋まった。
いよいよ最下段の巣箱に掛かりはじまっている。
あとひと月程でこの最下段の十字棒も完全に見えなくなることだろう。