答は「巣箱の中でちゃんと生活していますよ」なのだが、意外らしく驚かれる。
多くの昆虫の成虫は秋までに卵を産み付け、寒くなると死んでしまう、卵の状態で越冬している、のが一般的だろう。だが、ミツバチは少々異なる。
冬の間は、群を構成する個体数こそ少なくなるものの、ちゃんと巣箱の中で生きていて活動している。ミツバチの多くは巣箱の中央部分の、巣と巣の間の隙間に入って皆で固まり集団で寒さを凌いでいる。巣を齧ったり、貯めた蜜を食料にしている。
冬晴れで暖かい日中には外に出るミツバチも多い。花が少ない季節とはいっても少しはあるので訪花している。今だとビワとか茶などだ。
いくら寒さにある程度の耐性があるとはいえ、そこは小昆虫だ。巣がまだ小さくて隙間だらけだったり、群れの数が少ない場合など、やはり寒さに耐えきれずに死滅してしまうことが多々ある。いままで何度もカワイソウで苦い経験をしてきた。
今年も霜が本格的に降りはじめた時期に、弱い群れの巣箱には防寒のための『藁囲い』をしてみた。マイナス10℃にもなる当地である。
北風が強く当たる吹き曝しとなっている巣箱で、ミツバチの数が少ない群の巣箱に限って、藁束を編んで分厚いムシロ状態にしたもので巣箱の周囲を覆った。
この巣箱はミツバチの数が少ない弱い群れ。 田んぼの畔に置いてあって、北風と霜を防ぐような樹木が側にない。 |
ただあまり手を掛け過ぎ、自然に逆らったケアをし過ぎてもダメなので、どの巣箱にどの程度防寒対策を施すかの判断は難しい。
これも毎年のように試行錯誤だ。何が本当に良いのか答えはいまだ出ていない。
ミツバチの気持ちを『忖度』しつつ、今年も藁を巻いた。結果は来春に出る。
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