2015年9月30日水曜日

レンゲ畑幻想

ご近所のKさん宅の裏山に、ミツバチの巣箱を置かせてもらっている。
ミツバチたちの様子を観に、定期的に訪ねてはご夫婦と茶飲み話に花を咲かせている。
                 
おふたりとも齢80を超えているが、まだまだお元気である。老愛犬タローとの散歩が日課。のんびりとした悠々自適の老後を楽しんでおられるようにお見受けする。
だが、茶飲み話の際はいつも『昔のように農作業ができなくなってしまった』と口にし、寂しげな眼で田畑を眺めるのが常だ。荒れ行く風景を見るのは辛いがどうしようもなく、もどかしいとも。顔に刻まれた皺は深い。
ため息交じりの『だげどしゃーねぇべな・・・』(だけれども、仕方ないよなぁ)で話はいつも結ばれる。
こんなところに、この土地でずっと農に生きてきたKさんの矜持を見る。
事実、いまでは屋敷周りの小さな畑に少しの食べる分の野菜を作るだけで、やや離れたところにある面積2反(約2,000㎡)の畑は耕作しなくなり数年経つという。田んぼも同様だ。
時折、近くに住むサラリーマンのご子息が休みの日に来て、この畑も草刈りをしてくれているとのこと。だが、それにしてもかつてのようなキレイに手入れされた畑の姿には程遠い。

Kさんから、『どうせ放って置くだけ。畑を何かに使ってもらったらうれしい』との申し出をかねてより受けていた。
我が家でも畑は十分に所有している。それでなくても持て余し気味だ。これ以上他人の畑を借りてまで作物を作る体力も気力もない。気安く請け負える話ではけっしてない。
しばらく話を預かり、何かできないかと考えた末に、レンゲ畑とすることにした。
狙いは、ミツバチの蜜源確保である。
農産物を作るのではなく、これだとほとんど手間をかけずに済むという点が大きなポイントだ。
この畑は、我が家の巣箱からも、Kさん宅のミツバチの巣箱からも近い場所にある。しかもまとまった面積の畑である。ここにレンゲが咲く広い場所があれば、ミツバチたちにとってもうれしいことこの上ないはずだ。
花の時期が終わったら、トラクターで鋤き込む。また来年の開花を待つという、それ以上の作業はないようにして行ける。
Kさんもご子息も、この案を快く承諾してくれた。
                 
我が家の畑や空き地に撒こうと買い求めておいた『レンゲの種』4キロを、この畑にすべて投入した。
レンゲ種(1キロ入り)
この畑には4袋を撒いた
このように、高齢化の進行で耕作を放棄した(あるいは、近いうちに放棄せざるをえなくなる)畑は増える一方だ。
たとえレンゲ畑であるとしても、手を入れることで農地としての機能はある程度保全されるし、景観もぐっと良くなる。所有者としてもウレシイに違いないし、花畑ができることはミツバチにとっても大歓迎。ミツバチが生息する素晴らしい環境が広がることにつながるのである。
畑の所有者・ミツバチを飼う人・ミツバチ、という三者がハッピーになるスキームが、ここに出来上がる。ついでにいえば、直接の利害関係はないがレンゲの花畑を眺める人もまた幸せになれるという、おまけがつく。万々歳ではないか。
もっとこのような場所が増やせて、本趣旨への賛同者も増えてくれればよい。
そうすることで、この寂しい田舎の風景も少しずつ変わるはずだ。
ミツバチはいろんな意味でこの田舎を変える可能性を秘めているのではないかとさえ思っている。これはその端緒かも、とも。
                 

種は蒔いたものの、発芽率がどれほどかわからぬし、一面の花畑とはならぬかもしれない。だが、少しは花は咲くだろう。
さてさて、来春どのような光景になっているか待ち遠しく、楽しみでしかたない。すでに頭の中には一面の満開のレンゲのお畑が広がっている。

2015年9月27日日曜日

ポポー、すごいんです

今週がポポーの落果のピーク。
毎朝、樹の下・周囲を確認して回る。数日前から7~8個が落ちているようになった。
ポポーの木と、落ちたている実

袋詰めするポポー
この段階ではまだ実は固いし、独特の香りも無い。
数日経つと急に熟しだす。表面が黄色み掛かって柔らかくなり、香りがきつくなる。
無人販売所に並べる袋数も増えた。
袋には収穫日(実が落ちた日付)と食べ頃を記している。
ポポーに関心がある人が増えたのか、毎日完売続きだ。
昨年の販売記録数を軽く更新している。
うれしいことに、まったくもってポポー、すごいです。

まだ樹には実がたくさん付いている。数日はこの状態が続きそうだ。

火野正平さんが、自転車で全国各地を回っているNHK-BS番組のなかで、(和歌山県でだったか)道端に落ちていたポポーの実を食べて『美味い』といった場面があったとか。先日、その回の場面が再放送されたと聞く。去年のNHK『あさイチ』で紹介された時もそうだった。
TV効果はてきめん。いやはや、すごいです。

2015年9月24日木曜日

スズメバチ捕獲シート

ミツバチの巣箱を置かせてもらっている近所のKさんから、巣箱が大量のスズメバチに襲われているとの報がはいった。
急いで駆けつけると、巣箱の周囲を5~6匹のオオスズメバチが羽音をたてて周回している。
見ていて気分が悪くなる光景である。

スズメバチ用の殺虫スプレーが市販されているが、さすがにミツバチ巣箱の傍では使えない。
用意したハエタタキと、網付き帽子、ウィンドブレーカー、ゴム手袋、長靴という厳重装備で駆除に入った。
と言っても、何処からか次から次に湧いて出てくるオオスズメバチであるので、逐次撃破は体力的に持たないし、背後からも襲って来たりするのでアブナイ。

そこで、ミツバチ愛好家では一般的な、『ネズミ取り用粘着シート』でスズメバチ捕獲を実践してみた。
一匹を殺さない程度にハエタタキで叩き落としネズミ取り用の粘着シートに貼り付け、シートを巣箱の上に置くというものだ。

すると、驚くことに次から次にオオスズメバチがシートに吸い込まれるがごとく、自ら近寄ってきてはシートに着地する。
そしてまず脚が張り付き剥がれなくなり、動いているうちに体も張り付き、完全に囚われの身になる。
粘着シートの上で身悶えるオオスズメバチが、SOSサインを出して、仲間を呼んでいるような感じがする。なんとも不思議な光景だった。
             オオスズメバチが身悶える様子 ⇒ Youtube


この方法を使えば、何も危険な思いをして一匹ずつ叩いて殺したりする必要は全くない。
最初の一匹を粘着シートに張り付けてから僅か30分ほどで、17匹が吸い寄せられ張り付いてくれた。
5分経過  8匹捕獲
20分経過 14匹捕獲
30分で現場を後にしたが、きっとそれからもシートに横たわるオオスズメバチの数は増えているに違いない。
ミツバチの巣箱の入り口には、スズメバチは通れない網目の金網を張り付けているので、巣箱内部への侵入はなく、ミツバチたちは無事で元気にしている(不幸にも何匹かは捕食されてしまったであろうが)。


2015年9月23日水曜日

2015 稲刈り終了

長雨に泣かされた今年の稲刈りだったが、連休の晴天続きに助けられ、予定していた田んぼの稲刈りが全て無事終了した。
谷津田の田んぼ一枚だけ、イノシシ被害がひどく刈り取りを完全に断念せざるを得なかったのだけが残念ではある。
田植え時には水不足で半月以上も遅れてやっとの思いで田植えをした田んぼだ。
例年になく雑草が少なく、8月中旬まで収穫が大いに期待された良い出来の田んぼだった。
そんな苦労の末に実りを迎えつつあった田んぼだが、イノシシが真ん中を遊び場とした。
稲が滅茶苦茶に倒され、手が付けられない状態になった。収穫が全くできない、つまり全滅だ。
この田んぼだけは今年の収穫をあきらめざるを得なくなった。まったく無念である。
が仕方ない。
田んぼ一面がこんな具合に倒されて、見るも無残・・・
稲穂の方向がバラバラだし、ヒヅメで踏みつけられて稲穂は土中に埋まってしまっている
立っている稲穂は皆無だ


一方、8月の終わりに風で倒された稲を刈り取った田んぼの稲は十分に乾いているので、脱穀を行った。晴天が続くと農作業の効率は各段に良くて、実に気持ち良い。

今年も兄弟姉妹が助っ人として参戦してくれたお陰で、予定した脱穀は滞りなく終了。
青空のもと、皆で囲む野良のお茶(休憩タイム)は美味い。気分が良い。
今日は青空にスジ雲、絹雲
夕刻には、さっそく毎年取引している米業者が脱穀したばかりの籾を引き取りに来てくれた。
段取りよく進むと、身体的な疲れはあるものの、なんとも気分が良い。
夕餉のビールも進む。

2015年9月22日火曜日

マムシによく出会う今年

栗拾いが毎朝の日課となっている。
大体、4キロほど収穫してきて、無人販売所に並べている。
露に濡れた草むらに入り込み、イガに入った栗、粒で転がっている栗を拾い集める。

早生の木から始まって晩生の木まで順番に実が落ちてゆくのだが、いまちょうどその真ん中へんだ。あと1週間ほどはこの作業が続く。

やぶ蚊に刺されつつ、イガを足で剥いて栗の実を取り出す。大粒で綺麗に光る栗の実が姿を現すと嬉しくなる。地道な作業だが、収穫の秋を実感するひと時でもある。

今朝はこんなモノとの予期せぬ遭遇があった。
いつも見回る栗の木の下に、ひっそりといた。

背中の縞模様に特徴がある蛇。マムシだ。

ひっそりと潜んでいるのである。落ちている栗の実を取ろう無防備に草むらに手を入れるとアブナイ。従って、このような摘まむ道具と長靴は、我が家のような山裾の栗林では栗拾いの必需品だ。

それにしても、蛇の類はいつまでたっても好きになれない。爬虫類全般が苦手だ。
この写真とて右手で挟みながら、左手でシャッターを切ったのだが、それが精いっぱい。
田んぼても何度も遭遇したマムシ。今年は多いような気がする。
またマムシの出産シーンにも遭遇できるかもしれない。(望んで・・ということでは決してない)

2015年9月21日月曜日

常陸国 秋天

今年のシルバーウィーク中は天候に恵まれて稲刈りの絶好の日和。
どこの田んぼでも稲刈りが進められている。我が家でも急ピッチで作業を進めた。

手を休めて空を見上げると青空に見事なうろこ雲。

これだけだと良くわからないので下の写真も。
すっかり秋の空ではないか。

稲穂の波を渡る風もカラッとしていて心地よい。
あと少しで稲刈りが終わる。

2015年9月18日金曜日

ポポーを無人野菜販売所に並べてみた

ポポーの落果が進んでいる。
なのでJR玉川村駅前にある無人野菜販売所に並べてみた。

昨年、連日にわたって酷い金額不足状態(つまりは黙って持ち去る盗難である)が続いたので辟易して、しばらく店は出さないと決めた。昨年10月だったのでほぼ1年ぶりの開店である。
最近、近所の年寄りから『栗、落ちてっぺ⤴?  並べねぇのげぇ⤴? (標準語訳=栗が落ちているでしょう? 販売所に並べないのですか?)』とか、『なんで店出さねぇの⤴?  もう止めちったのがど思った(標準語訳=なぜ店を出さないのですか?  てっきりもう止めてしまったのかと思いましたよ)』とかの言葉を戴いて、このように心待ちにしてくれているひとが僅かでもいることが妙に嬉しく、少しは気持ちの切り替えも出来たので、再開した次第である。

ポポーの実は、大小さまざま。熟し具合もバラバラ。
一つ一つを吟味しながら実の固さを確かめ、ビニール袋に食べ頃を記入して袋詰めした。
1~3個入りで100円。合わせて7袋できた。
これだけだと売店が寂しいので、いま盛りの栗を一緒に並べた。大粒ばかりを選んで400g詰めて、こちらも100円とした。これは買い得ではないか。

結果はというと、3時間後に様子を見に行ったところすべて売り切れ。
さらには、ちょうど通りかかった懇意にしているオバちゃんから、栗の売り切れを責められつつ、予約をもらった。有り難いものだ。

久しぶりの販売は、まずまずの結果で終わった。むろん、今日の料金箱の中身と販売数は一致である。まだまだ捨てたものではないようだ。
栗は明日もたくさん落ちる。また店に並べてみようと思う。
(((ただし、ポポーは明日の朝にどれだけ落ちているかだ・・・)))

2015年9月17日木曜日

紋黄揚羽

紋黄揚羽。モンキアゲハ。
数日前から本格的に咲き始めた彼岸花を訪れ、せわしなく動いて蜜を吸い、飛び去った。

黒い羽根に白い紋とオレンジの丸。彼岸花の鮮やかな赤と黒のコントラスト。

Wikipediaによれば、『ユリ類、クサギ、彼岸花、人家の庭先の園芸種など各種の花に訪れる』と、わざわざ彼岸花の名を挙げている。特に好む花のひとつらしい。
それにしても、とにかくせわしなく動く蝶である。→Youtube動画

2015年9月12日土曜日

スズメバチトラップには・・

このトラップは1週間でオオスズメバチ6匹
ミツバチが巣を作っている巣箱の近くに、スズメバチトラップを設置している。
今年は例年になくオオスズメバチが入ってきては、溺死して浮いている。
あの暑かった夏のせいで、繁殖数が例年よりも多いのだろうか。 

このトラップの誘引液は、日本酒と醸造酢の1:1混合である。
設置している環境の違いもあるので一概に言えないが、昨年好成績だったカルピスの希釈液よりも捕獲成績はずっと良い。
1:1がスズメバチ捕獲の黄金比なのか、たまたまスズメバチが多い場所だったからなのかは解らぬ。それに日本酒と酢の組み合わせがベストなのかも研究の余地がある。
毎年、どんな液体が本当にスズメバチに効き目があるのか試行錯誤している。
物言わぬ彼らの『嗜好』を探るという、なんとも気の長い・のんびりとした・楽しい作業だ。

2015年9月10日木曜日

うるち米ともち米

もち米とうるち米では、下の写真のように稲穂の状態が違う。
左の黄色が鮮やかなのがうるち米で、まもなく刈り取りをするコシヒカリ。
右の緑が濃く、稲穂がやや褐色がかっているのがもち米。
刈り取りはもう少しあと。いまだけ見られるコントラストだ。

うるち米とは、簡単に言えば、普通に食べている白いご飯の米のこと。もち米に対しての言葉だ。
同時期に苗を植えても、刈り取りはもち米の方が少し遅くなる。

いま周囲の田んぼでは、うるち米の刈り取りが急ピッチで進められているが、今回の大雨で稲が倒伏してしまった圃場も多い。倒れて水没した稲穂も多いだろう。
これからの作業を思うと気持ちが暗くなる。
常陸大宮にも大雨特別警報が出されるほどの豪雨。確かに凄い。
上の写真を撮ったときには、まさかこんなことになるとは思いもしなかったが。

天を仰ぎつつため息。
まあ・・・・なるようにしかならない。

2015年9月8日火曜日

ポポーの実が今年も落ち始めました。販売開始します。

ポポーの落果が始まった。
まだ少数だが、樹の下に実が落ちているのを今朝発見し、拾ってきた。
すでに十分すぎるほどに、あの独特の芳醇で濃厚な香りを発している。
これから本格的にポポー成熟の時期を迎える。
左の金属ザルがポポーの実
(余計な説明だが、右の黄色い籠は収穫が始まった栗)
木には青い実がまだまだたくさん生っている
      
今年もご希望の方に、お分けしたいと思います。
昨年に購入時期を逸した方、今年もまた食したい方、お友達に勧めてみたい方、ご連絡をお待ちしています。
1個200円(消費税無)。原則、現地で対面販売。ご希望あれば宅配便も対応可(送料別)。 
一個100g~150g程ですが、販売分は大きめの実をご用意します。
まったくの自然のもので、計画的な収穫ができないこと、生っている個数にも限りあること、等のため、数量と販売の日にちについてはご希望に添えない場合があります。まずはご相談ください。

ご連絡・お問い合わせ   hitachi-satoyama-farm@live.jp  まで

2015年9月7日月曜日

ミツバチのプチ家出

山方地区にある親戚から電話が入った。
ここにはミツバチ巣箱を2つ置かせてもらっていて、うち一つが7月に入居して営巣中だ。
奥様から、『庭の周辺を、すごい数のハチが舞っている』との連絡だった。
いまの時期に分蜂はありえないのでちょっと変だなと感じつつも、どこかの巣から逃避してきた群かなぁ、あたらしい群れが来てくれたならもうけものだなどと思いつつ、捕獲道具を揃えて親戚宅へ急いだ。
                     
約30センチほどのラグビーボール大の見事な蜂球が、庭先の梅の木の幹に作られている。間近に姿を観察できる蜂球は初めての経験だ。ネットでよく紹介されている蜂球そのままの姿で、うっとりしてしまうほどの美しさである。

美しい蜂球
不思議と皆が上を向いて固まっている
脚立を使えば手が届く範囲。どうやら容易に捕獲できそうだ。
分蜂時期でもなかなか見られない蜂球
これは貴重なシャッターチャンスだ
脚立を出してもらい捕獲作業に入った。
                    
捕獲開始のその前に。
めったに遭遇できないチャンスだったので、かねてより一度やってみたいと思っていた『蜂球に指を差し入れてみる』を試みた。最初は恐る恐る、そして大胆に、ズボッと。
人差し指の根本まで蜂球の中に突っ込んで、しばらく感触を確かめてみた。
ふわふわしていて、ほんわか暖かい。指の周りでハチが蠢く感触は何とも不思議なものだった。
(ここまでしてもミツバチに刺されることはなかった)

蜂球の取り込み方法としては、蜂球を丸ごと袋に掻き落として空き巣箱に流し込むという方法がある。あるいは、巣箱を蜂球の上部分に置いて蜂球を巣箱に誘導するという方法がある。
今回は手の届く高さで梅の幹が巣箱を仮置きするに丁度よい位置であったことから、後者の方法を選んだ。
巣箱を置いて、ゆっくり蜂球を手で崩して塊を巣箱に誘導する。蜂球が崩れたその瞬間だけは辺りにハチは飛び散るものの、ものの5分もしないうちにほぼすべてのハチが見事に巣箱に収まった。
めでたし、めでたし。
                     
と、めでたく終わるはずだった。
悪い予感は的中した。家の裏に設置してあるあの7月入居の営巣中巣箱がもぬけの殻であった。
つまりは、家裏の巣箱から逃げ出て、家前のこの梅の木にとまっただけだった。家出をしたもののすぐに見つかってしまったという訳。プチ家出とでもいうべきか。
こうやって補導、いや捕まえて連れ戻せたのだからめでたしではあるのだが、あまり面白くはない。

斯くして、親戚宅のミツバチのプチ家出はあっけなく幕を閉じた。
ミツバチの家出は何が原因なのかさっぱり解らぬ。
スズメバチ対策も念入りにしてあるので、スズメバチ被害ではなさそうだ。
空になった巣箱には確認できるようなスムシ被害もない。
家の人の話では、周囲の環境も以前と変わったことは特にないと。

また現場に何度も足を運んでは考えられる原因を推定して、あれこれと改良を図ることになる。
幸いなる哉、けっして飽きることがない。
ニホンミツバチ養蜂はなんとも知的で高度戦略的なゲームである。

2015年9月6日日曜日

雨の合間の稲刈り

この土日は天気が良かったこともあり、付近の田んぼの稲刈りが一斉に始まった。
我が家でも、倒伏した箇所の稲刈りに続き本格的に刈り取りを始めた。

ただ、晴れ間が続かない今年。
我が家のようなオダ掛け天日干しをしている農家にとっては、晴れと雨では大きな違いがある。
すべての作業が左右される。
とはいえ、刈り取りだけは進めないと。。稲は待ってくれない。
天を見上げつつ、雨の休止時間をみてすこしずつ進めることにしよう。
カマキリも応援してくれている

2015年9月2日水曜日

北隣の大子町内でよく目にするものに、道路脇土手の斜面にツツジ等の植え込みをして、学校名などを文字にしているものがある。土手文字とでも呼びたい、ちょっとした芸術品だ。
(常陸大宮市内では目にすることはなく、工業団地の土手に会社名の植え込みがある程度だ)

下の画像(いずれもGoogleのストリートビューから)のように、大子町立生瀬(なませ)小学校や大子町立大子西中学校などがその代表だ。
生瀬小
一辺7~8mはありそうな巨大文字だ
さすがに混み入った『瀬』の字はカタカナになっている
大子西中 
よく手入れされている土手文字だ。一文字4~5mはありそうな感じだ
どうやら書体は、丸ゴチック体が好まれるようだ。
一つのアピールであり遠くからでも目立つように、とのことだろうが、いずれの文字もかなり大きい。
急な斜面の植栽の手入れ、下草刈り・・・・。土手文字の維持管理は楽ではない。
先生方のご苦労が目に見えるようだ。つい同情してしまう。
                  
一方で、大子町の下野宮には『税』という巨大な文字が山の斜面にある。
学校も会社も工場も何もない場所で、ごく普通の山の斜面にその不思議な文字はある。
注意していないと見過ごすだろう。
場所はここ(→大子町下野宮)だが、直近のストリートビュー画像では、夕陽のきつい時間帯の撮影で文字が確認できない。
航空写真(Google Earth)でも『税』の文字は確認できない。
(→追記: 現在見ることができるGoogleの航空写真では、よーく目を凝らして見るとうっすらと『金』らしい文字が確認できる。税の前は金だったらしい)


この山の斜面の文字もなかなかの大きさだ。一辺は10m程はあろうか。
前掲の学校の文字などよりも格段に大きい。

きっと制作主には何か熱いものがあるに違いない。どうしても道行く人に『税』の文字で(以前は『金』という文字で)訴えたい何かが。。
その半端でないパッションが巨大文字を作らせたか・・。
作業量は大変なもの。(作ったのが家族持ちの男性と仮定して)こんなものに付き合う奥様・家族はいないだろうし、恐らく孤独な作業だったのではないかなぁ。

それにしても、何故に『税』なのだろう?  以前の『金』からなぜ文字を代えたのだろう? 
そもそも金はMoneyなのかGoldなのか?
Google Earthの拡大画像
(右に90度回転すると)『金』らしい文字が見える。
この文字選びのセンスにいたく感心する。
『税』は遠くから見ても実に端正に整っている。払いや跳ねの部分がしっかりとしている。
制作主は書道がお上手な方なのだろうか?
全体のバランスはどうやって整えたのだろうか?  設計図は作ったのだろうか?
植栽したのは何の木なのだろう? いや、『税』の字になるように周りの雑草を刈りこんだだけなのかもしれない。だとしても、なかなか上から俯瞰した姿をイメージできるだけのすごいスキルをもった人でないとできない芸当だなぁ。 ・・・?・・・・?・・・・・・??????

つい目にしてしまったため、車を運転しながら、しばらくあれこれ考えをめぐらしてしまった。
もしかしたら、これが制作主の狙いかもしれぬ。只者ではないな、これは。