2013年6月10日月曜日

6月のブルーベリー

菜の花やレンゲは、既に種子の収穫ができる段階だが、同じような時期に花が咲いたブルーベリーはちょうど今が実が成熟を進めている状態にある。
今年もしっかりと実が付いている。
これもミツバチたちの活躍のおかげだ。
あとひと月半ほどかけて、実が紫色になり、順次熟してゆく。
花弁は茶色く枯れて落ち、緑の小さな実が露わになった。
これらがバラバラに紫色に変化してゆく
 ブルーベリーの花はすべて下向きに咲く(下の写真)が、受粉してからは膨らみながら次第に上向きになる。なんとも不思議である。
開化直前のブルーベリーの花(5月始め)
わがブルーベリー園のほとんどの株は同一種で(ひと株から、順次挿し木で増やしていったものだ)、7月下旬ごろから8月中ごろまでが収穫の時期となっている。
一昨年から、収穫時期を前後にも広げるため早生品種と晩成の品種苗を植えて、園内を充実し始めた。
(植えた幼木の一部が、先日イノシシに根こそぎ穿られてしまって枯れてしまったのは残念なことだった)

それらの苗株はまだ幼木であるため、まだ実を付けさせずに、樹高や枝を大きくすることに専念させている。本格的に収穫できるようになるまであと4~5年はかけたい。あと4、5年も先だ。
これらのブルーベリーの樹が実をたわわにつける日が待ち遠しい。
         

証券取引の世界では、コンピューターによる株式のシステム売買が行われ、売買をはミリ秒(=1/1000秒)を争って行われている。
そのような世界がある一方で、この田舎のようにのんびり過ぎるくらいのゆったりとした時間が流れている世界もある。
まるで時間の概念が異なるようだ。
自然相手の仕事は、齷齪しても始まらない。すべて気の長い話ばかりだ。

ミリ秒の凌ぎ合いの中に身を置き日々神経をすり減らしておられる方々は、それがシアワセを実感する瞬間の連続なのだろうが、この田舎生活にどっぷりと浸かっていると、まるで別世界の話で(小生の頭が悪いのもあるが)良さなど到底理解できぬ。
貧弱な頭で想像するに、いつも何かに急きたてられ、追いかけられているのではないのかな。そして常時未充足感を抱いているのではないかな、とも。
そんな毎日、精神は疲れてしまわないのだろうか? 何年も続けられるものなのだろうか? などど余計な心配をしてしまう。

樹の成長や実の成熟をじっと待つ愉しみと心の余裕。。。。。
ゆっくりとした時間が醸し出す自然の恵みを堪能する、この上ない贅沢。
何かに急きたてられることもない、なんと人間らしい姿であろうか。

ここの、この生活が好きだ。

2013年6月9日日曜日

渡辺さんちの田植えは来週かもしれない

正確な記憶はないのだが、子供の頃の昔(昭和40年代)の田植えは、昨今よりは半月以上遅かった気がする。5月末から6月上旬に行っていたのではないかと想う。
なにしろ、今のようにビニールハウス内で温度を保ちながら苗を育てる訳ではなかった。
特定の田んぼに『苗代』を作り、種を播き保温のための油紙の覆いを掛けて、全くの自然の気温で苗を育てていた。
その苗が程よく成長した時分になってから田植えと相成った。
要は外気温が上がって安定して暖かい日が続かないと、そもそも屋外の苗代では苗が育たないのである。
だから、連休中の田植えなどはこの地では無理だったのだと思う。
(それにそんなに焦って早めに田植えする必要性もなかったはずだ)

時期的にも入梅となり降水量も増え田んぼには水量が十分に確保できたのだろう。
(田植えの日は早朝から家族総出で苗代にて苗束造りを行った記憶がある。機械植えではそんな作業も不要となり、単にビニールハウス内からトレイを運び出すだけになった。良い思い出である)

いまや4月末〜5月初頭の連休中に田植えするのがすっかり一般的になってしまった常陸大宮市・当地域である。
なので、いまこれから田植えを行う田んぼというのは結構目立つ。
昔ながらの苗の生育法を実践している訳ではないのだろうが、これから田植えをする田んぼがあった。

         

昨日(6/8)、車で通り過ぎた市内某所の山に囲まれた場所の田んぼは、これから田植えをするらしく、そこだけが取り残されていた。
代かきが済み、田んぼ面のトロトロの土がきれいに均された状態である。
田んぼの隅には、植えるのであろう苗が準備されてきちんと並べ置かれていた。
手前の田んぼは既に半月以上前に田植えが済んでいるが、
その奥のL字型に曲がった形の田はこれからだ。
(2013/06/08撮影)
田植機で苗を植えるには水の量が少なすぎる気もするが、手で植える場合に目印の筋を泥面に付けることから、この程度が望ましいのかもしれない。
毎年ここの田んぼは、何人もが田んぼに入り、手で苗を植えるのを知っている。

そう、この田んぼこそが、かのTBS『金スマ ひとり農業』渡辺ヘルムート氏の田んぼだ。
この整った準備状況からすると、田植えは来週に違いない。
安住アナ(駒田アナ)、中居氏、ベッキー氏、大竹しのぶ氏、ベッキー氏、室井氏、假屋崎氏・・さて今年は誰が常陸大宮市においでになるのやら。
来週も連続して晴れるようなので、良い田植え日和になることだろう。

         

先週の金スマひとり農業の番組中でサワリを紹介された『建築物』は、やはり3月に見たあの場所にある建物だった。レンコン畑の上の山の部分にはっきりとTVで映った窯のような姿を確認できた。
その建物の場所に続く立派な路までもがきれいに作られている。
さて、あれは何でしょうかね。
田植えが中心となるだろう『ひとり農業スペシャル』番組を楽しみに待ちましょう。

そして居宅の屋根に張った芝もしっかり根付いたようで・・というか他の雑草のほうが目立つくらい生い茂っている。容易に草刈りが出来ない場所だけに、これからどうするのかと余計な心配もするのだが。
この建物も、いまやすっかり風景に馴染んできている感じだ。

どうやら静かな山里の田に、田植えの賑やかな声がこだまする日が近いようだ。

2013年6月8日土曜日

そろそろ野に出そう

シイタケの原木栽培を試みて3年経つ。
毎冬、屋敷続きの里山の整備を兼ねて木を切り出しており、その中からシイタケの原木に適した栗や山桜、コナラ等を使って、毎年50本程度ずつ増やしてきている。

今年は春先に40本ほど、シイタケの菌を植え付けた。(1本あたりの菌を多くして密植したため例年より少なめになった)
いまはまだ原木をシートで包み湿度と温度を保ち、原木内部に菌を繁殖させている仮伏せの最中だ。
時折、確認を兼ねてシートをめくり水をたっぷりとかける。
原木間に敷いた保水のための藁にたっぷりと水を浸みこませる。
程よく原木の周りに白いカビ状の菌が廻っているようだ。

今年は説明書よりも密に菌を打ち込んだ。原木の切り口面にも入れてみた。
この方が菌の廻りが早いはずだ(という計算によるのだが、結果は来年秋に出る)。
高温に弱いシイタケ菌。シート内の気温が上がり過ぎてもダメで、菌が繁殖できない。これ以上シートに包んでいるのはあまり望ましくない。

梅雨だと言うのに大気湿度が期待しているほど高くないのが気になるが、これから高くなるだろうから、そろそろ外に出そうと思う。
近くの杉林の木陰中に原木を並べる予定だ。
並べる場所の準備も終えた。
・・と言っても、原木を斜めに傾けて並べるための棒を渡しただけだが。。

         

今回並べる原木は、ふた夏経過した来年秋から収穫ができる見込みだ。
一昨年の原木からは、昨年秋と今春~先月の発生シーズンにかなりの量を収穫できた。生シイタケを無人野菜販売所に並べると、付近のオバチャンたちの人気商品でもあってすぐに売り切れる。

半端モノを集めて作っている乾燥シイタケもそれはそれで料理に重宝している。
無駄がないシイタケだ。
手間と言えば、原木の切り出しと菌植えだけと言ってよい。
あとは日陰に並べ、時間はかかるが勝手に生えてくるのを待つだけ。
程よい姿形のものがたくさん生えているのを見つけた時の、あの高揚感は何とも言えない。

食べて美味し、健康に良し、(成長度合いを)見回って楽し。
生えるまでの一年半を待つのも心のゆとりだ。
毎年の、毎日の作業に張り合いがある。

2013年6月7日金曜日

八大竜王雨降らせ給え の一方でホタルが飛び始まった

雨が降らない。
今夕の気象予報で示された週間予報では、あと一週間は降りそうもない見込みだ。

既に谷津にある田んぼは干上がる直前。
土にヒビワレが出来はじまって、ごく一部だが、稲が茶色く枯れてしまった部分もでてきた。
なす術無く・・・
まずい事態だが、どうしようもない。なす術がない。
ここの谷津の田んぼ一枚の1/3ほどで、紫黒米を栽培している。
この状態が続くようだと、収穫に影響が出そうだ。
まさに天に祈るかない。

         

昔(といってもずいぶん昔の鎌倉時代の話だが)、『時により過ぐれば民の嘆きなり 八大竜王 雨止め給え』(金槐集)と源実朝は詠んだ。
梅雨が明けず降り続く雨を止ませてくれるよう、水を司る神様の八大竜王に時の権力者であり歌人でもあった実朝が頼んだものだ。
降り止まない雨も困りものだが、降って欲しい雨もある。
まさに神頼み。なんとかしてよ、お願いだから、の切なる祈りは同じだ。要は雨乞いだ。
『八大竜王 雨降らせ給え』。。。。

         

一方、ホタルが水路脇の草むらやその近くの田んぼの中で飛び始まった。
また始まった仄かな光の競演。
去年よりは点滅する個体数が多いように思う。
これではなんだか分からないが・・・
フラッシュを発光させて写すと、淡い光を点滅させていたホタルが稲の茎にとまってる
空梅雨を心配しつつも、ホタルの飛び交う風情ある初夏の夕べを楽しんでいる。

夏は来ぬ』(佐佐木信綱作詞・小山作之助作曲)の世界がここにはある。
なんともいいもんだ。

2013年6月5日水曜日

実りの初夏 ~ レンゲの種を観る

春に咲いた花々は、夏を迎える前のこの時期に実をつける。
庭先を黄色に染めた菜の花も、全体の姿がすっかり枯れた色になり、実がたくさん付いている。

刈取りを待つ、花の終わった菜の花
一粒万倍だ

 茎から刈り取り、乾燥させ、種子をとる。
来年に向けての作業だ。
種から油を取るためではなく、飼っているミツバチが活動する場を少しでも広げるため菜の花を栽培するためだ。

同じように、レンゲも実を付けている。
レンゲの実は、受粉してからは緑の袋が次第に膨らみ大きくなり、やがて真黒になり種を収穫できるようになる。
ちょっと見ただけでも目につく種子の袋・鞘だ。
この中に小さな小さなソラマメのような形の種子が詰まっている。

三日月形の鞘にレンゲの種子がはいっている。
左が未成熟の緑色、右が成熟した黒の鞘
中にはこのような小さな種子がはいっている。
これがレンゲの種だ。
眺めていて飽きない自然のなせる美、不思議さだ。

2013年6月3日月曜日

梅雨入り後の空模様

関東甲信は5月29日頃に梅雨入りした模様、と発表があった。
だが、茨城北部は30~31日に少し雨が降ったものの田んぼを潤すほどの量は降っていない。

農業用水設備が整った田んぼは取水栓を開ければ労なく田んぼに水が入るのだろう(その分、圃場整備負担金が大変なのかも知れない)が、我が家の周囲の田んぼは、ため池から水を引っ張るとか近くの小川からポンプで揚水しホースを延々とつなぎ田んぼまで引っ張り入れる必要がある。

まだそれができる田んぼは良い。
ため池より上流の田んぼの場合は山から染み出てくる水だけが頼りだ。
なので田植え後にも適度に雨が降らないとまったくのお手上げになる。
この谷津田は水源が乏しく、水の管理が難しい。いまも水は溜まっていない。
ため池はずっと下流だし、上流にもため池や耕作している田んぼはない。
さらには畔から染み出てしまう水も多くて、水位を維持するのはことのほか大変である。
イノシシ被害も多くて悩ましい。
天気予報の傘マークを期待しながら、お天気キャスター寺川奈津美さんやら岡村真美子さんの解説を聞いている毎日。(平井信行さんや渡辺博栄さんの解説を聞いていない訳ではない)
このように気苦労は絶えないが、手間ひまかけて米を育て、成長を見届けることはこのうえなく楽しい。

         

人々は今日も昨日と変わらずに田畑に立ち、汗を流して働いている。
土を耕し種をまき、空を仰いで雨を待つ。
人知れず今日も続けられている静かな営みがあるからこそ、都市に住む人々の明日の食卓がかろうじて成り立っているのではないかなと思う。

この我が家の谷津田で収穫された米が上る食卓をふと想った。

2013年6月1日土曜日

金スマひとり農業 6年目

昨夜(5/31)、久しぶりに『金スマ ひとり農業』が放映された。
20数分間ではあったが、昨年末からこの春までの約半年の出来事を紹介していた。
   PANDRA.TV ☞ 2013/05/31放送『 金スマ ひとり農業』

冬の間には撮影・放映して愉しくなるような(長い時間、視聴者を惹き付けるような)見るべき作業はあまり無い。あっても、ごく短時間なものだったり、実に地味な(映像としては絵にならない)作業だったりするので、まとめて数ヶ月の間の作業を放映するのも無理からぬところだろう。

         

ご覧頂くと分かるだろうが、作物が収穫できるまでに投下される作業量は膨大なものがある。省力化の機械化は進めても、やはり人手による細かな作業は決してゼロにはならない。この一連の作業を、辛いと思うか愉しいと感じるかによって、さらには目先のことだけでなく広く環境やらのことまで考えるかによって、地味な肉体労働が続けられるかどうかが決まる。

ひとり農業も、どういういきさつでこのような番組企画が決まったのかは知らぬが、担当することになった渡辺氏も、まる5年過ぎ続いているところをみるとあながち嫌ではないのだろう。

         

それにしても、テレビ企画としてもだが、いろいろな作物の栽培チャレンジは面白い。
作物を作り育てるところから収穫、そしてその作物を材料にしていろいろなもの(砂糖だったり。そして今度は二条大麦栽培ということは『ビール』ということになるのだろう)を作る、この流れが、時系列でテレビ画像となる。うまいやり方だなあと思う。
多種多様な作物を取り扱える農業、やりようによっては如何様にもなる農業、失敗も成功もそれはそれで楽しくかつ絵になる。
TVの番組企画としては、永続性もあるし、ひろく視聴者の共感も得られるし、なによりも安上がりだし、いい目の付けどころと言える。

そして今回のひとり農業の最後でさわりだけ紹介された『建物』・・。
あのちょっとだけの映像では位置は分からないが、レンコン畑の上の山肌に見られた小さな建物かもしれない。大きさも同じようなものだ。

3月に現地を車で通過した際に見かけ、写真とともブログに書いている。
(我ながら、ちょっとした観察眼だった、・・・と思う。ちと言い過ぎか)
   2013/03/15 ブログ 
この建物と同一のものなのだろうか、屋根の下には石窯のようなものを作ったようだ。
ピザでも焼くのだろうか。この種の田舎暮らしをする人が必ず作りたくなるアイテムのようだ。
どうやら渡辺氏の畑では各種小麦を栽培し、小麦粉も収穫できるのだろうし、のせる野菜類も豊富だろう。

さてさてどんなトピックスを提供するのだろうか。楽しみだ。(近日公開とは、それにしてもTBSは引っ張るなぁ。。)
次回放送は田植え作業と夏野菜の収穫・・とその謎の建物の紹介だろうか。