2014年10月19日日曜日

瓜連・二十六夜尊は、実は向学の徒の祈願の場であった

今日は旧暦の9月26日である。
昨今、日常生活において旧暦日を意識することは皆無に近いが、この地域周辺においては旧暦9月26日だけは強く意識している人があまた存在する。といってもほとんどが年寄であるが。

那珂市瓜連にある『常福寺』の縁日、通称『ろくやさん』の日であり、檀家に限らず近郷近在から大変な数の善男善女が参拝に訪れる。
今年は日曜に当ったうえ天気にも恵まれ、混雑が予想されたのだが出かけてみた。

通りに面した第一の山門から本殿までの参道には、驚くほどたくさんの屋台が今年も並んでいる。ざっと数えても100以上はあったろう。日曜でもあるため小学生が特に目立った。楽しい縁日に違いない。
薄い木板の札に、受付で先祖名(苗字)を記入してもらう。
赤紫の紙に巻かれた線香とセットで一千円也
本堂手前の開山堂に札を奉納する。
大変な行列で待ち時間である。
常福寺の開山は『了実上人』なのであるが、開山堂の内部にはその次の住職『了誉上人』の坐像が祭られている。
像の前に札を収め、大半の人は先祖の霊の安寧を祈願する

開山堂に参ったのち、本堂前の大香炉に線香を投げ入れる
 
○○家先祖代々浄火供養云々・・と書かれた札を頂くのであるから、先祖供養のための縁日であるように思うが、実は違うということを常福寺HPの『二十六夜尊』のタグで知った。

それによると、この了誉上人というお方は浄土宗の超エリートで天才だったようだ。
修業勉学に専念したので内外の典籍に通暁し、識力・法力ともに浄土の伝統たぐいなく光を増し、また諸国に学者を訪ね八宗九宗の奥義をきわめた。さらに神道、和歌にも通じ、その博学宏才は衆を超えたと伝えられている。』(当寺のHPの一部分抜粋)
であるから、『浄土宗中興の祖と崇められた。また後世の多くの学者や仏教家は、「常陸の産める偉大なる学僧で浄土宗史上のみならず、日本仏教史上特筆に値する」と賛辞してやまなかった。 600年後に至る今日、瓜連地方にひろく「二十六夜尊」として崇敬され、学問の仏様として早朝から深夜まで、近郷近在の善男善女が参詣する。これは知恩報恩の心で、上人の偉大なるお力を少しでも恵与下さるようにとの、向学の学徒・家族の祈願なのである』(同)。
差し詰め、学問の神様・菅原道真を祀る『天満宮(天神社)』のお寺版、といったところだろう。

頭が固くなったうえ、むしろ退化が進んでいる小生などは、さすがに了誉上人の偉大なるお力によってもいまさら頭がよくなるなどは望むべくもない。

多くのお年寄にとってはほぼ先祖供養をする縁日となっているが、子供たちには門前の屋台の焼きイカやらりんご飴、射的の方が楽しくて仕方がないだろう。
縁日の趣旨などはともかく、ちょっとした非日常である。
仲のよい友達とこのような雑踏の中を見て食べて歩いたことは、それらの味、露店の電球の揺らいだ光、人ごみの埃っぽさとざわつき、などとリンクして必ずや深く記憶に残ることだろう。
改まって本堂でお祈りなどしなくても、この子らには上人の限りなき学問成就の御慈悲が与えられる。
露店に並ぶ煮イカ。それにしても美味そうだ。
後方の鍋から漂うこの香りと色がポイントなのだろう。。
大人になってからも大好物という人もいるに違いない。

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