一般企業でも官公庁でも学校でも、今日が一つの節目で、大晦日と同じくらい、この日を過ぎると気持ち新たになる。人事異動の方も多かろう。
ただ、それなりに社会的な責任がある方々にとっては最後の山場の一日であろう。
特に営業成績の数字に追われる方にとってはこの追い込み最終日はさぞ貴重なことだろう。既に計画の数字が出来た人も出来ないでいる人も、悲喜コモゴモ。
そのような胃が痛むような生活から身を引いて久しいが、あれだけ苦しかったくせに懐かしくもある。
営業数字だけではない、モノやサービスを修める期日という「納期」という点でも同じだろう。特に年度末までに仕上げて納品して検収を受けOKが出ないと、会社そのものの信用に関わることになるし、売り上げ自体が繰越しになったりして影響は大きい。
かねてより工事していた県道102号線・東野東原地区の道路拡幅工事もこの年度末が納期であったようで、一昨日等はほぼ突貫工事のようで最後の部分の舗装を遅くまでやっていた。まだまだという感じであったが・・。
3/29 舗装工事が佳境に入っていた |
3/31 工事関係者は路面の最終掃除の人だけ |
最終の掃除に余念がない 出来たばかりのまっすぐな道路は気持ちが良い |
農業はその点、納期というのはわりと緩いほうだ。生産物の売り渡しに他者が関わる部分だけは約束ごととして守らねばならぬが、そのほかはまあ大体で(割といい加減で)良い。
あまり厳密にしたところで天気により左右されることが多いので、お互いに了解がある。
だからと言ってすべてがいい加減な訳では決してない。
数日間浸して芽が出やすい状態にまでしたうえで、苗トレイに播種する。
約ひと月の間、5月の連休の田植えまで、ビニール温室内で育苗。毎日の散水と温度管理が欠かせない。
かかる作業が負担であるがために、農協から稲苗を買う農家も増えた。
頼んだ日に頼んだ量の苗が届く(納期はきっちりと守られる)ので、楽といえば楽だが、我が家ではまだ心理的抵抗があるため頼まずに自家で苗を作っている。
このあたりでは農協から苗を買い、田んぼを耕す・代掻きをする作業も農協に頼んで、田植え・稲刈り・脱穀も農協、販売も農協、農協に農作業のほぼすべてを依存する農家が増えつつある。自身の関与は期中の僅かな管理だけとなる。農業の姿が変身しつつつある。
こうなると単に自分名義の田んぼを農協に貸しているのとあまり変わらない。農家としての存在意義はどこにあるのかという疑問もわく。
このあたりにTTP云々の大きな問題以前の零細農家が抱える構造的な問題点がある。
あと10年もしたら、この田舎の風景はまた違ったものに(もっと寂しいものに)なっていることだろう。
年度を越えられない、農家が今すでに多すぎる。
それでも春は巡ってくる |
0 件のコメント:
コメントを投稿