2015年12月31日木曜日

酒かす甘酒+柚子皮片=絶品

清酒『久慈の山』は市内山方にある根本酒造の銘柄である。
根本酒造の創業は慶長年間というから、江戸時代の前の豊臣秀吉の頃であり、かれこれ400年以上の歴史を持つ老舗だ。
                                           
先日、『久慈の山』の酒かすを運よく入手できた。

11月にNHKの『ためしてガッテン』で『酒かすパワー大全開!』と題した酒かすの活用方法を紹介していたのを見た。みりんを加えかす床を作り食材を漬込むとうまみ全開の食べ物になるとのこと。いつもながら為になる新しい知識を与えてくれる好番組だ。
ではあるが、手軽・簡単・美味い甘酒にして味わうのもまた良い。
何しろ寒いのが苦手で、このような飲み物は大好きである。

これまた地元山方産の柚子皮を刻んで散らして飲むと絶品。甘さの中に苦み、馥郁とした酒臭の湯気の中に柚子香が奏でるハーモニー。鼻腔と舌の双方で楽しめる。我がお気に入りである。これに乾燥芋(干し芋)があれば完璧だ。
ささやかな幸せを感じるひと時。

                                           
まもなく皮を剥がれ刻まれ食される柚子に、敬意を表して記録保存的に記念撮影してやった。ちょっとした撮影テクニックを駆使して撮ってみると絵画的で違ったものに見える。陰影とフォーカスのマジック。。

今年はこの甘酒を味わいつつ、今年一年お世話になった各位に感謝申し上げ、ブログの〆とする。
ではまた来年。

2015年12月29日火曜日

アスパラ菜

一見、菜の花であろう。花の色、大きさ、咲いている姿そのものが。
春の野の写真と見まごうばかりだ。しかしながらこれはつい先日撮影したものだ。


この植物、『アスパラ菜』という。霜が降りる寒い今の時期でも咲く。ミツバチを飼っている立場からすると、梅が咲き出すまでほとんど蜜源がない季節にあっては大変貴重な花である。
上掲の写真は市内・山方地区にある従兄弟の畑に咲いている姿。実際、従兄弟宅の巣箱に営巣しているミツバチたちが喜んで群がっている。
これをみて来年は我が家でもアスパラ菜を大量に栽培してみることにした。(この花から穫った種を譲ってもらうことになっている)

アスパラ菜は比較的新しい野菜で、本来は茎や葉、蕾部分を摘んで食べるものだそう。春に播種し夏〜秋に収穫するものと秋に播種し今の時期に収穫するものがあるとのことで、今咲いているのは秋撒きのもの。収穫が済んで放置しているものだ。
アスパラガスに似た風味がある野菜だ(そうだ)。北陸・上信越地方で生産が盛んらしい。(⇒JA長野県HPの紹介記事)
                                           
人間が食べるためのアスパラ菜であればこれだけ花が咲いてしまったものは既に商品価値はなかろうが、ミツバチにとっては今が一番のゴチソウ時期である。
ミツバチが群がっている姿をみて撤去は忍びないと、慈悲のココロで従兄弟も抜くのを止めたとのこと。ミツバチも感謝していることだろう。

花が無い時にも咲く花を見つけては栽培し徐々に増やして行くと、各季節途切れなく花が咲くようなる。オールシーズン何かしらの花を愛でて楽しめると同時にミツバチが繁殖しやすい環境が整えられて行く。良い循環ではないかしらん。

『あ゛あ゛・・・・・寒い』などといってこうやって炬燵でパソコンをいじっているまさにいまも、花あればミツバチは出動し花粉と花蜜を集めている。彼らもまた生きる糧を得られる。感謝感謝。

2015年12月26日土曜日

年末の風景 ~氏神の新年準備(わが家のではない)

市内長田地区の北のはずれ、長沢との境近くに、県道の傍らに氏神様と思われる祠がある。
小高い山の中腹に鳥居と祠があり、下を通る道路からは急な階段が続いている。この祠(社)の周辺は氏子によって常時大変キレイに手入れ・維持管理されている。斜面の雑木・雑草は見事に除かれていて実にすがすがしい。

先日、そこに角松が立てられた。
鳥居の向こう側に粗末だが木造の建物がある。
おそらく祠はその建物に囲われていて、中に鎮座しているのだろう。


毎年年末になると階段の上り口両側に、立派な『角松』が設置される。おそらく手作りなのだろう。背丈ほどもある角松で人目を引く。
最近ではこのような角松は、もはや有名で大きな神社と大手百貨店くらい(あとは、羽振りが良い田舎の土建屋か)しかないのではないか。この規模の祠でこの角松は珍しい。

これも氏子たちの信心の表れに違いない。
普段からの周囲の手入れや、正月を迎えるこのような準備姿を見るにつけ、ここには守り続ける大切なものがあって素朴な信仰がしっかり根付いていると感じる。小さな氏神様だが、年中の維持管理を通して、氏子は祖神に対する感謝の念を忘れないのだろう。美しく気高い行為だ。素晴らしい。
                                           
残念だが、一般に神社には初詣の時くらいしか人は訪れなくなっている。
そして、初詣はその時だけ神様に都合よくお願事をする(大学に合格できますようにとか、良縁に恵まれますようにとか、良い一年でありますようにとか、家内安全・商売繁盛とか・・)機会になってしまっている。精一杯の努力をしたうえでのお願いばかりでは決してないだろう。
無論、願う気持ち・すがる気持ちそれもあってよいのだが、日常を平穏無事に過ごせた(=神様がお守りくださったからいまの無事がある)こと、こうやってとにかく生きられていること、に対する感謝・御礼の方がまずありきで大事だと思うのだが、どうだろうか。どうにもこちらの念は薄いような気がする。・・・自身の反省でもある。

来年再来年も、今後もずっとこの角松が立てられることを祈ってやまない。
どんな祠か近いうちに登って見てみたいと思う。


2015年12月24日木曜日

大豆収穫

先日刈り取って干しておいた大豆の脱穀である。

少量でもあり、ビールケースに枝を叩きつけて鞘から豆を取り出した。
次の作業では、目の粗さががちょうど良い『買い物かご』で篩(ふるい)にかけ、殻・茎・葉っぱなどを除去。さらに、唐箕(とうみ)にかけて細かな異物を飛ばし、豆だけにする。

カラカラに乾いた大豆の鞘は、簡単に割れて大豆が勢いよく飛び出す。
気持ちの良い作業だ。

この大豆は『完全な有機・無農薬栽培』によって生産された大豆である。
正真正銘、農薬も全く使わず、化学肥料なんぞ長年施していない畑で栽培した。
肥料分といえば、すぐそばの栗の木から自然に落ちる葉っぱや栗のイガと、精米時に出た米糠をまき散らすくらいのもので、土地が持つ本来の地力だけで育ったようなもの。言い方を変えれば、自然に任せた栽培だ。(ただし、草取り・土寄せだけは丁寧に施している)

なので次の写真のように虫に喰われた豆も相当数混じっているし、粒は不揃い。見た目は良くない。だが、味噌に加工するにはたいした問題ではない。
優先すべきは食品としての安全性だろう。
自分で食べる分くらいできる限り育った経緯がわかるものを食べていたい。
特に大豆は輸入のものがほとんどである。姿形を変えていろんな食品になっている。
『遺伝子組み換え』のものも出回っているはずで、知らずに口にしてしまいかねない時代だ。

今年の1月に仕込んだ味噌の樽を開けて、そろそろテイスティングしてみようか。
わざと残した大豆粒も程よく味噌と化しているだろう。

2015年12月21日月曜日

サンタに会いに行こう

12月も20日を過ぎると世間はクリスクス一色だ。
だからでもないが、サンタに会いたくなって出かけてみた。

小生は、特に寒い季節になると彼に無性に会いたくなる。彼と会うと不思議と心も体も温まって幸せな気持ちになれる。
そんな不思議な力を持つサンタは、今日も何も言わずその場所で小生を暖かく迎えてくれた。
                                           
『どこにいるんだよ、サンタなんて・・・』と思うだろうが比較的容易にサンタに会えるのである、常陸大宮市では。
ただ彼と会うには市街地から離れた、ちょっと山奥に行かねばならないのが難点といえば難点。
市内山方地区の市役所山方支所から7キロほど北東の山の奥に、細い道を何度も曲がりながら進む。その山深いところに『サンタワールド』が忽然と現れる。

彼に癒されたくて近在の老若男女が集う場所である。それは間違いない。
サンタに会えるという子供にとっては願ったり叶ったりの場所のはずなのだが、あまり子供の姿を見かけることはない。
ちょっと不思議ではあるが、子供の頃の小生でも自ら積極的にここに来ようとは思わないだろうと思う場所だ。
何しろサンタってのはこんな男なんだから。
これだけでも異様さはある程度感じられるだろうが、彼は下の写真のように大男なのである。
画像が暗くてわかりにくいが画像クリックで大きくするとちょっと見やすくなる。

土中から生えているのではなく、モニュメントとしてそびえているである。決して胸像などではない。
道路を走る車との対比でその大きさはお分かりいただけるだろう。顔の大きさは奈良東大寺の廬舎那仏=奈良の大仏よりは小さい(大仏は頭頂〜顎が6.7mとのことだ)ようだが、それでもかなり大きく感じる。初めて目にする人は、土中からニョキッと突き出た姿をちよっと異様に感じるかもしれない。

こんな像が道端に立っているのである。この像の男が『サンタ』という名なのである。
漢字で書けば三太。茨城各地に伝説がある『ダイダラボウ』または『ダイダラボッチ』、すなわち大男伝説の主である。St.ではない。三太とはこんな人物である。→常陸大宮市観光ガイド『三太と沢又の開墾(さんたとさわまたのかいこん)』
                                           
そう、ここは入浴施設があるところ。諸沢(もろざわ)と言う地区である。
正式には『やまがた すこやかランド 三太の湯』という。
ちゃとした泉質と泉温をもつ『温泉』である。
入浴施設の入口。
サンタ用のものであろう、2メートルほどもある下駄が椅子代わりに置いてある。


当然加温している温泉ではある。茨城県北東部であれば源泉温度はもっと高いのだろうが、このあたりまで南だと34度は仕方のないところだ。透明で無味無臭、アルカリ泉質のやさしい湯、ライトな湯である(個人的には湯の華がたくさん入った硫黄臭のする湯、かなりヘビーな温泉が好みだ)。

ここの入浴施設は、湯船が広いし、寝湯スタイルの気泡風呂のコーナーもある。さらにサウナ室が広いので大変気に入っている(ここは10人入ってもゆったりしている。ささの湯は6人が限度。金砂の湯と四季彩館にはサウナが無い)。

雛びた感じは全くないし設備はよく整っていて、みな綺麗である。従業員もみなさん礼儀正しく、サービスの点では申し分無く、気持ちが良い。

ということで、今日もしっ・・・・かりと心身が温まって、幸せな気分でサンタに別れを告げて諸沢を後にした。
                                           
余談だが、常陸大宮市諸沢地区は山深い地で、いまでも交通の便はたいそう悪い。ここに至るには車がすれ違うのがやっとという細い県道249号を4~5キロ進まねばならない。
だがこの山奥の里は意外にもある一時期、非常に重要な意味をもって歴史に登場する地であり、舞台となったのである。鎌倉幕府を開いたあの源頼朝もこの諸沢の地名は間違いなく耳にしているはずだ。いいくに(1192)作ろう鎌倉幕府・・。源氏の棟梁頼朝がこの小さな山間地におおいに関心をもった(頼朝がここに来た訳ではない)のだからなぁ。いつもそんなことに思いを巡らしながら、ここまでの山道を走っている。
この話をすると長くなるので、また改めて。

Merry Christmas!!



近くで見ても、遠目で見ても、何回見ても、やはり異様である

2015年12月15日火曜日

『玉川里山はちみつ』販売店の追加

今日から『玉川里山はちみつ』を取り扱ってくださる店舗が増えた。

◆お店の名前     Gateau Daisy (ガトー・デイジー )
◆お店の場所     茨城県常陸太田市大里町3896-1
◆お店のHP             Gateau Daisy HP
◆お店のFacebook    Gateau Daisy Facebook  

店長さんがさっそく並べてくださった
店内
外観
クリスマスを目前に控えケーキ作りに大忙しのところにお邪魔してしまったが、丁寧に当方の話を聞いてくださった。
こちらのお店でも、お立ち寄りの際にぜひ。
                                           
今回お取引いただくことになったGateau Daisyは、旧金砂郷村にあるとてもオシャレなカフェであり、人気のケーキショップ。
ここでも多くの皆様に気に入っていただけると嬉しい。

これで『玉川里山はちみつ』は、旧山方町・旧大宮町・旧金砂郷村の3地区それぞれ一店舗でお取り扱いしてくださることになった。
平成大合併前の旧町村単位で、それぞれ一カ所(一店舗)に限定しての販売。現在の生産可能規模からは、これがちょうどよい。
                                           
下の画像は、各店にお配りし『玉川里山はちみつ』とともに並べて頂いているパンフである。
いままでいろんな方から質問されたことと、その答えを元にして、簡単にストーリー性の文章にまとめてみたもの。(元の原稿文字が小さいので、はみ出ることを覚悟で大きな画像にしてみた)


2015年12月12日土曜日

大豆の根粒

大豆を刈り取った。
夏場には一面の緑で地面が見えないほどであった大豆畑だが、すっかり葉が枯れ落ちて、幹と鞘だけの姿になった。

これらを収穫するのだが、作付はごく小規模なので手で刈り取っている。

根っこから引き抜き、干しても良いのだが、後で鞘を叩いて豆を取り出す作業時に根に付いた土が豆と混ざってしまって、選別に大変苦労する。
なので根元から切り取る=稲刈りで使ったギザギザのついた鎌で刈り取ることにしている。
しばらく蔵の軒下で乾燥させたのち、叩いて鞘から豆を取り出す作業に入る。
今年もなかなか良くできた大豆である。年明けに手作り味噌をまた仕込みたいと考えている。
                                           
大豆のようなマメ科植物の根っこの部分には、『根粒』が付いている。
大豆の根っこと根粒
この粒の中には根粒菌がたくさん住みついている
根粒菌は空気中の窒素(気体)を固定化して窒素化合物を作る。さらに窒素化合物と水素と結び付けてアンモニアを作り出す。マメ科の植物は成長するための栄養素としてアンモニアをもらう。
この連鎖をマメ科の根っこで根粒菌がやっているわけだ。
根粒は昔から窒素肥料として利用されてきた。昔の人は、こんな理屈は知らずともうまく活用してきたのだから、たいしたものだ。
                                           
ところで、化学肥料のアンモニアは1000気圧という超高圧と500℃という高温のもとで窒素と水素の化学反応でもって工業的に作っているという。つまり莫大なエネルギーが必要な化学肥料ということだ。ところが、根粒菌はこの反応を常温常圧でいとも簡単にやってしまうのである。凄技ではないか。
納豆も豆腐も(枝豆も)、みな根粒菌のお陰で食べられている。