2018年11月11日日曜日

分蜂群誘引装置

今年は、探索蜂・分蜂群を誘き寄せることを目的として「太陽光蜜蝋融解装置」なるものを作って空き巣箱前に設置してみた。
黒いテープで覆ったアルミ缶に蜜蝋を入れ太陽光の熱で溶かして臭いを出す簡易な装置である。名付けて『Plein Soleil Ⅰ型』という。(→ 2018/3/28ブログ参照)
2ℓのペットボトルを半分にしたものと、アルミボトル缶に黒テープを巻いたもの。
アルミボトル缶の中に蜜蝋を20gほど入れる。これでひとシーズン持つ。

ペットボルト(下)の中に缶を入れて
上からペットボトル(上)を押し込みカバーする。

アルミ箔を貼ったザルの中央に乗せて、
巣箱近くの日の当たる場所に設置する

設置した50の空き巣箱の全てにこれを設置し、万全の策を講じて今年の捕獲シーズンを迎えた。
その結果であるが、分蜂ピークが過ぎた7月中旬の集計では17群を新たに捕獲できている。(2018/7/11ブログ)
その後も、若干の逃去と捕獲の繰り返しが続いたが、飼育箱(越冬群+新規捕獲群-逃去群)入居箱の最多のスポット記録は24群で、過去最高を記録している。
(ちなみに、11月10日現在は11群となっている。10月はスズメバチ被害が夥しく、ひと月の間に6群が消滅してしまった)

一部の箱には待ち箱ルアーを取り付けたので、その効果によるものも当然にあるだろうが、ルアーを付けていない箱にも分蜂群が8箱ほど入居してくれている。
厳密な比較検証のための条件が整っていないため、純粋にこの装置だけによる効果のほどは分からぬが、個人的な感覚では大成功と感じている。

巣くずを煮て蜜蝋を作ったことがある方なら経験済みだろうが蜜蝋が溶けた匂いで、ハチたちがワンサカ寄ってくる。あの独特の臭気がハチは大好きだ。4月~6月、晴れた日にはアルミ缶の中は簡単に70℃ほどになり、中の蜜蝋がドロドロになって缶の開口部から臭気が立ち昇る。晴れた昼間はずっとあの臭気が撒き散らされ続けるのであるから探索蜂が気が付かぬはずはない。巣箱がここにあると気付かせるのが大変なのだから、効果はテキメンである。

従来の手法である巣箱本体や天板に蜜蝋を塗り付ける方法は、時間の経過とともに発臭効果が低減してしまうのは避けられない。だがこの装置ではシーズン中ずっと(晴れさえすれば)効果が期待できるのである。

大仰な作りではなく容易に作れるうえに、コストも極めて低廉。
晴れさえすればよいときているのだから、これほどのコストパフォーマンスのよいものはあるまい。
ミツバチを楽しむには、まずは分蜂群を捕獲するのがひとつの重要なステップである。これを逃すと1年が無駄になる。
キンリョウヘン、待ち箱ルアーと並ぶ効果が期待できるものと自負している。
お奨めだと思うが。

0 件のコメント:

コメントを投稿