2017年2月22日水曜日

子供のデパート杉田の閉店

昭和四十年代ころに大宮町内で小学生だった男の子であれば、その店の名を知らぬものはいないだろうし、いまその名を聞くとタマラナイ懐かしさを覚えることだろう。
店の名前は「子供のデパート 杉田」(我々は杉田屋と呼んでいた)。旧大宮町の中心部・十文字の近くにその小さな店はある。いつの頃からか「杉田模型」と名を変えてはいるが佇まいは昔のままだ。

小生が小学生だった時分(昭和四十年代半ば)、当時はプラモデルを中心とした模型店・おもちゃ屋で、小学生男子には絶大な人気があった。ちょっとした聖地だった。店内は狭く壁一面にプラモデル類の箱が積まれていて、やたらとゴチャゴチャした雰囲気の店だった記憶がある。

いまも店の前は頻繁に通過しているのだが、迂闊にもシャッターに張り紙がしてあるのに全く気が付かなかった。張り紙に気付き、もしやと思い近寄って確認してみると案の定、閉店のお知らせの張り紙だった。閉店して既に三か月近く経っていた。


やっぱりな、仕方ないよな、と思うと同時に、よくここまで続けてきたものだと感慨にふけった。このような模型やプラモデル類は今では大手ショッピングセンターなどで手軽に手に入るし種類も豊富だろう。多様な子供向け遊び道具が揃った昨今、プラモデル組み立てに目を輝かせる子供たちはそう多くはおるまい。

ここ十数年は、大人のマニア向けのラジコンヘリ等に絞って専門店化していたようだ(店頭に飾ってあるのを見ただけだ)が、それとて限界があり、もはや時代には抗し切れなかったのだろう。またひとつ時代を象徴する店舗が無くなってしまった。寂しいかぎりだ。

かつて商店が軒を並べ、賑わいを見せた大宮十文字界隈も、いまではほとんどがシャッターが閉まったままか、更地や駐車場となっている。
十文字界隈
かつての賑わいは今や昔
看板も朽ちて落ちたままとなった店舗も数多い。人通りも少なく典型的な地方の旧市街地の通りだ。痛々しくて、侘しい風景である。付近の街中で目立つのは改装なった地元病院と増え続ける介護関係施設ばかり。これも時代の流れなのだろう。
子供たちに夢を与えてくれ続けた杉田屋。杉田模型。
・・・ありがとう。店はなくなってもあのワクワクしたあの頃の子供心は忘れることは無い。

1 件のコメント:

  1. ふと思い出してキーワード検索しこのブログを発見しました。さすがにもう無いだろうと思っていましたが、外観の写真が見られて懐かしかったです。

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