2017年2月14日火曜日

JAのコメに産地偽装の疑いの報

週刊ダイヤモンド誌(2017/2/18号)に『「JAのコメ」に産地偽装の疑い、魚沼産に中国産混入』という記事が出た。
 記事はこちら → http://diamond.jp/articles/-/117642

JAグループの米卸会社が国産米として販売した米のうち、「滋賀こしひかり」は10粒中6粒、「魚沼産こしひかり」は10粒中4粒、「京都丹後こしひかり」は10粒中3粒が中国産と判定されたという。いわゆる産地偽装と言うヤツだ。
消費者としては、袋に表示された内容を信じて(というかそれしか頼るものが無い)買わざるを得ないので、まったくもってひとをバカにした話である。
米農家としても、せっかく丹精込めてつくった地元産米を、他所の安い米と混ぜあわせてて自分の地域名を付けられて売られることに憤っていることだろう。我が家から出荷された米も茨城産こしひかりとして売られているはずだが、大丈夫だろうかと思ってしまう。
滋賀県LOVEで地元産食材に拘る滋賀県民もいるだろうに、彼らは地元産のこしひかりをわざわざ選んで買い求めていたはずなのに、6割も中国産米を食べていたことになる。10粒中6粒などという比率は、もはや主が中国産米で副として国内産米を少し混ぜたと言うレベルでひどい。
断っておくが、中国産米そのものが悪いのではなくて、産地偽装という行為が悪い。JA系列のなかのほんの一部の米卸が産地偽装に手を染めただけなのかも知れないが、一般消費者はJAブランドを信じられなくなるのは避けられないだろう。悲しいことだ。

どんなに不正防止の仕組みを作っても、悪いことをする輩は必ず出てくる。それを前提にして食の材料を選んで生活しなければならなくなるのは悲しいことだ。今回の事件は生産者から離れたところでの不正であり農家が悪いわけではない。農家は愚直に美味しい米、安心して食べられる良い米を目指して作っている。
今はいろんな手段でもって信頼できる生産者・産地からモノを直接取り寄せることができる時代だ。できることなら一度その生産地に出向いて、どんな場所で獲れているのかを自分の目で見て、生産者と会って人を顔を確認したら良い。これができるとベストだろう。次善の策としては生産者の名前と産地・場所が明記されたものを選ぶことかもしれない。

余談だが、我が家の米は天日干しで自然乾燥したコシヒカリ米だ。刈り取った後に逆さまに吊るして2週間ほど乾燥させているのだが、こうした時間の中で茎や葉部分の栄養分が稲穂部分に下がってきて実がギュッと詰まるという。多くの大規模農家が行っている刈り取りつつ脱穀し、直ぐに乾燥機にかけて強制的に短時間で乾燥させる米とは何かしら違いはあるはずだ。
我が家の米の大半は、永年付き合いのある市内の米業者にまとめて販売しているのだが、天日干しであることなどは表示されないだろうし、おそらく同じ市内の他所で獲れた乾燥機乾燥米と混ざってしまって販売されているのだろうと思う。これは致し方ない。

我が家の米は一部の方に直販もしている。その方々は我が家をご存知であり信頼もしてくれている。きっと「茨城県常陸大宮市東野」の田園風景やオダ掛け天日干し(・・およびその苦労も)をイメージしながら安心して召し上がっていただいているに違いない。生産者としても、お送りした家の食卓を囲む家族の笑顔が想像できてウレシイ。
9月半ばの天日干し風景
この手間が美味いコメを作る

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