2015年2月16日月曜日

厳寒期のミツバチたち

2月の外気はそれ自体が冷たい。
さらに風が強かったりする日が多い。
そのうえに日差しが弱かったりすると、体感温度が低くなる3要素がすべて揃い、寒さに弱い我が身には余計に寒く感じ辛いものがある。

人と話をしていてしばしば尋ねられることに、『寒くて花も咲いていないいまの時期に、ミツバチたちはどうしているの?』ということがある。
自分でもミツバチを飼育するようになるまでは気にも留めなかったが、確かにミツバチは冬眠でもしているのかと思っている人は多い。

答えは、巣箱の中でしっかりと生活しており、暖かい日には外に出てくる、というもの。越冬中とはいえ、必要な活動はちゃんとしているのである。ただ群れとして生き延びるに必要最小限までハチの数、個体数を減らしている。
個体数は少ないし、活動量自体も少ないこともあって、われわれの目に触れないだけだ。

彼らも花の乏しい寒い時期を生き延びるので、そのために昨年から蓄えてきた食料(蜜・花粉)を取り崩しながら暮らしている。ほそぼそとした窮乏生活のような気もするが、案外リッチな骨休めの期間かもしれない。
巣箱の底板を開けてみると、巣を齧ってこぼれ落ちた細かな巣屑が山盛りになっている。
とはいえ、梅が満開になるまでのあとひと月ほどは、彼らにとって忍耐の時期・試練の時に違いない。
日差しがあり風もなく暖かい日の午後、出入りするハチの姿を確認した。
どこに花が咲いているのか、ちゃんと花粉をつけて戻ってくるハチもいる
巣箱への出入りが全くない時間も多いのだが、そうなると『ちゃんと生きているのか? 逃げられていないか?』と妙に心配になってくる。
すぐに覗いて確認したい衝動にかられるのだが、その気持ちをいつも抑えている。

彼らとて生き物、ちゃんと魂というかココロを持っているので、この時期はかなりイライラしているようなのである。戦闘的と言って良い。ストレスが溜まっているのだろう。
掃除のために底板をちょっと動かしただけで『敵機襲来』とばかりに飛び出してきては襲ってくる。
花の多い時期には、同じことをしてもまったく無視される。大抵は素手で作業しているのだが。。
なので冬に巣箱を触るときには、しっかりとした防御の身支度で臨んでいる。

襲われることがあっても、逆に襲ってくるほど元気でいるミツバチだ、ということでもあるので、妙に安心したりしているのである。
ハチに憑りつかれたこのようなオトコの気持ちは、他人にはなかなか理解できまい。

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