宝の山とは、ここに当たり前に存在している無価値と思えるものでも、ちょっと手を加えて新しい価値を付加することで「オシャレ」で「カッコイイ」ものに変わり宝=価値あるものとなりうるということ。
以前、池袋のLOFTで「石木花(せきぼっか)」という会社が展示しているミニ盆栽コーナーに立ち寄ってひどく驚いた。ありふれた普通の小さな樹々が可愛いミニ器に植えられ、木の根元は美しい苔で覆われている。見事なアートに昇華している。素晴らしいの一言であり、しばし見とれてしまった。
よく卒業式で壇上に飾られるような、どっしりとしていて枝ぶりも良く、古色蒼然とした樹が独特の形式美を持ち、伝統的・重厚さを売りにする「盆栽」とは別物だ。「どーだ、すごがっぺ?(=すごいだろォ?)」といった威圧感や存在感の強烈な主張は全くしない。
そもそも志向しているものが真逆であり、全く違うものだ。つまりもっとライトな感覚で「和のテイスト」・「カワイイ」・「小さな大自然」を「気楽に楽しめる」ものだろう。
石木花(せきぼっか)さんのHPは こちら
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LOFTでの衝撃的な出会いから、試してみたい心に火が着いた。
あのミニ盆栽に使われている植物の大半と苔は、この里山に自生しているものばかりだ(ちゃんとした姿かどうかは別だが)。山道を歩くたびに手ごろな樹の苗を見つけては小鉢に植えて、苔を回してきた。あの時見たミニ盆栽の完全な真似事である。
やはり一番多いのはモミジ。下の写真のようにホソバオキナゴケ(※)を根元に張ると十分に鑑賞に堪えるミニ盆栽になる。ここまでの過程がえらく楽しい。
そこそこの出来栄えにいたく満足しており、この素晴らしさを理解し価値を共有してくれる方にお分けして、楽しんでもらっている。
(※)我が家の山でもホソバオキナゴケの自生地は限られていて貴重な苔となっている。なのでこの苔を手元の管理下で増やそうと試み中だ。不思議が多くてこれまた楽しい。
だがこれはあくまで石木花さんの真似事であり、個人的な趣味止まり。とても石木花さんのようなレベルは無理だ。
素材は容易に大量にタダで手に入るとしても、あのようにセンス良く仕上げることは難しい。そして事業として行うには、永続的に維持管理が要だし、(PRし販路拡大に努め)収益を上げないといけない。とても無理だ。
ちょっと真似して、うっとりしているだけで十分満足な小市民である。(・・・うわぁ、これじゃあ庭先で年代物の五葉松の大型盆栽にハサミを入れて悦に入っているご老人と同じではないか・・)
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