2019年8月27日火曜日

「古代ハス」切り花の販売を探る(その2)

ハスの花の鮮度を保ちつつ配送できないかを検討している続きである。

調べようとしていたテーマにどんピシャリの研究報告書を見つけた。
愛知県農業総合試験場研究報告30号(1998年)の「ハス切り花の低温保管による品質保持」という研究報告である。
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興味ある方はリンクを開いて一読されたい。
内容は各種実験データの解説と考察でこ難しいが、なんとなくわかった範囲で結論を要約すると次のようなものだ。
ハスの切り花は
①低温(5~10℃)で鮮度が保持される。15℃以上では鮮度保持ができない。
②フィルム包装は蒸散抑制効果が高い。つまりは萎れにくくなる。3℃以下で発生する花弁離脱・黒ずみなどの低温障害を抑止できる。
③エチレンに対する感受性が低い。切り花・葉から発生する老化を促すエチレンガスによる品質劣化が少ない。
④切り花に給水させながら流通させるのがよいと思われたが、今回の試験結果では効果が確認されなかった。品質劣化は水分ストレスの影響ではないと考えられる。
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この研究結果に従うと
①はクロネコヤマトクール便(冷蔵タイプ)は0℃~10℃であり実現可能
②の低温障害もフイルム包装することで防げる。冷蔵タイプの場合0℃~5℃の環境もありうるがフィルム包装しておけば防げる。
③は考慮しなくて良さそうだ。
④最大の難点と思われた配送中の水分補給であるが、この試験結果からはどうやら影響の有無は断定できなかったらしい。給水は絶対必要との思い込みがあったのだが、あまり考慮しなくても良いというのは朗報ではある。ただ植物である以上、水分は必要不可欠であり影響を最小限に抑えるためにも何らかの形で補給はしておく方が望ましいことであるはすだ。ひたすら調べたら良いある方法が見かった。

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とても便利な製品だ。
【切り花用保水ゼリー 「エコゼリー」】

小袋に入ったゼリーが水の代わりとなる画期的なもの。これを茎に刺しておけば給水と同じ効果が得られて、しかもゼリーなので水がこぼれる心配がない。なんとも良くできている。配送期間中の切り花へ給水が断続的にできそうだ。

さっそくネットで購入してどれくらいの効果があるのかを調べてみた。
パターン1の葉と蕾
これを袋に入れて冷蔵庫に48時間保管した

比較のため次の表のパターンで丸二日(48時間)経過した状態を検証した。
それぞれのパターンで使用する葉と蕾には、茎の切断面から水道水をホースで強制的に注入している。同じ条件でスタートだ。

(今回も長くなるので続きは その3で)

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