夏至の時分にはまだ外にいた時刻に、すっかり短くなった一日を惜しみつつ酒器を傾ける夕べである。
里に秋更ける時期でもある。
今年の我が家の柿の生りはあまり良くないが例年なら柿の赤い実りが遠くから鮮やかに見える。まもなく始まる紅葉や菊の花の黄色などとあわせ『目の福の季(とき)』とも言える。
そして食いしん坊の我が身からすると口福の季でもある。栗から始まり新米・キノコ・さつまいも・新そば・・・・などなど。秋の味覚に溢れかえっている。
毎度のことだが、この豊かな恵みを育む豊饒なる大地には感謝である。
小さなころに覚えた味覚がいまも我が精神を支配している。
茹でたサトイモに味噌を塗り串に刺し、当時まだ現役で使っていた囲炉裏で焼いたあの味は、亡き父母の記憶とともに脳裏に深く刻まれている。
心をほんわかと温めてくれる、我がソウル(soul)フードのひとつだ。
炙るのは囲炉裏の火ではないが、掘り上げたサトイモであの記憶の味を明日にでも作ってみようかと思う。
こんな感じの食べ物だ。 味噌の焼ける香りがたまらなかった。 画像は『ぐるたび』-栃木県より。那須元気プロモーション協議会提供の画像 |
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