本日(6/15)放映のTBSテレビの番組『金スマ ひとり農業』、いつもはスタジオにいてコメントしてる中居氏他のメンバーが常陸大宮市内某所にある渡辺ヘルムート氏の活動拠点場所を訪ねた内容である。
(金スマに先立つ20:00からは、NHK総合テレビでは『キッチンが走る! 』が放送されていて、今回は隣町である常陸太田市が舞台だった。この地域がこのように連続して取り上げられるなんて珍しい)
渡辺氏の新居作りもいよいよ最終段階に入ったようだ。
壁塗りやら柴屋根作りの手伝いの様子が伝えられたが、一般住居として、こんなこともするのかという驚きが正直なところだ。
まあつまりはTBSのテレビとして・番組としての・企画ものとしての演出でもある。
面白いのだが、費用的な面・期間的な面を考慮しなくても済むからこその内容である、などという冷淡な見方もある。
ワタクシなどは、この家はこの後が(維持管理が)大変だろうなぁなどと思ってしまう悲しい小市民である。
(本当に今後ずっとご両親と住み農業を続けるのだろうか? さらにこのテレビ企画番組が続くのだろうか? などとも思う)
農業作業のコーナーは、一大イベントである、田植えでのひと騒動。
昨年に続き大勢が楽しげに田植えを手伝った。
大勢で、かつ短時間やるレベル(=規模)では、たしかに楽しい。
実際には皆が帰った後の残りの大半の面積を、渡辺氏が2日間掛けて手植えしたようだ。
全て手作業だったようだが、さすがに大変だっただろうと思う。
(残りを植えるこの部分は早送りでさらりと数秒放映されただけだが、ここが一番大変な部分だ)
楽しんで仕事をすることは、継続する上で必要な要素だ。
本格的な農業は、いい加減な気持ちではできないし続けられないことも事実。
だが、だからといって悲壮感を漂わせながらやるのでも辛い。
外で皆で食べていたお昼ご飯。
単なるおにぎりでも格別な味だったろう。
この開放感は田舎ならではだ。堪らない。。
こんな経験を簡単にできるのが田舎暮らしの良いところだ。
キャンプやハイキングで野外で食べる食事がおいしかった経験は誰しもあるであろう。
今週は、かなりの部分をこれら『食べ物』に時間を割いた放送だった。
米粉でのパン作り。石窯でのパン焼き。渡辺氏がはまっているカレーパン作り。
だいぶマメな彼だからこそできる一連の作業だが、テレビを見て興味をそそられる人も多かろう。
(実際に我々がこれをしようとすると、原料となる材料はともかく、機材から揃えないといけないのでハードルは高い。であるからひとり農業はさすがテレビの企画番組である)
今回は、スタジオで中居氏の後ろで足を組んで座っている女性たち『赤のみなさん』も渡辺氏の作った米粉パンのご相伴にあずかった。
この番組の映像を共に見て、この味覚を味い、少なからず心を揺さぶられ感動している赤のみなさんも中にはいることだろう(と思う)。
農業・田舎暮らしは楽しいことばかりでもないが、苦しいことばかりでもない。
いくら素晴らしいとはいえ若い女性がこの業に入り込むのは相当の勇気のいることだろう。カワイイとかキレイとかとは、とても言いがたい世界であるのだから。
その考えだけでやろうとすると前回ご紹介したNHK『晴れときどきファーム』となり、現実離れしてしまう。
だが、山形県には『山形ガールズ農場』という農業を専門にやっている若い女性だけの本格的な農業集団がある。
後ろ盾にはしっかりとした経営母体があり、都市のマーケットとしっかりと繋がりを持てているからではあるが、現代の高齢化・過疎化が進む我が国の農村部では、かなり特異な集団ではないかと思う。
山形ガールズ農場
彼女たちは単なるブームとしての農業ではなく、またお遊び感覚の農業でもなく、かなりの専門集団化して、つまりは農業をビジネスとして本気で頑張っているのである。
若い女性として魅力ある農業とはどうあるべきか、を常に考え、指向しているようだ。
『女子から始める農業改革』と『本気のナデシコたちが、日本の農業を元気にする』という逞しいキャッチコピーである。
どれもこれもが笑顔が素晴らしい彼女たちで、みな目がキラキラしている。
このような意欲有る若い女性の農業人口が増えることは嬉しいこと、望ましいことだ。
このような組織はまれだが、金スマ『赤のみなさん』のような今風都市生活者の典型である妙齢の女性達が、どんどん田舎に入り込んで(訪ねて・農業体験だけでも参加して)くれて、その精神的な豊かさに触れると、農村部そのものも、彼女たち自身も、なにかが双方で変わるのではないかと思う。
遠くなってしまった食の場と生産の現場が思いっきり近づくはずだ。
そのことで、日々の食生活そのものに対する意識や、ひいては生き方までが変化するかも知れない。
いつも思う。
この番組もそんなきっかけになれば良いなと。
余談ながら、スタジオジブリ映画『おもひでほろぽろ』(1991年公開)は、ガールズ農場と同じ山形県が舞台であった。
人生の節目を迎えた27歳の女性が小学校のころの自分を思い出しながら、田舎の人々と自然に触れ、自らの生き方を見つけていくまでを描いている。なかなか良いアニメだ。
Wikipedia おもひでぽろぽろ
YouTube おもひでぽろぽろ
田舎の自然は何も語らない。説教もしない。
ただ懐深くどんな者でも受け入れてくれやさしく包み込んでくれる。
じっくりゆっくり自然と対峙し、何かを聞き取り感じ取ったら良い。
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