ミツバチはいまが巣別れ=分蜂の時期だ。
新しい女王バチが誕生すると、母親の女王バチは住んでいた巣を娘に譲って、働きバチの半分ほどを引き連れて巣を出てゆく(出てゆくのは母親蜂である)。しばらく集団で飛び回った後、新しい巣を作る場所が見つかるまでは木の幹などに固まって球状になる(=蜂玉)という習性がある。この一連の行動は、たいていの場合それを目にした人々を驚かせる。数千匹のミツバチが旋回し羽音を轟かせるのである。蜂玉として固まれば固まったで蜂が蠢く大きな塊である。ビジュアル的にも異形だ。
これは縦25cm・横20cm ほどのイチゴ型の塊り |
分蜂群は皆が上を向いてかたまる習性がある この状態だと落ち着いていて触っても刺すことはない |
一匹二匹が花の蜜を吸っている姿は可愛いとしても、これは見たこともない異様な光景だろう。よほどミツバチの生態に詳しくない限りは『キモチ悪い~』というのが普通のはずだ。そしてこの時期にしか見られない現象だから余計だ。養蜂をしている人にすればなんともラブリーで愛おしい姿なのだが。
これらのミツバチの行動を見ていつも思うことは、「どのような意思決定がなされ、なんのチカラで集団で統率が取れた行動ができるのか?」という疑問である。人間のような音声での会話による意思疎通はない(と思う)。ましてや事前の打ち合わせ会議やらもない(と思う)。この分蜂に限らず、日常的な営巣活動においても、巣箱(中は真っ暗だ)の中であの整然とした六角形のハニカム構造の巣を、何千匹ものミツバチがバラバラに動いているようできっちりと作り上げる。神秘的でもある。
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ある面白い記事を見つけた。
『人間がミツバチ社会から学ぶべき「意志決定方法」とは?』という題の記事。 (この記事の中で、巣から出てゆくのが新しい女王バチとされているが、実際には出てゆくのは母親の、つまり古い女王バチである。おそらく記事を書いた人は素人で、思い込みによる間違いだ)
https://gigazine.net/news/20200112-honey-bees-argue/
内容について、本当にそうなのかなぁとも思うが、違うと言い切るだけの確たる根拠も持ち合わせない。生物の研究者でもなし、ほのぼのと不思議のままで眺めるのが一番良いと思っている。このような探求心が足りない人間ばかりでは自然科学の進歩などは望むべくもない。
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