2022年3月30日水曜日

古代ハス 今年は咲くか?

古代ハスの観賞用池として作った田んぼの一角の場所。当初は驚くほどキレイな古代ハスが咲き揃い、道行く人々の目を楽しませてくれたのだが、ここ2年ほどまったく花が咲かない状態が続いている。芽さえも出てこない。

2019年7月まではこのようにこの池で茂って咲いた古代ハスだが
翌年から全く咲かなくなってしまった

すぐ脇の田んぼの中に伸びた地下茎部分からは、従来通り葉も茂り立派な花も咲いている。環境的にほとんど違いのないこの両者でなぜ斯くも著しい違いがあるのか今もってわからずにいる。今年も同じように芽も葉も出ずに花も咲かないまま初夏を迎えるのはあまりに虚しい。

あれこれ知恵も無い頭で考えてみた。

同じ地下茎から広がった古代ハスであるので、わずか数メートルしか離れていない専用池部分と田んぼ部分で何かしら決定的な違い目があるはずだ。・・・・・ヒントになるとある現象を思い出した。

2年前の春先、この古代ハスの地下茎を知人に譲るために泥の中を掘り進んだことがあった。地下茎は泥の更に下の粘土質の土中(泥からは30センチほど深い部分)にあるのでそう簡単には掘れない。そもそも泥の中で姿が見えないため手当たり次第に泥と粘土質の土を掘り込んで、あとは手探りで地下茎を探して引っ張り出した。このとき約1㎡ほどの広さを、深さ30~40cmほど掘ってグチャグチャに土を攪乱した。

その年も次年(去年)の夏も池のハスは芽も出ず、花も咲くことはなかったのだが、この土をグチャグチャに攪乱した箇所だけは芽が出て葉が茂ったのである。いままでこの攪乱作業と発芽の因果関係を特段気にも留めなかった。だが不作が3年にもなろうとしている今、何かしら出来ることをしたいと思い、他所で同様な事象がないか調べてみた。すると(鉢植えのハスではなく)滋賀県草津市の琵琶湖に生えていたハスが消えたという事例をみつけた。

国内最大級のハスの群生地が突然の消滅 | ソーシャル・イノベーション・ニュース (social-innovation-news.jp)

⇒2016年、原因不明で、なんとハスが消滅。しかも、草津市が調査したところ、「今年(2016年)の地下茎が見当たらない」と話すように、花はおろか、茎すらなくなる緊急事態に。そこで、滋賀県と草津市、そして、滋賀県立大学の名誉教授で滋賀自然環境研究会の小林会長が調査。その結果、消滅した主な原因は、枯れたハスの葉だという。今までに枯れたハスの葉などが大量に湖の底にたまり、土に蓋をしてしまった。そのため、土に酸素が無くなり、ハスが呼吸できなくなって枯れてしまったという。

この記事を読んで、あの土攪乱箇所の発芽した事象が見事につながった。つまり、古代ハス専用の池を整備して数年は(上の写真のように)密集して咲き揃ったが、その後、枯れた葉や花托などをそのままの状態で放置しておいたため、この数年間で土に蓋をしてしまっていたのだろう。狭い池である上に側溝からの流水の流れ込みもまったく無い。枯れ葉が堆積したまままで泥は全く動いていない。かたや隣の田んぼは毎年田起こし・代掻きと土を何度も攪乱しているので、土中の酸素も供給されている。両者の違い目はこれだろう。とすれば地下茎に及ばすとも泥と土をできる限り掻き混ぜて、地中に酸素を送り込めればよい。生育場所の環境悪化が枯れた直接の原因なのだろうとは思うが、種は何千年も泥の中で生きているほど生命力は強いハスなのに意外と弱いんだなぁというのが率直な感想だ。

ということで、(ダメかもしれないが)ハス池の泥と土を鍬で掘り起こし、攪乱してみた。池は既に卵から孵化したオタマジャクシが大量に泳いでいる水たまりになっている。周囲の畔道の雑草防止を兼ねて、泥を畔に掘り上げて被せる作業となった。地下茎が生きていればきっとまた生えてくるに違いない、と信じて。道行く人から「今年は咲くと良いわね」とたくさんの声援を受けた。予想以上にこのハスが咲かないことを気に掛けてくれているので嬉しくなった。黙々と作業すること3時間。ひとまず池全体の泥攪乱作業と泥上げは終了した。腰痛の他に、鋤を握る手にはマメが何カ所も出来て潰れて大変な思いをしたが、これでまた古代ハスが咲き揃ってくれたなら安いものだ。初夏が楽しみだ。



2022年3月22日火曜日

咲き始めた春の花に降雪

今日は日付が変わったあたりからの降雪。彼岸過ぎではあるが、かなりまとまった積雪量となった。朝起きたら一面の銀世界に少々ビックリ。水郡線はこの雪のため線路わきの竹が倒れた影響とかで、ダイヤの乱れ・遅れが一日つづいていた。山頂から見下ろす麓の雪景色は寒々しいモノトーンだ。


ここ数日の暖かさで膨らみかけた桜の蕾もちょっとびっくりで開花は小休止だろう。既に一部開花し始めた菜の花・レンギョウ・スイセンはすっぽりと雪をかぶった。




春先の周期的な天気の崩れはいつものこと。この雨や雪も田畑を潤す春の農事にとって大切なものだ。

今年の稲作の実質的なスタートとなる種籾を浸す作業は、明日にでもしよう。

2022年3月21日月曜日

カエルの唄が聞こえてくるよ♪・・うになる

春の彼岸の中日、春分の日である。寒暖の繰り返しはあるもののだいぶ過ごしやすくなった。(余談だが、祝日になっている「春分の日」は何を祝う祝日であるかご存じだろうか。日本の祝日を定めている「国民の祝日に関する法律」では、「自然をたたえ、生物をいつくしむ」ための祝日とされている。昼間と夜が同じ長さを祝うのでも、ましてや日頃はすっかり頭から抜けているご先祖のことを思い出して少し詫びながらでも墓参りに充てるようにとの粋な計らいなどでは無い。ではあるのだが、もうひとつの秋の彼岸・秋分の日は、同法によると「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ。」とある。秋は墓参りのためのものと言えなくもない。かように法律上では両祝日の趣旨は全く違うのであった)

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谷津田の水溜まりや脇の水路にはカエルの卵がたくさん産み付けられている。暖かい陽射しが降り注ぎ、程よくぬるま湯状態になっているはずだ。


至るところで確認できるのだから、この谷津田だけでも膨大な数のカエルが生まれてくる。コサギやアオサギもまたたくさん飛来して、それなりに啄ばんでいるものの、数に勝る。

毎年のことだが、この谷津田はカエルの大合唱が毎夜繰り広げられる。間もなくだ。

2022年3月17日木曜日

再びの大地震と地震計

昨夜(3/16)の深夜、まさかの大地震。また来たか、とあの11年前の揺れとその後の大変だった日常が頭をよぎった人も多かったに違いない。当地は震度5弱ではあったが、やはり真夜中の大地震は怖い。一夜明けて周囲を確認して回った。幸いに被害らしい被害は無くて一安心。積み上げて並べてあった薪が崩れて落ちたのと、仏壇の位牌が傾いていた事くらいだった。

ニュースでは福島や宮城の被害の模様を伝えている。東北新幹線の脱線や高速道路の亀裂など、やはり地震とは恐ろしいパワーで襲い掛かる。ややもすると平和ボケしてちょっと忘れかけてきた東日本大地震のあの恐怖。まだまだだ安心出来ない。ゆめゆめ忘れることなきようにしたいと自戒した出来事だった。

JR水郡線玉川村駅構内に設置されている地震計は11年前の地震を機に設置されたものだ。ここで太平洋側で起こった地震のP波を少しでも早く検知し、東北新幹線の指令所に情報を送って零点零何秒でも速く新幹線を緊急停止させるためのものと聞く。昨夜もP波を検知し立派に機能したに違いない。

人知れず草むらのなかにひっそりと佇む地震計の建物。こんなひと目につかない地味な仕組みの数々が、我々が当たり前としている何事もない日常生活を確実に・ひっそりと支えている。感動的でもある。そして感謝だ。

2022年3月10日木曜日

ミツバチの活動が勢いづいてきた

民家の庭先や山裾に植えられている梅の木の花が、いま満開になっている。朝には氷点下にもなる寒い日がまだまだある3月上旬。これといって華やかな色のない山里の、そこここにひっそりと静かに咲いている。寒さのピークを過ぎ、待ちわびた春の先遣隊のようなものだ。

清楚で凛とした姿の、しかもあまり強く自己主張をしていないところが気に入っている。特に大きな樹木の枝全体にピンクの花をつけている紅梅があると、しばし見入ってしまう。真に美しいと感じる。

この百花に先駆けて花を付ける梅は、梅以外に花らしい花がないこの時期にミツバチたちにとってはとても貴重なものだ。梅の花は樹にたくさんついているのでミツバチたちの姿はなかなか目視できないが、巣箱に帰ってくるミツバチの脚に大きな花粉の球をつけているところを見ると間違いなく訪花しているようだ。暖かい日中にはせわしなく巣箱を出入りしている。

一方、花としては認識されにくいのだがネコヤナギも花の時期を迎えている。あの猫の尾にも似たフサフサ部分の花穂に花粉がついている。こちらは蜜というよりも花粉を集めるためにミツバチたちが訪花する。

Youtube ⇒


赤芽ネコヤナギに訪花するミツバチ

急に慌しくなってきたミツバチたちの動き。来月の分蜂に向けて女王蜂はそろそろ産卵の準備に入っていくのであろう。ミツバチの個体数が急激に増える前の諸準備がいまの作業だ。

この勢いづいてきたミツバチたちの姿を眺めるのが、毎日至福の時間になっている。今年もまもなく捕獲シーズンが始まる。

2022年3月8日火曜日

ハート現る

山肌にソーラーLEDライトを並べてから、多くの方から山肌の見慣れぬ輝きについて好意的なコメントを頂いている。いままで見慣れた真っ暗な場所に、ありえない光の列が整然と並んでいるのだからそりゃあビックリもするだろう。中には、わざわざ我が家を訪れて近くで見てみたいとライト辺りの遊歩道散策の承諾を得る方までいらっしゃったようだ。設置した側としては面映ゆいが、何の変哲もなかった近くの山が、ともあれ人口に膾炙するようになったのは嬉しくもある。

これがソーラーLEDライトだと分かった後でも、いやでも毎晩目に入るその輝きには、おそらくクリスマスのイルミネーションを眺めるのにも似たココロの動きがあるのではないかと思う。馬鹿気たこと・つまらないことかもしれないが、人のココロの中にちょっとだけでも楽しい気持ちや幸せな気分をもたらす存在になれたらそれでいい。

山頂に向かうギザギザ道に沿って並べたライトは、遠目に見ると道が見えないこともあり何のことか分からないようだったので、おもいきり並びを変えてみた。大きなハートマークである。

山肌が凸凹であるためキレイな♥にはなっていないのが残念だ
凸凹を計算に入れてけっこう緻密な製図をつくり並べたのだが・・・

ふと思いついたのだが、毎年8月16日夜に京都で行われる伝統行事の「五山の送り火」に合わせて、真似てお盆のときに「大」の文字をあしらってみようか。このハート部分が左大文字の「大北山」になり、大文字の「如意ヶ嶽」は右側部分かなぁ。(ときたら、妙法・舟形・鳥居形も欲しいが、残念ながらそれだけの山のスペースがない)

この山の麓には我が一族の墓地がある。お盆に帰ってきた先祖の霊を再びあの世に送り出すという、送り火行事の意味合いにまさに合致する最適な場所であろう。・・わがご先祖も初めてのことでびっくりするに違いない。

こうやっている今も、ロシアの侵攻でウクライナの方々は大変な思いをしている。せめてこの山里から平和で幸せな世界が訪れることを祈念して。ラブ&ピース。