真冬のロウバイ(蝋梅)の芳しい香りが気に入っている。
花としての派手さはないのだが独特の香りがその存在感を感じさせてくれる。香りの範囲もあまり広範囲に漂うものでは決してなく、花に近づいてやっと分かる程度。しかも、花は小さく枝にポッポツと粗に付く。加えて色は薄い黄色であるときているため木肌の色に近く、遠目に花の存在はほとんど分からない。斯様に見た目の自己主張がほぼ無いのがまた良いのだ。9月の金木犀の艶やかなオレンジ色の見た目と広範囲に漂わせる香り、というかなり主張が強い花とは好対照である。
この香りも、他の花と同じように枝を手折って花瓶に挿して飾ると家の中でも楽しめる。だが残念ながら時間の経過とともに植物は萎れ香りも減衰してくる。生の植物を飾る限界であり、儚い故の刹那的な愉しみといえるだろう。
だが、これらの好ましい花の香りを出来るだけ長い期間にわたり愉む方法がある。「Moist Potpourri」(モイスト ポプリ)だ。理屈は簡単で、摘んできた花を少し干して乾かし(半生=モイスト)、塩とともに瓶詰めするだけだ。
さっそく作ってみた。乾かし過ぎると花びらやガクがパリパリになり粉々になってしまうので、「半生」というのがポイントだ。
2時間ほど天日干ししただけだが、香りはだいぶ強く感じられるようになる。塩→花びら→塩→花びら・・・と交互に詰め込んで行く。最後に花びらを最上部に敷き詰めて終わり。
これで香りの瓶詰となる。香りを楽しみたい時は蓋をそっと開けるだけでよい。目を閉じて香りを嗅げば、きっとロウバイの花とともに真っ青な冬の空や冷たい北風も思い出せるに違いない。人の脳に刻まれた香りというのは、それに関連付けられた事象の記憶をふとした瞬間に鮮やかに甦らせるものだ。
(まだ試作品で工夫の余地はあるが)小さく可愛らしいし、何より珍しいし、しかも相手に負担を感じさせる・気を遣わせるような高価なシロモノでも無い。プレゼントにしても喜ばれるかもしれない。・・・知り合いのご婦人たちにモニター依頼して評価してもらうとするか WW
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